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Gridge編集部

わたしのゴルフ履歴書〜Vol.3〜エンジョイゴルフ佐々木社長

ゴルフ好きな経営者にプライベートなゴルフスタイルについて話を聞く企画、「わたしのゴルフ履歴書」。

第三回となる今回は、(株)エンジョイゴルフ&スポーツジャパンの代表取締役である佐々木信也さんです!

業界ならでは? の楽しいお話を伺うことができましたので、早速いってみましょう!

佐々木信也さんはこんな人

佐々木社長が代表を務める「エンジョイゴルフ&スポーツジャパン」は、ゴルフとスポーツに特化した、テクノロジー&コンテンツプロバイダーです。

世界で高い技術を持った製品をいち早く日本に紹介、新しいビジネスの開発を行っています。

佐々木社長は、東京大学経済学部を卒業、コンサルティング会社勤務、その後ベンチャーキャピタル事業の立ち上げや投資に携わり、オンラインゲーム会社の取締役に就任し孫正義氏の実弟である孫泰蔵氏と共に働き……と、とても輝かしいキャリアをお持ちです!

そんな佐々木さんはなぜ、ゴルフ事業を始めることになったんでしょうか?

現在マレーシアにお住まいという佐々木社長、聞きたいことがたくさんあります!

いまはマレーシアで週2、3回ゴルフ

――現在ゴルフはどれくらいの頻度でなさっていますか?

今はマレーシアに住んでいて、基本は20日間向こうで、10日間日本にいるというサイクルで生活しています。

ゴルフは日本に帰国中は仕事が詰まっているのであまりやらないんですけど、マレーシアで週に2、3回程度しています。

マレーシアにはリタイヤしたおじさんたちや、若手でベンチャーをしている人たちがけっこう移住しているんです。

僕はマレーシアでは、トロピカーナゴルフクラブというリゾート内でアカデミーと練習場の経営もしていますので、放っておくと週4、5回ゴルフを入れられちゃうので、意図的にそれくらいに絞っています(笑)。

決まった日本人の人達とゴルフするのではなくて、外国からの人や現地の人とラウンドすることも多くありますよ。

――いつからゴルフをなさっているんですか?

22歳だから、ちょうど20年前かな。新卒で入ったコンサル会社の先輩が連れて行ってくれて。

初めての所で高級なゴルフ場に連れていかれたので、ブレザーを買わされて。電車に乗ってクラブを持って、大汗かきながらでゴルフ場につくまでにヘトヘトでした。

当時は全然おもしろくないと思ったんですけどね。

もともと親父はゴルフをやっていたんですけど、僕は営業ではなかったので、無理にゴルフをする必要はなかったんです。それで特に頑張るでもなく時は流れて。

30歳くらいになったときに、同級生がゴルフをしていて、電車でゴルフに行こうと誘われたんです。

埼玉の秩父にあるゴルフ場だったんですけど。みんなで飲みながら行って、それがめちゃめちゃ楽しくて。

クラブやコースなど、いろいろうんちくを語っているやつがいて、ゴルフの世界は深いんだな―と感心しました。

そこからしばらくは月2回くらい定期的に電車ゴルフをしていました。

過去18ヶ月で4回のホールインワン達成!?

――JGF(ジャパンゴルフフェア)に行った時、エンジョイゴルフさんのブースで「フォーカスバンド」を試しました。

※脳波を可視化するヘッドバンド。詳細は後述

おもしろいよね。僕はこれで人生変わったと言っても過言ではないです。

ちなみにこれ自慢なんですけど、18ヶ月の間に、ホールインワンを4回やったんですよ!

※追記:ちなみに人生では5回目で、初回はカリフォルニアのペリカンヒル(The Resort at Pelican Hill)だったそう

タイ・マレーシア・マレーシア・マレーシアで、いいショットもあったしミスショットもあったけど、カップが見えないところもあったんですけど、それが立て続けに起きて。

なんか怖いから3回目、4回目なんて「お願い入らないで!」って思ったくらい(笑)。

でね、フォーカスバンドユーザーが、同じように短期間で9人ホールインワンしたんですよ。

4月のLPGA、フジサンケイレディスがプロデビュー戦で、ホールインワンを出した幡野夏生(はたのなつき)ちゃんも“フォーカスバンダー”なんですよ(笑)。

講座にきて、使ってますよーって言っていたので。

人生を変えたフォーカスバンド

――取扱商品の中でイチオシはやはりフォーカスバンド?

個人の人生のテーマとして、脳みそはおもしろいのでそこは追いかけていきたいですね。

瞑想とか宇宙とか、果てない旅みたいな感じで、それが視覚化できてくるのは楽しい。

これを通じてコーチ的な仕事も始まっているので、いろんなアスリートの人たちともつながれていて、それも楽しんでいます。

『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』(※)って本、読みましたか?

人生100年時代のキャリアパスって、学んだことを15年やって食っていって、また大学に入ったりして勉強し直して新しく得た知識で15年食っていって、また勉強して吸収して……どんどんアップデートしていかないといけないっていう話なんですよね。

知識って陳腐化しちゃうから。

自分にとっては、こういったことで新しい領域でのキャリアパスが見えたなーと思っています。

※寿命が100年の時代をどう生きていくかを説いたベストセラー。リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著・2016年・東洋経済新報社刊

イップス克服で、精神力の大切さを実感

今やっている仕事にもつながってくるんだけど、僕イップスだったの。バンカー以外は全部イップス。

当時すごく真面目で、すごく周りのことも気にして、このままシャンクが止まんなかったらどうしようとか、不安で憂鬱でしかたなかったのね。

好きなことを仕事にしたのにゴルフが楽しくなくなって、おれはいったい何をやっているんだと。

それが、ある時バスでたまたま大学の同級生に会ったんです。

精神科の先生だった彼女にイップスの話をしたら、「あとでお薬を送るから飲んでみて」って。

1年半くらいイップスをしていただけど、飲んでプレーしたら、そういった不安がなくドライバーが当たったんです。

後にあの薬は何だったのかって聞いたら、筋弛緩剤だったんです。プラシーボ効果じゃなくて、マジなやつだったんですけど(笑)。

それをきっかけに、ゴルフがまた楽しくなってきた。

当時はフォーカスもクソもなくて、ミスショットしたらどうしようとかすごい「社会人ゴルフ」(理屈を考える左脳的なゴルフ)をしてた。

集中しているプロとかって、「宇宙人」(理屈が運動神経の邪魔をしない右脳的なゴルフ)なんですよ。

だから、フォーカスバンドで確認しながら目指すのは、いかに「宇宙人」になるかというところ。脳内では「宇宙人対社会人」の戦いなんですよ。

好きなことを仕事にしているエンジニア達をみて、「彼らは勝ち組だな」と思った

なんで僕がゴルフの仕事をしているかって、明確な理由があって。

僕は最初 IT系コンサル入って、その後ベンチャーキャピタルに入って、最後はゲーム会社の立ち上げを担当したんですよ。

その時のゲームエンジニアの楽しそうなこと!

プログラム書いたりコーディングしたり、夢中になって寝ずに働いていて。

「休日何してんの?」って聞いたら「ゲームしてる」っていうんですよ。お前すげぇな! って(笑)。

そういう人たちって、めちゃくちゃハッピーライフじゃないですか。

好きなことやって、外に行かないからお金もほぼ使わなくて。まさに寝食忘れて没頭して、ゾーンな状態なわけですよね。

それがむちゃくちゃうらやましいなと思って。

僕はお金集めとか事業計画とか、人をクビにしたり、そんなのばっかりやってきたんで、いろいろ疲れているんですよ。

朝6時に会社行って、夜中1時過ぎに家に帰るみたいな、スーパーブラックなライフスタイルを送っていました。

ソフトバンクの役員から怒られたり、中堅サラリーマンから意地悪されたり。きついな、何やってるんだろうなっていうのがあって。

そうか、好きなことを仕事にしたら、かくも幸せになれるのかと思って。彼らを見て気づいたんです。

ゴルフでビジネスを……そのために世界に出てみた

自分の好きなこと、楽しいと思えるものってなんだろうと考えた時に、友だちに誘われた酒飲み電車ゴルフから端を発して、その後クルマも買ってゴルフに行ったりしていて……おれ結構ゴルフに時間使っているなと思ったんです。

それで、ゴルフ仲間を集めてブレスト大会(ブレインストーミング)をしたんですよ。

その中で、ゴルフショップってつまんなくない? という意見があったんです。

ゴルファーに最も近くにある街中のゴルフメディアが薄暗くて、さらに試打室なんて怖くて近づけない。

楽しいゴルフを見て触って楽しめる見せじゃなきゃダメだと、勝手に決めつけて。

それで3週間くらいかけて海外を見に行ったんですよ。世界の最先端のゴルフショップってどんなものかと。

それでアメリカのシミュレーターに出会いました。ニューヨークとかカナダのゴルフ場は、冬は雪でクローズしちゃうから、クラブハウスの中にシミュレーターが入っているんですよ。

それでその最先端のシミュレーターを日本に持ってこようということで、会社を強引に立ち上げました。

カッコつけて麻布にショールームを作って。

2006年の商品第一号は「フルスイングゴルフ」っていうやつで、今見ると「なんじゃこのテクノロジー」って思うんですけど(笑)。

現状、日本のゴルフ理論は5、6年遅れている

先鋭的なプロダクトを知っている人は、自分で探してくるかなと思って、始めの頃はあまり積極的な営業をしていませんでした。

営業しなくてもWebと展示会をやっていれば向こうから探してくれると思っていたんですけど、今はそろそろ「教育」をやっていかないと、アメリカと日本での「情報時差」が広がり過ぎちゃっていて、このままじゃどうしようもなくなるなと。

メーカーやレッスンプロが、知識のアップデートをしていない、勉強していない状態で他人を教えてしまったらダメなんです。

日本の知識はアメリカの5、6年は遅れていると言われています。個人的な感覚では10年くらい差が開いている気がしますね。

翻訳の作業もかかるから英語の壁もありますが、新しいテクノロジーを理解して、データの意味を調べて、ファクトを積み重ねて科学していくという姿勢が海外にはあります。

何に役立つかまだわからないけど、とりあえずデータを取って比べてみようと。

日本は、役に立つかわからないものは、誰かが証明してくれるまで、じっと待つ、というか、目をそっと閉じる、というか。

そういう”情報を取りに行く姿勢”そのものを是正したいですよね。

「みんなゴルフやろうよ」と気安くは言えない

――ゴルフ業界を盛り上げる秘策は?

辛口なこと言うと、「ゴルフ業界を盛り上げたい」とか「ゴルフをもっとしてほしい」とかいうのって、おこがましいと思うんですよね。

だって、ゴルフするのって大変でしょう? 経済的にも時間的にも。だから気安くは言いたくないんですよね。あんまり押し付けられないなと。

バブル期と比較してゴルフ人口が減っているって騒いでいるけど、今までが過剰過ぎただけと割り切ればいいと思います。

あぐらをかいて商売していた人たちがちょっと減って最適化されて、いっぺん“どんがらがっしゃん”されるんじゃないかと思います。

ゴルフする人と教える人の質を高めていけばいい。だって減ってはいても、500~600万人の市場規模って結構なもんですよ。

何かのデータで、初心者用クラブセットの販売数は依然として伸びているというのを見聞きしました。

そうだとすれば、ゴルファーを「増やそう」というよりも「残そう」、初心者としてゴルフにエントリーした人をどこまで育てられるか、その敷居はなんなのかをしっかりと分析して、因果関係を見極めていかないとでしょうね。

あとはインバウンドですよね。そこを早くシフトしていかなきゃいけないと思いますよ。

マレーシアのぼくの友人たちは、本当にたくさん日本に来てゴルフをしていますよ。だんだんと外国人に慣れて、受け入れることをやってほしいですね。

インタビュー後記

getty

充実した内容で長文になってしまいましたが、興味深いお話が書ききれないほどありました。

帰国中の貴重なお時間をいただき、佐々木社長には感謝です!

これまで3人の社長さんにインタビューさせていただいて、三者三様の意見があり、とても勉強になりました。

私もマレーシアでゴルフしたいなぁ(小並感)。

プロフィール

【ゴルフ歴】20年
【ベストスコア】77 現在ハンディキャップ13
【クラブセッティング】※2018年4月現在
1W: プロギア RS-F
5・7W: ミステリー ATTASシャフト
アイアン: プロギア(父の形見)ATTASシャフト
ウェッジ: フォーティーン 52度・58度
PT: マフォー
愛用ブランド: ニューエラ

佐々木 信也 Shinya Sasaki プロフィール
1975/6/27 生まれ

75年 札幌生まれ

94年 久留米大学付設中学/高等学校卒業

98年 東京大学経済学部を卒業

98年 日本興業銀行系マネジメントコンサルティング会社(日本経営システム)入社
   中期経営計画策定プロジェクト、プロジェクトファイナンス組織/人事改革プロジェクトに従事(金融業、印刷業、テーマパーク、建設業)。

00年 ベンチャーキャピタル事業の立上及び投資業務、及びソフトバンクグループとのJV事業開発に従事。

02年 現ガンホーオンラインエンターテイメント取締役就任

06年 グループ傘下関連会社の事業開発、グループアライアンス構築など

2006年7月 株式会社EnjoyGolf&SportsJapanを設立
フルスイングゴルフ代理店事業及びインドアゴルフ事業の開発に従事。

現在ゴルフテクノロジーを中心に、様々なプロダクトのアジア市場への展開を行う。