ゴルフクラブ
ファルコンまつばら
プロ支給品・ツアー支給品って実際どうなの?
プロ支給品とかツアー支給品って何か特別な感じがするし、実際にプロが使ったものであれば良いに違いない! と思われるでしょうが、果たしてどうなのか?
実際にトーナメントプロに支給しているファルコンまつばらが、プロ支給品/ツアー支給品の実際のところを書いちゃいます!!
画像はバッバ・ワトソンですが本文とは何の関係もありませんので、念のため。
プロ支給/ツアー支給とはなんぞや?
プロ支給品というのは、プロゴルファーに使ってもらうことで宣伝につなげることを目的としたクラブで、ツアー支給品はトーナメントでトーナメントプロに使われることで宣伝につなげていくことを目的としたクラブです。
プロ支給品がトーナメントプロだけでなくレッスンプロなどにも支給するのに対して、ツアー支給品はトーナメントプロにのみ支給するという違いがあります。
どちらもプロゴルファーに支給されるゴルフクラブですので、言葉は違えどほぼほぼ同じようなものと考えてくださって結構です。
支給品はどこから来る?
この記事を書くためにちょっと調べたのですが、支給品を専門に扱っている業者さんもありビックリしました。
そうした専門業者だけでなく、中古として持ち込まれたクラブの中にも支給品がありますが、支給品の多くは専門業者がWebで販売していたり、オークションサイト、アマゾンや楽天などで広く販売されています。
で、肝心の入手先なのですが、専門業者としてやっている所はUSPGA関係者から入手しているところが多いようです。
オークションなどに出品している方の中にはトーナメント会場などのチャリティで購入し、要らなくなったので出品するということもありますが、商売としてやっている人の多くはツアー関係者(プロゴルファーを含む)からの入手ということです。
支給品は売っていいの?
写真は通販サイトで実際に販売していたPGAツアー支給品というテーラーメイドのM2です。
商品説明に「未市販」とあるように市販されていないものです。
未市販・ツアー支給というところにグッと来て買ってしまいそうですが、ちょっと待ってください。
支給品のほとんどはメーカーからの貸与品です。所有権をメーカーに留保して、単にプロに貸し出しているだけです。
また、上の入手経路で書きましたが、売り物でない支給品を関係者から仕入れるということは、正規経路ではない、いわゆるひとつの“横流し”ということになります。
他人のモノを売るってまずどうなんでしょう? ということ、そして正規ではない横流し品を買って自分のキャディバッグに入れていたら・・・。
ゴルフ規則の一番最初にマナーのことが書いてあることの意味を良く考えてくださいね(^^;;
で、実際の所支給品ってそんなに良いの?
結論から先にいいます。
今出回っている支給品はゴルフ量販店で売っているヘッドと性能は変わりません。
支給品と市販品、作り方も素材もまったく同じなので変わりようがありませんから。
支給品を販売する業者さんは「精度が良い」と言いますが、写真のM2などは16.5度表示で実際のロフトは18.5度。
支給品は実際にロフト等を測ってすぐに組めるようにシールなどにスペックを書いておくので、シールに書いてある数値との精度が良いのは当たり前。
それで精度が・・・って言われてもどうなんでしょうね?
「いやいや、支給品ってプロトタイプ(試作品)で反発係数もギリギリ狙って出してくるし、市販品にはない特別な機能もてんこ盛りでしょ?」
という方も実際いらっしゃいますけども、ごめんなさい。それも誤解です。
開発途中の試作品を使ってもらう場合は確かにあります。
が、それはごく一部のトッププロ若しくは開発に協力してくれたプロのみです。
それが皆さんお考えになる支給品になりますが、試合などで使いますからルール適合ヘッドでないと意味ないですよね?
そのため開発が終了して量産試作になったものをルールに通し、通ったヘッドしか支給はしません。
開発途中の試作品は100%回収しますから、支給され横流しされるものは性能面、機能面では市販品とまったく変わりません。
市販品と支給品の違いは?
では、実際に市販品との“見た目の違い”はどこにあるかと言うと・・・。
支給品は塗装が違ったり、シリアルナンバーが付いていたりすることも多いです。性能面ではまったく変わらず、見た目だけが違うということですね。
中には「ホットメルトポート(重量調整用の穴を樹脂で埋めたあと)が!!」ということもありますが、穴を樹脂で埋めただけでは別に性能には影響ないです・・・(笑)。
塗装が違ったりシリアルが打ってある理由は横流しを防ぐ意味だけです。
シリアルはすべてメーカーで控えられていて、どのプロにどのシリアルで貸与したか分かるようにしています。
そしてシリアルがわかれば、実際にシリアルから横流ししたプロやスタッフを突き止めて、サポートを中止したりするのですが、プロの中には「ファンにプレゼントしたら横流しされた」と言うことにして誤魔化すプロもいるようです。
支給品の専門業者などは、横流しする人がいなくなると商売上がったりですから、入手先を「関係者」ということでモヤっとさせ、シリアルがあってもモザイクかけたりして誤魔化します。
まとめ。。。
大きい声では言えませんが、ごくごく一部のメーカーの場合は通常の市販品にレーザー刻印でシリアルをふって在庫のヘッドを売り切ってしまおうというところもあるようです。
ツアーサポートしている選手がほぼいないのに支給品として結構な数が出ていたということもありましたから要注意ですね。
確かに支給品という響きは魅力的かもしれません。
実際に性能が変わらなくてもプラセボ効果で良いと感じてしまう場合もあるでしょう。
ただ、本物の支給品であればそれは間違いなく横流しされたものですし、メーカーから貸与されているモノを購入するということは、見方によっては盗品を買うようなものと感じる方もいらしゃるかと思われます。
ルールブックの一番はじめに書いてあること、それは一番大切だから書いてあるということをご理解された上で支給品を見ていただけると幸いです(^^;;