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ゴルフコース・練習場

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「ワールドレディス」の舞台、茨城県「茨城ゴルフ倶楽部」を紹介・前編〈施設・コース1〉~“コース紹介・新シリーズ”第27回

毎年5月に開催されている、女子プロゴルフツアーのメジャートーナメント第1戦「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」の舞台が、今回ご紹介する「茨城ゴルフ倶楽部」です。

昨年は、渋野日向子が初優勝して、一躍脚光を浴びるきっかけとなった大会です。

今年も、このトーナメントが開催される予定でしたが、残念ながら新型コロナウイルスの影響で中止となってしまいました。

今回は、3月にお邪魔してラウンドしました。まだ中止決定前だったため、トーナメントの準備に入り、グリーンはエアーシーションがなされて、ピンは信じられないほど、手前に切られていました。

まず前編は「施設・コース」の一部をご紹介します。

コース誕生について!

茨城ゴルフ倶楽部は、茨城県南部の関東平野のほぼ中央やや左側、1985年に「科学万博つくば85」を開催した「つくばみらい市」にあります。

付近には、ほぼフラットな地形を生かした筑波カントリークラブ、取手国際ゴルフ倶楽部などが林立しています。

コース開場は1962(昭和37)年で、設計は名匠、上田治です。古賀ゴルフ・クラブなどの数多くの名門コース設計しています。

上田治の設計理念は、ゴルフ場36ホール、その両コースともにチャンピオンコースと称えられ、アベレージゴルファーにも愛されることでした。

そして、自然の地形を生かして、広い用地を使って36ホールにバラエティを持たせて、プロには難しく、アベレージゴルファーにも楽しんでもらえるコースを造りました。

全部で72のアンジュレーション、形も異なるグリーンを設計して、一年間ゴルフを楽しんでもらいたいという設計思想が表れています。

その歴史を見てみましょう!

1974年から男子プロのトーナメントが始まり、1977年から10年間ダンロップインターナショナルオープンが東・西を隔年で使用して開催されました。

この大会は、1988年からはダンロップオープンとなり、1995年まで続きました。1996年から1999年まで男子のキリンオープン、2007年にはPGAツアーも開催されて、2009年からは女子プロのワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップが毎年開催されてきました。

このように、ほぼ毎年トーナメントが開催されるコースとして、全国的に有名なコースになりました。

今年も、5月7日(木)から10日(日)まで、東コースを舞台に熱戦が繰り広げられる予定でしたが……。

クラブハウスは重厚感が溢れていました!

平屋造りのクラブハウスは、重厚感が感じられます。車寄せの手前に「茨城ゴルフ倶楽部」と書かれた石碑が置かれています。この石碑とクラブハウスが一体化して見えます。

入口を入ると、右手に受付があります。36ホールのコースにしては小さいなぁと感じます。

受付の脇にレストランへの入口があります。受付の反対側に歩いていくと、その先にマスター室、洗面所、ロッカールームと続きます。

平屋の建物ですから、廊下1本で行ける造りになっています。とても、わかりやすい造りで迷うことはありません。

茨城ゴルフ倶楽部は、このクラブハウスにも、コースと建物の調和、ゆっくり寛(くつろ)いでもらうための広さとインテリア、心地よいサービスを提供するための機能性などを満たそうという意思が感じられました!

コース概要について!

茨城ゴルフ倶楽部は、東・西の各18ホールで、36ホールのコースです。ワールドレディスは、昨年に引き続き、今年も東コースを舞台として開催されます。

東コースは、全長7336ヤード、パー72で、トーナメントは6560ヤードの設定で行われています。

一方、西コースでも最近では2017年・2018年に同大会が開催されています。西コースは、全長7125ヤード、パー72です。

東コースの概要について

とにかく長いというのが、東コースでプレーした一般ゴルファーの声です。

私もラウンドして、本当に長いと思いました。平坦な林間コースはドライバーショットのランが出ないので2打目が長くなるものですが、それでも何とか狙える可能性があります。

しかし、ここではフェアウェイの微妙なアンジュレーションのために、ほぼランがありません。ミドルホール(パー4)の多くが2打目でフェアウェイウッドを持つことになります。

さらに、ショートホール(パー3)もすべて長いときています。プロにとっては、やや短いロングホール(パー5)でバーディーを奪うという戦略になるでしょう。

アマチュアにとっては、ドライバーを本気で飛ばし、アプローチで名人芸を披露し、さらにグリーンで考えなければならない、挑戦しがいのあるコースということになるでしょう。

アウトコースについて

バックティー(ブルー)でも、3番416ヤードのミドル、5番368ヤードのミドル、8番401ヤードのミドルは、ロングヒッターでないと、アイアンでの2オンが難しいミドルホールです。

ショートホールは、2番が196ヤード、6番が177ヤードと長いため、パーを取ることが難しいです。

バックティーからは全長が3301ヤードあり、距離的にもとてもタフなセッティングになっています。無理せずに、3打目で寄せワンを狙うというのも、戦略の一つだと言えます。

レギュラー(フロント)ティーからは、ロングがミドルと比べると比較的短めですが、決してやさしいわけではありません。

広いフェアウェイが続くことはなく、絞られているところもあります。グリーン手前にはバンカーがあり、正確なショットが求められます。

すべてのグリーンが微妙なアンジュレーションに悩まされます。

女子プロも苦しんだホールは?

昨年の大会のアウトコースで、プロが最も苦しんだのは3番405ヤード(パー4)と、5番410ヤード(パー4)で、ともにハンディキャップ(HD)は2でした。

両ホールともに、バーディーも少ないのですが、パーオン率が40%台と極端に下がっています。距離が長い上に、手前にはバンカーが口を開けていて、飛ぶプロでもなかなかパーオンをしないという難しいホールでした。

4日間とはいえ、この2ホールは、ダボ以上が2桁になっていました。特に3番は、パーセーブ率が65.9%と最低でした。

また、2番(パー3)もHD5で難しいホールでした。距離が190ヤードと長い上に、真ん中に花道はあるものの、左右にバンカーがあり、パーオン率は2番目に低い42.4%でした。

私のラウンドでは、ピンまで207ヤードでした。さらに乗ってもグリーンが難しかったです。

なお、昨年優勝した渋野日向子は、最終日のアウトでは、1番と4番でボギーを叩いていますが、この時すでにバウンスバックをやっていて、2番と5番ホールでそれぞれバーディーを奪っています。

しかも、バーディーを奪ったのが、プロが苦しんでいた2番の長いパー3と、5番の410ヤードのパー4ですから、恐れ入ります!

次回は、後編〈施設2・インコース〉をお届けします。ご期待ください!