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ライフスタイル

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10年以上のブランクを経て、ゴルフに再チャレンジするということ(14)

復帰ラウンドまで、いよいよあと3週間!

クラブOK! ボールOK! 減量まぁまぁOK!

でも……ショット力は自信なし! 体力はもっと自信なし!!

たったの500メートル歩くだけで痛かった腰も、今では6倍の3キロも歩けるようになった!

でも……たったの3キロじゃねぇ^^;

カートがあるとはいえ、最後まで持つの??

それに今からこんなに緊張しちゃってて、大丈夫?

そうだ!ショートコースでテストしてみよう!!

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まだ本格的にゴルフをする前の20代~30代前半、勤め先の同僚たちと良くショートコースに行っていた。

セルフプレーが基本の今と違って、キャディさんが付いて歩きで回る当時のゴルフはなかなかのお値段。

しかも当時はまだメンバーの同伴が必要なコースが多く、仲間内にメンバーさんがいなかった我々が行けるのはパブリックコースのみ。

パブリックコースでの日曜日のラウンドと言えば、当然のように一番前のティ。

ショートホール(パー3)のティーグラウンドはもちろんマット(今の自然な人工芝じゃなく、ツルツルのパターマットみたいな人工芝に、ティーを刺すゴムの切れ込みがあるだけの残念な物……またこのゴムに折れたティがたくさん残ってて、刺せる所がなかなかない^^;)。

さらには、ミドルホール(パー4)やロングホール(パー5)でも、それが使われていたりする。

で、2万5000円!みたいな……。

「あともうハーフ!」なんて1.5ラウンドのお願いもなかなか聞いてもらえないし、まだ若かった自分たちは本当に欲求不満!

やがて、ショートコースに活路を見出した。

でも、ゴルフを始めた頃は地元に5つあったショートコースが、一つ消え、また一つ消え、ついには1周ごとに2000円なんて高いところしか残っていない。

“もっとたくさんできる、いい所ないの?”

車で2時間程度の移動はいとわず、いろいろ回り、気分に合わせて3つのショートコースを使い分けるようになりました。

それが、ドライバーが打ててパー4が4つもある「富士赤松ゴルフコース」、200ヤード以上が3つもある「鳴沢林間ゴルフ場」、そして中では一番近くて安い「丹那ゴルフクラブ」。

この3つのコースに共通してるのが『回り放題!』であること。

僕らの譲れない条件でした。

さっそく仲間を誘ってみよう!

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よし! ちょっと急だけど、復帰ラウンドで一緒に回る仲間に声をかけてみよう!

“久々の丹那ゴルフに行って、ゴルフ自体の思い出し&体力測定をして来ようと思うんだけど、一緒に行かない?”

すると、一人が付き合ってくれるとのお返事! やった~!

なんとか3周は体力持ってほしいな~。

飛距離の落ち込みはどのくらいなんだろうか? それを目の当たりにして、凹むんだろうか?

何度も何度も、朝9時のオープンから夕方5時のクローズまで、お昼休憩以外は一切休まず、夢中でラウンドしたなぁ。

最高で7周半したっけな!笑

スコアはパープレーがベストだったよなぁ。

いろいろなシーンが、浮かぶ。

もう会えない仲間もいる。

あそこにオニヤンマが止まってた、とか。

入るような気がして打ったら、本当にホールインワンした、とか。

120ヤードなのに、刻んだやつがいた、とか(いきなりのアプローチにビックリして訳を聞くと「フルショットの距離を残した!」と言うので、一同大爆笑!!)。

しかし……あそこに行くのは何年振りなんだ??

するとその彼からLINE。

なんと18年振りだそうな~!!

涙、涙、涙。

そしていよいよ!

そして、やってきました18年振りのショートコース! 丹那ゴルフクラブ。

まずはスパイクに履き替える。

このスパイクを履くのも久方ぶりだな~。

ボールはちょっと多めに3個をポケットに入れ、アプローチウェッジとサンドウェッジ、パターを手にしてオープンを待つ。

でも待ちきれず、駐車場で素振り! 素振り!! 素振り!!!

そんな様子に気圧されたのか、私たちに気づいたマスターが「どうぞ~!」と早めに開けてくださった!

そして料金を先払いで支払って、いよいよティーオフ!

出だしの1番は、松の枝を超えて行くやや打ち下ろしの100ヤード。

懐かしい~。

少し木が大きくなってるみたい~。

そしてこの、芝刈り機の音! そしてこの、青い匂いと草いきれ!!

たまらない~。

帰ってきたんだな~。

よし打順を決めよう!

と拳を差し出すと、相方が律義に例の棒(抽選スティック??)を差し出す。

お~1番か~。

緊張する。

確認の素振り。

腕を使わず、ブランコを揺らすように、ゆるゆるグリップで。

ボールを置く。

方向を定める。

大丈夫。

少し打ち下ろしの100ヤード。

アプローチウェッジで、ごく普通に打つだけ。それでぴったりのはず。

アドレスに入る。

でも何か変だ。

クラブの重さを感じない。

足の感覚も変。

浮いてるみたい。

目標確認。

猫のしっぽを揺らすようにワッグル。

よし。

行こう。

クラブを身体でリードして、腕に力を入れず、よし、切り返す。

身体でリードして、ブゥ~ンと。

“ぺチッ!!”

うわっ!

嫌な感触! 嫌な音!!

シャンク!?

ゲゲ!!

右隣の2番に向かって転がる、あのボールかいな~!!(><)