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【4種のヘッド×4種のネック】パターの形状の違いと最適な1本の選び方

ゴルフをする時に、自分が使うクラブをどう選ぶのかはとても重要です。

特に、パット数はスコアの約40パーセントを占めるため、パターの選び方をしっかりと覚えておきましょう。

パターのヘッド形状は大きく4種類、ネック形状も4種類が基本となります。

それぞれの特徴や、それに合うゴルファーのタイプをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

パタークラブの形状の違い(1)ピンタイプ

パターの形の中でも、代表的なヘッド形状がピンタイプです。

ゴルフクラブメーカーのピン社が最初に作ったことからこの名前が付いています。

プロゴルファーの使用率が特に高いこのタイプ。

トウ側(ヘッドの先)とヒール側(ヘッドの手前)に重量を多く配分しているため、スイートエリアが広く、左右の打点のミスに強いという特徴があり、ターゲット方向に対して直角に構えやすいというメリットがあります。

ヘッドが後方に短く、ストロークして後ろから押されるような感覚がないので、自分の意思でストロークしやすく、感覚が出しやすいと言われています。

パタークラブの形状の違い(2)L字タイプ

フェース後方側から見ると英語のLの形をしているため、L字タイプという名が付いているこちらのパターも、ピンタイプと同じく操作性が高いパターです。

アイアンと同じくヒール側にシャフトが付いているため、同じスイング感覚でストロークできることが特徴。

ヘッドがシャープな形状で、フェースの向きを目標に合わせやすくなっています。

L字タイプはピンタイプと違ってスイートエリアが狭い構造になっているので、正確にヒットできなければ、狙った距離を打てないというデメリットも。

写真のようにマレットタイプ(後述)と組み合わされた「L字型マレット」も人気があります。

パターのヘッド形状(3)T字タイプ

T字タイプのパターは、かつてプロゴルファーが試合でこのパターを使用することで、ボールがよく入って賞金が稼げたことから「キャッシュインパター」とも呼ばれていました。

ヘッドの真ん中付近にシャフトを取り付けた形状をしています。

ほかのヘッド形状のパターに比べて重心が浅い分、ミスヒットに弱く、軌道が安定しづらいという不安要素がありますが、操作性に優れているため、自分の思うようなパッティングがしやすいことが特徴。

どちらかと言うと、上級者向けのパターと言えます。

パタークラブの形状の違い(4)マレットタイプ

いわゆる“かまぼこ型”と言われるマレットタイプのパターは、ミスヒットに強いやさしいパターです。

特に、ネックがないモデルが多いため、ヘッドの重心が低くなっており、ボールをフェースの芯で打ちやすいことが特徴です。

一般的なマレットタイプよりもヘッドが大きくなったものを、通常のマレットタイプと区別して「ネオマレットタイプ」と呼びます。

これは、芯部分が広くなっていたり、オートマチックなストロークがしやすくなったりと、使う人にとって、さらにやさしくなるように作られているため、最近特に人気のヘッド形状となっています。

パターヘッドの選び方

4種類のヘッド形状をご紹介しましたが、ここからは、どのタイプがどんなゴルファーに合うのかを具体的に見ていきましょう。

パターヘッドの形が気に入って選んだけれど、実際に打ってみると上手く打てない……などと悩まされている人は、ヘッド形状に合ったスイングができていない、または、自分のスイングに合ったヘッド形状を選んでいない可能性があります。

ピンタイプが合うゴルファー

ピンタイプは、オーソドックスでバランスが良く、扱いやすいパターです。

なので、「何を使ったらいいかわからない」という人や、初心者の人は、まず手に取ってみることをおすすめするパターです。

スイートエリアが広いため、ボールを芯でとらえやすく、打った時に意図と違う方向にボールが出てしまうことを減らせます。

ピンタイプはパターの重心距離が適度にあり、フェースの開閉がしやすいパター。

そのため、フェース面を感じやすく、タッチを出しやすいというメリットがありますので、距離感に悩んでいる方にもおすすめです。

ピンタイプを使うことで、パターを打つ「感覚」を身に付けることができます。

L字タイプが合うゴルファー

L字タイプは、ヘッドのヒール部分にシャフトが付いていることで、重心距離がほかのパターよりも長い傾向があります。そのため、フェースの開閉度が大きいという点が特徴です。

フェースの開閉度とは、ストロークのテークバック時にフェースが開き、インパクトしたあとのフォロースルーでは、フェースが閉じる動きのしやすさを表し、大きいもののほうがフェースの開閉がしやすく、小さくなるにつれてしにくくなります。

L字タイプは、このフェースの開閉を積極的に使っていくヘッド形状となりますので、マニュアル感覚でパッティングしたい人や、距離感をアプローチのような感覚で出したい人、ストロークがアーク型(自分を中心に弧を描く)の人にオススメです。

T字タイプが合うゴルファー

T字タイプのヘッド形状を持つタイプは、その特性上、ヘッドの中心部分にシャフトが刺さっています。

重心距離がほとんどないため、フェースの開閉度が小さく、スクエアフェースを維持しやすいパターです。

ボールにアドレスしてから、真っすぐ引いて真っすぐ打つという感覚が出やすく、引っ掛けや押し出しが出にくいため、それらのミスショットに悩んでいるゴルファーに有効でしょう。

シャフトの延長線上にフェース面上の重心があるため、芯でとらえやすいパターと言えます。

しかし、ヘッド幅が薄く重心が浅いため、操作性に優れている反面、ミスヒットをしてしまうと、思った距離が出なかったり、フェース面がぐらついて方向性が悪くなったりします。

ベテランゴルファーで、方向性に悩んでいるという人なら、取り入れることで改善につながる可能性があります。

マレットタイプが合うゴルファー

重心が低く、ボールを芯でとらえやすいマレットタイプは、ゴルファー側が操作をしなくても、ある程度パター任せにできるタイプですので、ピンタイプと並んで、初心者にも扱いやすいヘッド形状です。

パッティングの際にあまり自分の感覚を使わず、オートマチックに振り子のようにストロークしたいゴルファー、ヘッドの開閉をあまりせず、ストレートにストロークしたいゴルファーにオススメでしょう。

ピンタイプを試してみて、違和感があった人は、初心者でも初めからマレット型を手に取っても良いかもしれません。

マレットタイプよりもさらに大きなヘッドを持つネオマレットタイプは、手先でコントロールをしようとすると大きな違和感を覚える人も多いため、大きくゆっくりとしたストロークを行うよう心掛けましょう。

4種類のネック形状

パターを選ぶためには、ヘッド形状だけでなく、ネック形状の違いも頭に入れておくと良いでしょう。

ネック部分は、ただ単に形が違う、というだけではありません。

同じヘッドでネック形状が違うパターをメーカーが販売していることもあり、ネック形状1つでパターの性能は大きく変化するのです。

パターのネック形状(1)クランクネック

適度な重心角と、パターを構えて上から見た時に、シャフトよりもフェースが右側にくる(オフセット)の形をしていて、非常にヘッドターンがしやすく、右への押し出しのミスが少なくなる効果を持つネック形状です。

ストロークが弧を描く「アークタイプ」でも、真っすぐ引いて真っすぐ打つ「ストレートタイプ」でも、どちらにも使いやすい、万人受けするネック形状であると言えるでしょう。

さらに、芝目に負けずボールを強く転がしてくれる傾向があるため、ターゲットに対して真っすぐなボールが打ちやすいという特徴もあります。

パターのネック形状(2)ベントネック

シャフト自体を湾曲させ、シャフトがヒール側に折れ曲がっている形状のものが、ベントネックです。

マレットタイプに採用されることが多く、テニスラケットや野球のバットのように、シャフトの延長線上にヘッドの芯があるため、重心距離がほぼ0となり、手で打つ感覚でパターが動いてくれる点が特徴。直感的に、オートマチックにストロークするタイプが合うでしょう。

ベントネックもクランクネックと同じようにオフセットがあり、ボールをつかまえやすくなり、右へのプッシュのミスを抑えると考えられています。

パターのネック形状(3)センターシャフト

センターシャフトタイプは、ヘッドでボールをしっかりと打っている感覚が味わえるため、パッティングしていて気持ちのいいパターです。

シャフトの延長線上にヘッドの芯があるため、初心者には感覚的に打ちやすいパターであり、そういった理由から、初心者に勧める人もいます。

しかし、重心距離(シャフトの中心線からフェース面上の重心までの距離)がないため、重心から左右にずれてヒットすると、ヘッドが回転しやすく、方向性が乱れてしまいます。

センターシャフトタイプでも、T字型のタイプはこの傾向が強く、ヘッドが後方に大きいネオマレットタイプなどの場合は、多少芯を外してもT字型よりはヘッドが回転しにくくなっています。

パターのネック形状(4)ショートスラントネック

ショートスラントネックとは「短い、傾斜したパターネック」の意味で、クランクネックよりもフェースの開閉度が大きいことが特徴です。

その操作性の良さから、近年、ツアーでのプロゴルファーの使用率も増え、見たことがあるという人も多いでしょう。

フェースの開閉度が大きいため、ストロークはストレートタイプではなく、アークを描くタイプのほうが使用しやすいです。

ネック自体が短くすっきりした形状のため、アドレスを取る時に、構えやすくなります。

クランクネックよりも引っ掛けが出にくく、操作性がとても良いネック形状です。

ストロークタイプの違いによるおすすめのネック形状

ピンタイプにはクランクネック、マレットタイプにはベントネックなど、このヘッド形状にはこのネック形状という、ある程度の型が存在します。

しかし、その定番の組み合わせで上手く打てない、違和感があるという人は、違うタイプのネック形状と組み合わせたパターを使用したほうが良いかもしれません。

ネック形状の選び方の1つに、自分のストロークタイプに合わせる、という方法があります。

ストロークタイプは、真っすぐ引いて真っすぐ打つ「ストレートタイプ」と、クラブの軌道が“イントゥイン”(インサイドイン)になる「アークタイプ」があります。

厳密に2タイプに分かれるわけではなく、ストロークの弧の度合いによって、「ほとんどストレートタイプ」から「きついアークタイプ」まで、グラデーションがあります。

それぞれのストロークタイプに合ったネック形状をご紹介します。

ちなみに、自分では真っすぐ動かしているつもりでも、実は弧がきつかった、なんていうことも珍しくないので、フィッティングを受けてみたり、ストロークタイプを診断できる「iPING」というアプリなどを使って調べてみてもいいでしょう。

ストレートタイプに合うネック形状

ストレートタイプに合うネック形状は、

・クランクネック
・ベントネック
・センターシャフト

この3タイプが有効です。

クランクネックは、万人受けする応用の効くネック形状のため、初心者から上級者、ストレートタイプからアークタイプまで、受け入れられやすいと言えます。

ベントネックとセンターシャフトは重心距離がほぼ0に近いため、ヘッドを直線的に動かしていくストロークタイプにおすすめです。

アークタイプに合うネック形状

アークタイプに合うネック形状は、

・クランクネック
・ショートスラントネック

この2つがおすすめです。

誰にでも使いやすいクランクネックは、フェースを開閉させながらインパクトするアークタイプにも有効。

インパクトしたあとも、低く長くボールを押し出すイメージでストロークを行うと、安定した良いパッティングができるようになります。

グリップやストローク方法、ボール位置などもパッティングに影響を与える

パター選びは、ヘッド形状とネック形状、選ぶポイントが複数あり、大変と思ってしまうかもしれません。

しかし、これらだけで、理想のパッティングができるわけではないのです。

パター自体の長さにも長いものや短いものがありますし、パターとゴルファーをつなぐグリップにも、細いものや太いものが存在します。

ストローク方法も、肩で打つショルダーストロークと手首を使ってパチンと打つリストストロークがあり、自分の打ち方とその距離感を把握しておく必要があります。

アドレスする時のボール位置が左過ぎれば引っ掛けが生まれやすく、右過ぎれば右に押し出してしまう可能性があるため、ヘッドとネックの形状と合わせて、それらを見直すと良いでしょう。

ヘッドとネックの特徴を知って自分に合うパターを選ぼう

パター選びに関して重要な、4種類のヘッド形状と4種類のネック形状、それぞれの特徴と、合うゴルファーについてご紹介しました。

「パットイズマネー」の言葉がある通り、パター選びはスコアメイクする上で必須です。

パターがあまりに入らないと、ストレスが溜まってしまい、ゴルフ自体も楽しめなくなってしまう可能性があります。

ヘッドとネックの特徴を把握し、自分のストロークタイプに注目しつつ、実際にボールを打ってみて、しっくりくるパターを選んでください。