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【ゴルフ四方山話】ギャラリーたちが巨大な岩を動かした話
そうそうこんな事態は起きることなんてありませんが、過去に巨大な岩の横にボールが止まってしまったケースがありました。
そしてその岩をなんとギャラリーも手伝って移動させてしまったことがあったんです。
ゴルフのルールにまつわるちょっと不思議にも思えるこの行動。さっそく見てみましょう。
1999年スコッツデールで行われたフェニックス・オープン
このフェニックス・オープンの13番ホール。あのタイガー・ウッズが放ったショットがこの騒動となった原因です。
ウッズのボールは岩のすぐ近くに。
当然このままでは打てませんので、普通なら横にボールを出したり、アンプレヤブルを宣言したりという選択肢が一般的でしょうね。
しかしこの「岩」。
地面に埋まっており固定されているわけではなかったんです。そのため巨大な岩でもルール上は動かすことにペナルティは発生しません。
そのルールの抜け穴とも言うべきところを上手に使ったということなんですね。
こうした障害物の移動、手伝ってもらっても大丈夫
実際の動画が残されていますが、こちらを見ると大人の男性が数人がかりで巨大な岩を移動させているのがわかります。
その様子を見つめるタイガーの顔が心なしか「なかなか凄い光景だな!」と言わんばかりのイタズラっ子のような表情をしています。
正直ゴルフの試合中に、こんなことが行われるとは誰も予想していなかったかもしれませんね。
ギャラリーにこういったものの移動を手伝ってもらうこと、実はそれもルールの上では問題ないとされているんです。
しかもウッズはちゃんとこのホール、バーディで切り抜けたというからギャラリーに感謝ですよね。
ルースインペディメントなら大丈夫
こうした邪魔なものをどける、という行為。
ルースインペディメントであれば無罰で、その“邪魔なもの”をどけることができるんですね。
ちなみにLoose Impedimentsというスペルで
Loose → 固定されていない
Impediments → 障害物
という意味になります。
なのでボールの前に落ちている落ち葉を取り除いたり、石や小枝を動かしたりする行為と、この巨大な岩を動かしたことは同様の行為ということになるんです。
規模は大きく違いますけどね・・・。
ルースインペディメントとして認められない場合も
この岩が実は地面に埋まっているとルースインペディメントとして認められません。
当然「固定されていない」ことが条件ですからね。
けれども間違えやすい場合もありますので注意。それはバンカーなどのハザードの中です。
バンカーの中に小枝が落ちていて、小枝に密着するようにボールが落ちていた場合はどうなるのでしょうか。
ルースインペディメントが認められませんので、小枝をどかしてしまうと「2打罰」のペナルティが課されてしまいます。
フェアウェイならばOKでもバンカーではダメ、なんだか不思議ですね。
このような巨大な岩を動かすケースはまずありえないかもしれませんが、落ち葉や小枝、石などはどんなゴルファーでも遭遇することが多くあります。
ルースインペディメントを正しく理解して、ゴルフ中「この場合どうするんだっけ?」と迷わないよう準備しておくといいかもしれませんね。