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ゴルフクラブ

ミラクルゴルファー★まもプ(蝶首亭塗立)

パーシモンでスイングを作っちゃおう「後編」

みなさんはパーシモンヘッドのクラブでボール打ったことあります?ってことから始まったこのテーマ「パーシモンでスイングを」の後編です。

90年代からゴルフを楽しんでいる方は「パーシモンでゴルフを覚えた」って人もいるかと思いますが、「パーシモンってなんですか?」って人はまだ「前編」読んでませんね。ぜひ読んでみてくださいネ。

「パーシモン=柿の木」です。

元々、ウッドクラブは柿の木を削ってヘッドにしていました。ドライバーやフェアウェイウッドを“ウッド”と呼ぶのは、かつて木を使っていたからです。

今回のお話は、そのパーシモンヘッドのクラブを打ってゴルフを上達させちゃおう! って話です。

今のクラブとの違い

まず、今のクラブとパーシモンクラブとの違いを簡単にチェックしてみましょう。

パーシモンを打った人は「パーシモンは飛ばない」「パーシモンは難しい」などと口をそろえて言います。

とはいえゴルフってそもそも難しいものですから、ヘッドが木だろうが鉄だろうがカーボンだろうが何を使っても曲がるときは曲がるものですし飛ばないときは飛ばないですよね(笑)。

ざっくりと簡単に言ってしまえば「難しいクラブで練習すればやさしいクラブはもっとやさしい」のではないか? ということです。

「パーシモンは飛ばない」

さて、本当にそうなのでしょうか?

なかなか打ち比べる人もいないと思いますので、ワタシの打ち比べのデータを載せておきます。

「打ち比べの各スペック」
①パーシモンヘッド
ヘッド:パワービルト
シャフト:バイメトリックスX65
ロフト:10.5度
長さ:43.23インチ
MOI値:2700kg-cm2

②チタンヘッド
ヘッド:SLDR
シャフト:ATTASG7 S60
ロフト:10.0度
長さ:43.5インチ
MOI値:2700kg-cm2

③コンポジットヘッド
ヘッド:GBB EPIC
シャフト:KUROKAGE S60
ロフト:9.0度
長さ:45.0インチ
MOI値:2700kg-cm2

この3本を打ち比べです。

打ち比べたら

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打ち比べたのは、250ヤードのレンジ、数値の測れるインドア、コースでのプレイとさまざま。わかりやすくするために数値をおよそで平均化してみました。

① HS47.75 BS68.25 D272.5
② HS48.75 BS69.50 D282.5
③ HS49.00 BS70.25 D285.0
※HS=ヘッドスピード(単位:メートル/秒)
※BS=ボール初速(単位:メートル/秒)
※D=飛距離(単位:ヤード)

自身でもこの数値を目にした時は驚きでした。

もう少し検証が必要だとは思いますが、数値的には大きな違いは出ませんでした。

実はもう少し大きく違いが出て「やっぱり今のクラブはすごいな」ということに話が着地するのではないかと想像していたのですが。。。

これでは、単にシャフトの長さの違いだなということになってしまいますね。

ただし、コースで実際に使用してみると違いを感じられます。

打感という面ではパーシモンが一番なのは間違いありません。

大きく違いが出るのはアゲンスト時です。

風が吹いている場合はパーシモンで打った打球の弱さを感じることになりますし、ほんの少しでも芯を外した場合、芯に当たった場合との飛距離の差は大きくなります(30%減なんてこともあります)。

でも、ミスショットした場合に飛距離が落ちてくれる事で、OBやバンカーなどへ飛び込むことは少なくなりますので「損をした」と感じることは少ないです。

パーシモンクラブで上達しちゃおう

前置きが長くなりました。スイマセン。今回の記事の「本題」と言っても良い部分です。

パーシモンの性質や特性などを考えると「練習用」として使用するというのも良いと感じます。

もちろんコースで使用してスコアをまとめちゃってもいいですが!

コースではなかなか使う勇気が出てこないかと思いますが、実はワタシは練習の時にパーシモンを打って調整することもあるんです。

コースでプレイしていて「スイングのバランスが崩れてるな」とか「タイミングが合わないな」とか感じた時にレンジに行く機会があれば調整してたりします。

キャディバッグにパーシモンクラブを入れておいて、コースのレンジで打って調整してそのドライバーはロッカーにしまっておく……なんて感じです。

パーシモンには大きな特徴として、「打感が良い」「フェースの中心で打つことが必要」「ミスがわかりやすい」という事が挙げられます。

自分に合ったスイングで芯をしっかりととらえないとわかりやすいミスが出ることになりますので、練習場やコースで打った場合の打球を見れば「どうやって打ったのか?」が一目瞭然となります。

・ボールをしっかりと飛球方向へ「移動」させる事。
・スイングのリズムを崩さず「スイング」する事。

「ボールをどうやって打つか?」を第一として練習する事で自分に合ったスイングを完成に近づけることができます。

ミスを確認してスイングのリズムとバランスを崩さない打ち方が身に付きます。

スイングは十人十色でそれぞれに適した形があります。

その形を知りその形に近づけるには、パーシモンでスムーズに遠くへ飛ばすというショットが適しているんです。

しかもパーシモンで打った後に自分のクラブを打ったら「なんて簡単なんだ」と驚くことでしょう。

その驚きこそが上達した点なんです。