ゴルフクラブ
Gridge編集部
【MSD42外伝】“日本人のためのカーボンウッド”ステルスグローレで未来の自分に備える!?
“MSD42”は、“マジで試打する(ヘッドスピード)42メートル/秒(m/s)”の略で、ヘッドスピード42m/sである私がマジで試打する企画です。
しかし! 先日ある取材で計測値が40m/s前後しか出ず、寄る年波には勝てないというか、そろそろ“MSD40”に看板を書き換える必要性も感じています。
とはいえ、そんな現状に少しでも抗うべく、筋トレしたりストレッチしたりしている昨今ですが、2段振り子と連続素振りも取り入れることにしました。
……と、そんな現状の私ですが、将来のことも視野に入れつつ、テーラーメイドの新作ステルスグローレを試打する機会が得られましたので、レポートしたいと思います。
ステルス+グローレ=ステルスグローレ
今年は、グローレ誕生10周年とのことです(初代発売が2012年)。
グローレは、グローバルカンパニーであるテーラーメイドが生んだ、日本発の、日本人の企画による、日本国内でのみ販売されているブランドで、まさに“日本人のために”作られているクラブと言えます。
そんなグローレが、2022年2月に発売され、世界中で旋風を巻き起こした“カーボンウッド”、ステルスと融合し、「ステルスグローレ」が爆誕しました。
同社の商品説明会でも、平均的な日本のアベレージゴルファー、ヘッドスピード40m/s前後をターゲットにしているという説明がありました。
これはまさに、いまの私が試すべきクラブと言わざるを得ません!
ステルスのメリットとグローレのメリットが融合!
グローレと言えば、いわゆるやさしさを売りにしたクラブです。ここで言う「やさしさ」とは、つかまりやすさや上がりやすさ、軽さなどです。
ただし、一部モデル(グローレGなど)を除き、スライサーでもメチャクチャつかまるようなつかまりの良さではなく、ある程度ボールをつかまえるスイングができる人が楽につかまえられるくらいのつかまりと思ってください。
一方のステルスですが、私の思うステルスの最大のメリットは曲がりにくさです。
ステルスは、カーボンフェースを採用したことによりフェース部分が軽くなり、その分ボディ後方に重量を配分することができました。
おそらくこのおかげで、フェースをスクエアにインパクトできた場合、そのあたりどころが多少ずれていてもフェース向きを維持してくれるのです。
これが従来のドライバーですと、トウ側に当たったりヒール側に当たったりした時に、ヘッドがボールに当たり負けしてフェースが開いたり閉じたりしてしまうことが多いのです(特にトウヒット時)。
このメリット、ある程度フェーススクエアにインパクトができる人は大いに享受できるのですが、そうでない人には感じにくいメリットだと思われます。
さらに、クラブ重量がそれほど軽くないことや、低スピン性能もあって、ステルスはヘッドスピード40m/s前後の人には扱うことが難しいドライバーだと言えます。
そんなグローレとステルスが融合することで、球が上がりやすく、つかまりやすく、フェーススクエアでインパクトした時のミスヒットに強いドライバーになりました。
球の上がりやすさと打感の良さが秀逸!
実際にコースで試打してみました。
上がりやすさに関しては、私は普段ドライバーのロフトは10.5度なのですが、9.5度でも十分な高さを得ることができました。
それも、スピン過多で吹き上がっていくような弾道の高さではなく、適正スピンの棒球が、一直線に急角度で上昇していくような弾道です。この辺は、ステルスほどではないけど適度な低スピン性能に仕上げられているなと思いました。
また、ステルス同様、先っぽに当たった時の曲がり幅や距離の減衰が小さかったです。感覚的には、20ヤード右に打ち出したと思ったら10ヤードくらいだった、ミスヒットして200ヤードしか飛んでいないと思ったら210ヤード飛んでいた、みたいな感じです。
また、つかまりやすいとは言えその度合いは穏やかなので、強振してもチーピンになるということもありませんでした。
ちなみに今回、ドライバーは2種類あります。
ヘッドとシャフトが接着タイプのステルスグローレ、いわゆる“カチャカチャ”タイプのステルスグローレ+の2タイプです(ステルスグローレ+はセレクトフィットストア限定)。
純正シャフト(SPEEDER NX for TM、S)で比較すると、前者が46インチで約278グラム、後者が45.75インチで約281グラムとなっています。
これは、“+”にはスリーブ分の重さがある分、重くなっていて、その分短くしているのだと思われます。
スリーブの重さがヒール側にある分、若干プラスモデルのほうがつかまりがよく感じましたが、いずれにせよどちらもつかまるクラブです。むしろプラスモデルは、テーラーメイド製ドライバーを使用している人なら“シャフト資産”を流用でき、ヘッドスピードの速い人にも対応できるメリットがあるでしょう。
カーボンフェースでいつも心配される打感と打音ですが、カーボンソールのトウ側に搭載されたアコースティックアジャスターにより、日本人好みの打感と打音を追求しているとのことです。
実際に打ってみても、残響音の長い、爽快感のある打音でした。
打感についても、ステルス同様フェース面が軽いためインパクト時にいったんフェースがボディ側に押され、それを押し戻すことによって球が出ていく、いわゆる“球持ちのいい”打感でした。
それでいて初速が速いのは、なんだか不思議な感覚です(これはステルスにも共通の感想ですが)。
ヘッドスピード40m/sでも使えるスプーン!
最後に、フェアウェイウッドについて。
一般的には、ヘッドスピード40m/sの人が地面の上からロフト15度のフェアウェイウッドでボールを上げることは難しいと言われていますが、実際に打ってみたら、クリークのような弾道の高さでボールが飛んで行ったのでとてもビックリしました。
3番ウッドで75グラムというスチールソールウエイトを搭載して重心角39度を実現したことと、フェース下部の形状の工夫によってボールを拾いやすくしたことが、ヘッドスピード40m/sでも球を上げられるフェアウェイウッドにしているのだと思われます。
というわけで、MSD42を標榜している私ですが、「いつかはグローレ」みたいなこともそろそろ考えなければ……と思わされた試打でした。