ライフスタイル
レッスンプロ・クラフトマン 河野
クラブのライ角にまつわる私の失敗談(その2)
こんにちは。
レッスンプロ・クラフトマンの河野です。
今回のお話は、クラブのライ角についてと、それにまつわる私の失敗(その2)です。
失敗はしましたが、そのお陰で最上のお客様と親しくなれました。
お客様のクラブを折ってしまいました
何日かして、またr様が前回調整したサンドウェッジを持って、お見えになりました。
r様「もう少しフラットに調整できませんか?」
私「先日の調整でほぼ限界だと思います。あれ以上曲げると折れます」
r様「その限界はわかるのですか?」
私「はい、職人としてのベンディングバーを持った時の感触でわかります」
r様「もう少しだけ試してもらえませんか?」
そのクラブは、高級クラブで上級者が使うというより、お金持ちがステータスで持っているクラブです。
破損した場合、私が弁償しなければなりませんので、躊躇していました。
それを察したr様が「折れても責任を取れとは言いませんよ。ですからもう少しフラットに調整してください」と言われましたので、ベンディングの器具にセットして、ベンディングバーに力を入れたところ、見事にスパーと折れました。
失敗の責任は取らなくてはならない
私は、一瞬頭が真っ白です。
r様「また見事に簡単に折れましたね」
私「申し訳ありません」それ以上言葉が出ません。
r様「いいんですよ、私がやってくれと言ったのですから」
私「店にあるサンドウェッジでよければすぐに取り付けます」
r様は、責任を取らなくてもいいと言ってくれましたが、起こしてしまった責任を取らないといけませんので、店にある軟鉄鍛造のサンドウェッジのヘッドをr様に選んでいただきました。
自分の愚かさを反省しながら、r様のサンドウェッジのシャフトを抜いて仕上げました(当然ライ角をフラットに調整しました)。
作業が終わってからしばらく、雑談をしながら、r様が人となりを語ってくれました。
年商5億円の会社の創業社長で、いくつかの名門コースのメンバーでありハンデが15であることなど。
r様「近いうちに、ゴルフに招待しますよ」
と言ってお帰りになられました。
最上のお客様
また何日かしてr様が来店して下さいました。
私「先日は申し訳ありませんでした」
r様「いいえ、こちらこそ無理を言ってしまいました」
r様から、来週のお店(ビッグキャリーゴルフショップ)のお休みにr様のホームコースにゴルフに行きましょう、とお誘いを受けました。
気に入ってもらえたのか、それを機会に何度も連れて行っていただきました。
その後は、ビッグキャリーゴルフショップにとっても、最上のお客様になっていただきとても感謝しております。
余計なことですが、r様を見ていますと創業経営者の孤独という物を感じてしまいます。
レッスンプロ・クラフトマンの河野でした。