ゴルフクラブ
ロマン派ゴルフ作家の篠原
新・貧打爆裂レポート『M.CRAFT パター』
今回の貧打爆裂レポートは、2020年7月22日に発売されたミズノ『M.CRAFT(エムクラフト)パター』です。
いつものようにコースに持ち込んで、ラウンドしました。鍛造+削り出しの本格的なヘッドのパターの実力は? 秘密に迫ります! 動画も含めての試打レポートです。
正統派の削り出し『M.CRAFT パター』はお買い得!
『M.CRAFT パター』は、ミズノが2020年7月22日に発売したパターです。
『No.1』、『No.2』、『No.3』の3つのヘッドがあります。ストロークタイプや、お好みに合わせて選べる3モデルということです。
ヘッド素材は、ミズノ軟鉄鍛造アイアンと同硬度のマイルドスチール「S25C」を削り出しています。
【試打クラブスペック】
ヘッド マイルドスチール(S25C)鍛造+削り出し
ウェイト 3g:α-β系チタン合金(Ti-6AL-4V)+EFバッジ、8g:ステンレススチール(SUS304)+EFバッジ、13g:タングステン合金(W-Ni)+EFバッジ
ヘッド仕上げ ホワイトサテン(ニッケルクロムメッキ・ホワイトサテンブラッシュ・ミラー&ショット仕上げ)
ロフト No.1:3.5度、No.2:4.0度、No.3:1.5度
長さ 34インチ
ライ角 70度
価格(税別) 4万円
『M.CRAFT パター』でお得だと感じる点は、軟鉄の削り出しヘッドであること以外にも、交換用のウェイトが別売りではなく、付属していることです。
自分の好みで、ソールのトウとヒールにあるウェイトを自由に交換できるのです。
同じ仕組みのパターはたくさんありますが、別売りの交換用のウェイトセットは5000円~1万円ぐらいします。
ヘッド重量は、重めです。シャフトも重めのスチールシャフトが入っています。いわゆる削り出しのパターとして、標準的な部分はクリアしているのです。
フェースはミーリング加工されています。芯の周辺は深めにミーリングされています。
『M.CRAFT パター』の3つのヘッドは、オーソドックスでありながら個性も感じさせます。
『No.1』と『No.2』はヘッドは、いわゆるピン型です。『No.1』はブレードに対して平行な直線を強調する形状にショートネックです。
『No.2』は、ピン型らしいクランクネックで、少し曲線を含んだデザインになっています。
『No.3』は、半月形のマレット型で、ベントネックです。
3つのヘッドすべてが、美しいです。
この手のパターでは、美しいことは機能だと考えています。それは、グリーン上で使用するときに、メンタルを支えるプラス要因になることがあるからです。
『M.CRAFT パター』は、丁寧に、細部までしっかりと仕上げてあるパターです。
ここまで作り込むと、この価格ではちょっと難しいものです。ウェイトが付属していることも考えると、『M.CRAFT パター』はコストパフォーマンスが良いパターと言えます。
王道を極めているのにお買い得なパターが、もし、バンバン入るようなら、買わないと損するという気持ちになってきます。
『M.CRAFT パター』の3つのタイプの使い方を極めよう!
動画を見てください。
『M.CRAFT パター』は美しいパターだと紹介しましたが、それはコースのグリーン上で、最高レベルにわかります。
メッキで光る部分とサテンのつや消しの位置が良いのです。高級感と使い勝手の良さを両立させています。
実際は重量があるのですが、軽く感じます。これは、扱いやすいパターである証拠です。物理的には重さを使って強いボールを打てるのに、操作はしやすいというわけです。
実際にボールを打ってみると、しっかりとした打音と打ち応えです。気持ち良くボールも転がります。
3つのパターすべてが、ストレートなラインで歪まないボールを打てます。お見事です。
『M.CRAFT パター』は、打ったボールが揺れてしまうことで不安になっているゴルファーにオススメします。
見た目としては『No.1』が好みだったのですけど、コースで使って結果が出るのは『No.2』でした。オーソドックスのど真ん中です。
その次に結果が良かったのは『No.3』でした。
推測ですが、『No.1』は細工が効くのです。つまり、3本の中では最も敏感なのです。気持ちが入っている時はこういうパターは入りまくるのですけど、使いこなしていない不安があると、プラス要素が機能しないというわけです。
実際に使ってみると、3種類あることに感心しました。必要だから3つのヘッドがあるのです。
好みと現実の効果は違うのです。自分でも気が付かないことを『M.CRAFT パター』は教えてくれます。
パターの選択に悩んでいるゴルファーに、『M.CRAFT パター』はオススメします。高い確率で答えを出してくれます。
No.1からNo.3ですべてのゴルファーをフォローするというメーカーの言い分は100%ではないと思いますが……なんだかんだ言っても、個人的には『No.1』が好きです。
敏感で手足のように使いこなしたくなるパターです。
『No.2』はオーソドックスです。好きな人にはたまらない澄んだ水のようなパターです。
練習で徹底して使って、基礎力の維持をしつつ、懐刀のように使うことを夢想してしまいます。
No.3はマレットの完成形で、タッチが出やすいのが特徴です。
ベントネックが好きな人にはコレです。時代の流れとしては、このパターが最も流行りのパターにつながっていく部分があるかもしれません。
『M.CRAFT パター』は、ミズノのメーカーとしての自信が詰まったパターです。
最高のパートナーである唯一無二のパターに出逢えるゴルファーは、ほんの一握りだと言われています。
『M.CRAFT パター』が、それかもしれないとは書きません。ただ、確実に自分の経験値を上げて、眼力を高めてくるパターです。基準になるものを持っている者は、ゴルフでも強いのです。