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こせきよういち
「おいそれと結婚式を挙げられない人たち」世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#12
先週の米ツアー戦「バルスパー選手権」を制したのはカナダのアダム・ハドウィン。ツアー初優勝でした。
ハドウィンはこの優勝で世界ランキングが前週の98位から51位にジャンプアップ。
お陰で来週の世界ゴルフ選手権「デル・マッチプレー」の出場権(上位64選手)を獲得しました。
ところが、彼は高額賞金&高ポイント(世界ランキング、ならびにフェデックスカップポイント)のこの大会を欠場することになりました。
理由は、優勝直後に18番グリーン脇で熱い抱擁をかわしたフィアンセ=ジェシカ・ドーンさんと来週の金曜日、24日に結婚式を挙げるからです。
ハネムーンは延期、目下の関心事は予約金の払い戻し
そもそも今年の年頭を世界ランキング191位で迎えたハドウィンは、同ランキングの上位選手だけが出場できる世界ゴルフ選手権の出場などまったく考えていなかったようです。
まぁ、当然でしょう。
そのため、結婚式を来週に予定。
ハネムーン(新婚旅行)は、やはり出場見込みのないメジャートーナメントのマスターズ(4月6日〜9日)の週に計画、航空券とホテルは既に予約金を支払っていました。
ところが、今回の優勝で両大会の出場権をゲット。
来週の世界ゴルフ選手権はやむなく欠場しますが、ゴルファーにとっての“夢の祭典”マスターズは欠場するわけにはいきません。
そのため、優勝の記者会見ではこんな発言がありました。
「まず、支払ってある予約金を取り戻したいんだ」
113万余ドル(約1億3000万円)の優勝賞金を獲得したばかりのチャンピオンのこの言葉に記者は爆笑。
でも、ハドウィンは、
「みんな、冗談だと思って笑っているけど、これはマジなんだ。確かに今週僕は大金を得た。けど、無駄遣いはしたくない。幸い、僕たちはスマートに予約をした。だから、航空券は払い戻しができるチケットだったので取り戻せる。交渉をしなければならないのはホテルさ。フォーシーズンズホテルからの払い戻しなんだ」
勝ったら勝ったで、いろいろと苦労があるようです。
フィアンセとの海外旅行を楽しむはずが、メジャー優勝!
結婚直前の思わぬ優勝で予定が大きく変わったといえば、思い出されるのは2003年の全英オープンを制したベン・カーティスです。
この年、ツアールーキーだったカーティスは全英オープンの最終予選を兼ねたウェスタン・オープン(現BMW選手権)に出場。
シーズン自己最高の13位タイの成績をマークすると、上位選手の多くが既に全英オープンの出場資格を得ていたため、最後のチケット一枚が彼のもとに降りてきたのです。
そこで、カーティスは当時フィアンセだったキャンディスさんをともない、イギリスへ結婚前最後の海外旅行。
「旅行のついで」といっては言い過ぎですが、ほとんど気負うことなく自身初のメジャートーナメントをプレーすると、終わってみれば、自身もフィアンセも、そして世界中の誰もが予想しなかった世界ランキング396位のメジャー優勝。
まさしく「シンデレラ・ストーリー」となったのでした。
でも、代わりにふたりの結婚はちょっと先に延期。
ハネムーンも先延ばしになってしまいました。
まるで映画のワンシーンのような美男美女の抱擁
優勝選手の熱い抱擁シーンで真っ先に思い出されるのは、2015年のTPC(ザ・プレーヤーズ選手権)のリッキー・ファウラーです。
3人による激戦のプレーオフを制したリッキーは、表彰式後、名物の浮島状の17番グリーンにガールフレンドで水着モデルのアレクシス・ランドックさんを招くと、大勢のギャラリーの前で熱い抱擁。
まるで映画のような、美男美女によるゴージャスなシーンでした。
ふたりはすぐにも婚約か、と思われたのですが、なぜかその後間もなく別れてしまいました。
以来、リッキーには公式のガールフレンドはいません。
でも、昨年のライダーカップでは、ひとり“独り身”をからかわれるのを楽しんでいるかのようでした(リンク先を参照)。