Gride

bs_banner

ゴルフクラブ

風と草の大地

並行輸入品の中古「エアロバーナー」を打って日米のスペックの違いを考える

個人的に中古市場でもよく見かけるUSAクラブがこのエアロバーナー(テーラーメイド)です。

元々新品時の価格も手頃で、中古市場に来るとかなり抑えた金額で入手することができます。

今回はこのエアロバーナーの試打インプレッションとUSAクラブについて書いてみたいと思います。

USAクラブ(並行輸入物)とは?

一般的に日本国内の大手ゴルフショップ(つるやゴルフ、ヴィクトリアゴルフ等)にて購入できるのはすべて国内モデルと言われています。

それに対して、海外(主にアメリカ)から直接取り寄せたクラブは並行輸入品と呼ばれます。広く認知されている差として、シャフトの性能が大きく違うという部分があります。

その他にも、モデルによってはヘッド重量が並行輸入物のほうがわずかに重い物も存在します。

エアロバーナーの並行輸入物

こちらが並行輸入物のエアロバーナーです。国内モデルと同様の白いカラーリングのヘッドも存在しますが、よく中古ショップで見かけるこちらの黒いヘッドのモデルをインプレッションします。

カラーリング以外の違いとしては、ソール部のヒール側にプリントされている「AERO BURNER」の文字が2段になっているのが特徴です。

ちなみに国内モデルは「AEROBURNER」と1段でプリントされています。

基本性能は当然同じ

いくら並行輸入物といっても基本性能は同じです。

エアロバーナーの場合大きな特徴としては「やさしく低スピンで高弾道の球を打ちやすいドライバー」となります。

一説には初代M2ドライバーの土台となったモデルという話もありますね。

調整機能等は一切省き、重心位置を深く低く設定して、アスリートモデルといわれるクラブの中ではかなりやさしさ多めに設計されています。

もっとも異なる部分が当然シャフトにある

やはり一番異なる部分として挙げられるのがシャフトだと思います。

国内モデルのエアロバーナーに純正で装着されているのがTM1-215というシャフトなのですが、並行輸入物だと「REAX」という純正シャフトが装着されています。

この純正シャフト同士を比較するとハッキリ言って硬さがまるで違います。一般的に知られている通り、2フレックスは差があると考えて間違いないと思います。

なぜこのようなシャフトの硬さに違いが生まれた?

getty

この理由としてよく聞くのが「アメリカ人の体格に合わせているから」という言葉です。

確かにアメリカ人男性の平均身長はおよそ176センチメートル、対して日本人の男性平均身長はおよそ170センチメートルとなっており、アメリカ人のほうが大きい体なことがわかります。

しかし、この体格差理論は正直全体の数パーセントだと考えてます。

最も大きな要因として自分が考えるのが、「ターゲット層の年齢」と「思考の偏り」です。

まずターゲット層の年齢についてです。

ゴルフをあまり知らない人にゴルフのイメージを聞くと「おじさんのやるもの」という意見が少なからず出てきます。

実際日本人ゴルファーの年齢割合を公益社団法人日本プロゴルフ協会が調査したところ、60歳以上の人が全体の43パーセントを占めています。さらにここに50歳台を追加すると何と全体の66パーセントを占めることになります。

こうなると当然日本で発売するメーカーは、どうしてもターゲット層の年齢を高く設定する場合が多く出てきます。

続いて思考の偏りです。

日本人ゴルファーに一定数いるのが「俺はSフレックスだ」という考える人。その考えがどうしても抜けずに、いつまでもSフレックスを使い続ける人です。

そういった人にもメーカーは対応するように、国内モデルのSフレックスはどんどん柔らかくしていっている経緯があります。

実際にエアロバーナーを打ってみた

さてここでは実際に自分が打ってみた試打動画をご覧ください。

ヘッドスピード50メートル/秒付近で打つ分には当然何の問題もありません。つかまった良い球が打てました。

シャフト挙動はハリがあって走る感じはほとんどなく、どよーんと動く感じですね。

ヘッドスピード45メートル毎秒付近までスピードを落としても打ってみました。

ここでもシャフトに異常な硬さは感じず、コンセプト通りのつかまった高弾道を打つことができました。

一番気になるのがヘッドスピード40メートル/秒付近でしょうか?

確かに弾道がやや低くなりました。しかし考えてもみると、これはアスリートモデルのヘッドであって、アベレージ向けのモデルではないんです。

このヘッドを使ってPGAの選手が戦うんですから、ポカーンと球が上がってしまっては逆に使い辛いモデルになってしまいますよね。そう考えるとちょうどいい高さに見えてきます。

「やさしく低スピンで高弾道の球を打ちやすいドライバー」といっても、その「やさしさ」をグローレとかゼクシオと重ねてしまうから、難しく見えてしまうんだと思います。

日本人に海外のシャフトは打てない?

getty

ハッキリ言いますがそんなことはありません!

もしアメリカのシャフトは日本人には合わないと言っている人がいるのであれば、恐らく「海外のシャフトは硬いから強く振らなきゃ」という固定観念で体がこわばっているだけだと思います。

三菱ケミカルのシャフトがいい例ですね。現在国内でも大人気のTENSEI CK PRO オレンジを始めディアマナシリーズ、クロカゲシリーズはすべて海外から日本に入ってきたモデルです。

特にTENSEI CK PRO オレンジに関しては、ラインアップされているフレックスが異なるだけでまったく同じ物として売られています。

ところがどうでしょう? 日本では女子プロでも使っています。TENSEIシリーズに限らず、国内では三菱ケミカルのシャフトは4大メーカーとして非常に高評価のシャフトメーカーです。

三菱ケミカルのカスタムシャフトが入っているクラブは打てるのに海外のシャフトが打てないって言うのはチョット矛盾ですよね?

海外のシャフトには日本のシャフトにはない動きのシャフトもあり、価格も抑えて販売している物も多いのでぜひ試してみてほしいと思います。