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ウッドクラブの意外なメカニズム!?“バルジ”っていったい何?
「バルジ」という言葉を聞いたことはありますか?
バルジとは、ドライバーをはじめとするウッドクラブのヘッドの形状に関係がある用語で、実は私たちのプレーを縁の下で支えてくれているものなのです。
バルジとはいったい何のことで、どのような働きをしているのか、さっそく見ていきましょう!
バルジとはいったい何?
ドライバーをはじめ、ほぼすべてのウッドクラブのフェースは、トウ側からヒール側にかけて丸みがついた形をしています。
「バルジ(bulge)」とはこの丸みのことで、これはインパクトにおいて「ギア効果」を生み出すために必要なものです。
ふたつ並んでいる噛み合ったギアがある場合、右のギアが時計回りに回ると、左のギアは反時計回りに回ります。これがギア効果です。
これを上から見たヘッドとボールの関係でとらえます。
ボールがヘッドのトウ側に当たるとヘッドは重心を中心に時計回りに回転するため、ボールには反時計回りの回転(フック回転)がかかります。
同様に、ボールがヘッドのヒール側に当たるとヘッドは重心を中心に反時計回りに回転するため、ボールには時計回りの回転(スライス回転)がかかります。
つまり、バルジがあることによって、トウ側に当たった場合はドロー回転、ヒール側に当たった場合はフェード回転がボールにかかり、打球をある程度真ん中付近に集めることができるのです。
(画像は https://ericjonesgolf.com/ より)
バルジはヘッドの重心深度と関係がある
バルジの丸みがもっとも大きいクラブはドライバーです。フェアウェイウッドの場合は3番が最も大きく丸みをおび、番手が小さくなるごとに丸みは小さくなります。
このことにはヘッドの重心深度が関係しています。重心深度が深いクラブほど、丸みを強くしなければギア効果が正しく得られないのです。
アイアンにバルジがないのは、アイアンの場合は重心深度がきわめて浅いため、バルジをつけてもギア効果がほとんど表われないからです。
バルジは偶然の産物?
ショットの安定性を高めるのにバルジが有効だということがわかったのは、実は偶然からなのだとか。
ウッドクラブが本当の木で作られ、羽毛を詰めたフェザリーボールを打っていた時代、クラブのフェース面は平らでした。
時が経ち、硬い樹脂でできたガッティボール(ガッタパーチャ)が使われるようになると、木製のフェースはへこんでしまうように。
そこで、へこみ対策としてフェース面に丸みをもたせたところ、従来のフェース面が平らなクラブよりも、打ち損じたときのボールの安定性がいいことが発見され、現在でもドライバーなどのクラブに生かされているのです。
横の「バルジ」縦の「ロール」
ドライバーやフェアウェイウッドのフェースの横方向の丸みをバルジというのに対して、縦方向の丸みを「ロール」といい、縦のギア効果を生み出します。
ゴルフクラブにはロフトがあり、その影響でフェースの上下どこでヒットしても打球にバックスピンがかかります。
ロールがあるクラブでは、スイートスポットより上の部分はロフトが寝る(ヘッドをトウ側から見て、ヘッドが反時計回りに回転する)ことにより、結果、フェースの上のほうで打った打球はギア効果で時計回りに回転する(トップスピン)力が加わることでスピン量が減り、高打ち出しの低スピン弾道になります。
逆にフェースの下のほうでヒットした球は同様にギア効果によりバックスピンが増え、トップ気味の打球も上がりやすくなるのです。
(画像は http://www.tdgolfcoach.com/ より)
ウッドクラブのフェースの丸み「バルジ」「ロール」は単なるデザインではなく、打球の方向性を補正してくれるものなのですね。
実際にフェース面のいろいろなところでボールを打ってみると、バルジやロールの役割がわかると思います。
ぜひ試してみてください。