プロゴルファー
Taddy Bear
全英女子オープンでも話題になっていたロレックスランキングってなに?
“しぶこ”こと渋野日向子選手関連で『ロレックスランキング14位になりました!』なんて記事、よく目にしていることと思います。
さすが全英女子オープン優勝者、一気にランキングが上がりました。
でもロレックスランキングってなに? って疑問に感じているGridge読者もいるでしょう。
これ、2006年から始まった女子ゴルフの世界総合ランキングなのです。
※記事中の数字は2019年8月8日現在
※2019年8月9日、内容を一部修正しました
メジャーに優勝すると100ポイント!
現在、世界の各地で女子ツアー競技が組まれています。
日本のLPGAを始めとしてアメリカのUSLPGA、オーストラリアのALPG、ヨーロッパのLET、中国のCLPGA、それから韓国のKLPGAなどがその代表でしょう。
それぞれのツアーで獲得賞金によるランキングがつけられていますが、その順位は異なるツアーにおいて対比することはできません。
そこで世界統一のランキングを作ろう、と2004年5月に行われた世界女子ゴルフ会議で合意に達したのがロレックスランキングです。
第1回の発表は2006年2月、この時のトップはアニカ・ソレンスタム選手でした。
2010年6月には宮里藍選手が第1位になっていますね。
ランクの基準は各試合に与えられたポイント加算制で、前週に行われた世界各地のツアー競技が終了した翌月曜日に最新ランクが発表されます。
全英女子オープンで渋野選手は100ポイントを獲得、前週7月29日の段階では総合72.47ポイント、平均2.07ポイントで46位でしたが、一挙に平均ポイントが4.92まで上がり、14位にランクインしました。
ちなみにこの週、国内女子ツアーの「大東建託・いい部屋ネットレディス」で優勝した成田美寿々選手も平均1.80ポイントで61位まで上がっています。
平均ポイントで順位が決まる!
ポイント付与のシステムはかなり複雑で、メジャー5大会のみ予めポイントが決まっている他は、参加選手のワールドランキングやポイント保持者が何名出場しているかなど、大会によって変動し、その大会に与えられたポイントから選手たちへ分配されます。
選手が獲得したポイントは104週間有効で、とくに直近の13週間が重視され、残りの91週間のポイントは毎週一定の割合で減算されていきます。
ランキングは獲得した総合ポイントを対象試合数で割った平均ポイントで決めます。
総合ポイントだけを見ると渋野選手よりも獲得している選手はいますが、渋野選手の場合、ロレックスランキング対象の試合数が35と少なく、平均ポイントが上がりやすいので14位までジャンプアップしたわけですね。
ちなみにランクを管理しているのはフロリダ州に本拠を構えるR2イノベーティブ・テクノロジーズ(通称R2IT)が開発したランキング専用のソフトウェア。
これだけ複雑なシステムになると、もはや人の手で公平にランク付けするのは確かに無理な話でしょう。
東京オリンピックの出場も順位が大きく関わってくる!
2019年8月5日付けのロレックスランキングで第1位となっているのは全英女子オープン前週のメジャー競技、エビアン選手権で優勝し、2週連続優勝を狙ったたコ・ジンヨン(JIN-YOUNG KO)選手で、平均ポイントは9.38。
全英女子オープンでは最終日に激しく追い上げ、18番ホールでは最後のパットが入れば-17でサラス選手と並ぶという場面、カップの手前でボールが止まった時の悔しそうな表情は強く印象に残りました。
ベスト10には他にも韓国人選手が多くランクインしており、USLPGAを主戦場にしている韓国人選手の強さを物語っています。
トップ100までの割合も圧倒的に韓国人選手が占めていますが、トップ200までになると日本とアメリカがほぼ同数となり、トップ500ではアメリカを抜いて日本が2位です。
現在、メジャー大会の参加資格は各ツアー賞金ランク上位者や優勝経験者など、これもまた複雑なシステムになっていますが、今後はシンプルにロレックスランキングを優先する方向で検討しています。
ロレックスランキング優先は2020年の東京オリンピックも同じ。
上位15位以内は自動的に出場権が与えられます(ただし各国最大4名まで)。
渋野選手や畑岡奈紗選手が今の順位をキープ、あるいはもっと上がれば無条件で東京オリンピックに出場できるわけですね。
ロレックスランキングに注目していると、世界の女子ツアーがもっと面白くなります。