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初心者必見!聞いてはいけない!?ベテランゴルファーの教え
ゴルフ初心者の方は、会社の上司やお父さんにゴルフを教えてもらったりします。そうベテランゴルファーですね!
私自身も、初めは父親から習いました。父親がローハンデのプレーヤーだったので、ゴルフ理論に絶対的な自信があり、当時の理論のとおりに練習させられたものです。
ところが、ゴルフクラブの進化が昔のスイング理論とはかけ離れていると20年ほど前に気が付いたのです。
また私は、現代に至るまでさらなる進化を遂げているクラブとボールに、できる限りの対応をしてきたつもりです。
ゴルフクラブを専門的に扱っていた私でさえ、必死に着いてきた道具の進化ですから、一般ゴルファー(ベテランゴルファー)の方々には難しいことだと思います。
ではどのように 昔と今では理論が違うのでしょう? 道具の進化と共に考えてみましょう!
目次
昔と今ではどのように 道具が違うのでしょう!?
ドライバーの進化についてお話します。
大昔は、羽毛を固めたボールを、『プロゴルファー猿』みたいな木のシャフトに木のヘッドでできたクラブで打ってました。
しばらくして、ゴムを固めた(ゴム糸を丸くしたもの)ボールをスチールのシャフトに木のヘッドでできたクラブで打つように進化します。
現在の55歳くらいから上の世代はこれです。上の写真の頃ですね!
そして今から30年ほど前に金属のヘッドが登場し、ウレタン製のボールがメインになってきます。
その後はカーボンシャフトが登場して軽量化され、ヘッドは460ccまで大型になってきます。
上の写真のヘッド体積は200ccほどですから、倍以上になっている訳です。
ドライバーの大型ヘッド化と軽量化による特徴を3点ほどにまとめると、
1.物体が一定方向へ進もうとする力を慣性モーメントというのですが、大型ヘッドになるほどに直進性能が高まります。ヘッドが直進してくれますので、プレーヤー自身の操作は単純化されますね!
2.フェース面が広くなったことにより、スイートエリアが拡がりました。ミート率の低いアマチュアにはうれしい拡がりですね!
3.上記2点の特徴を生かし、クラブを軽量・長尺化させることができるようになりました。カーボンシャフトの進化もあって、2インチ以上の長尺化に成功。ヘッドスピードが飛躍的に上がりました。
要するに……飛ぶようになった訳です
アイアンも低重心化して、クラブの下のほう(リーディングエッジに近いところ)で打ってもボールが飛ぶようになりました。
昔のような高重心のアイアンのように上から打ち込む必要がなくなったのです。
ボールについては、ウレタン系素材の多様化により、2~5層構造になり、長いショットは低スピンでより遠くに飛び、 短いショットはスピンがかかるようになりました。
このボールの進化は物すごいと感じています!
クラブとボールの進化により、昔のような技術が必要なくなり スイング理論が変わったという訳ですね。
ただ、昔のクラブでも現代のような要素を多く取り入れたゴルフ理論も存在していましたし、トッププロの中には、近代的な技術を持ったプレーヤーもいたので、【一般的には】という注釈を付けておいたほうがいいかもしれません。
ベテランゴルファーが伝えてくる、間違えて受け取りやすい昔の理論
多くのベテランゴルファーが信じて疑わない理論として、代表的なものを3つほどご紹介します!
1.ボールの先の芝生を削るように上から打ち込め!
昔のアイアンは重心位置が高く、上から打ち込まないとボールが上がらなかったので、ボールの先の芝生を削るように打ち込むスイングが主流でした。
ボールは低く飛び出し、スピンによって上昇する球筋が、いいとされていました。
2.腰を切れ! 体重移動させながら腰を回転させろ!
アイアンが高重心でしたので、打ち込む必要がありました。さらにシャットフェースにすると高重心の芯に当てやすいということで、シャットフェースが当たり前でした。
体重を乗せてシャットに振り下ろされたクラブで目標方向に打ち出すには、腰を切るように体を回転させ、クラブヘッドを遅らせる必要があったという訳です。
3.飛距離を生むには右脚を蹴れ!
上から打ち込むスイングが主流でしたから、ベタ脚のままだとフォローを出していくと腕が詰まって肘を抜かなければなりません。
当時は右脚を蹴ることにより、身体を浮かしフォローをスムーズに出していたという訳です。
では現代のスイング理論ではどのようになっているのでしょうか?
上記の3点に絞り、現代ではどのように変わってきたのかを記しておきます。
1.アイアンの低重心化とボールの進化により、上からクラブを打ち込まなくてもボールは上昇するようになりました。
すなわち、ボールに対する入斜角度を緩やかにしたほうがボールを高く打ち出せるようになったのです。
2.体重を左足に乗せて上からシャットフェースで打ち込む必要がなくなったので、左腰の位置が高くなり、腰を切るように回転させる必要がなくなりました。
腰を切るように回転させてしまうと、振り遅れが生じ、ドライバーのような大型ヘッドのクラブではプッシュアウトが止まらない状態になってしまいます。
すなわち、腰を使う方向が切るような横回転ではなく、右利きの場合、左上(フォロースルーの方向)に動くようになったのです。
左脚をジャンプするようにキックする選手が増えてきたのはこのためです。
3.スムーズなフォロースルーができたほうがヘッドスピードが上がり、方向性も向上します。
ドライバーのような大型ヘッド化されたクラブで右脚を蹴ってしまうと身体が開き、クラブヘッドが遅れてしまいます。
2の「腰を切るように回転させない」こととも共通しますが、右脚を蹴ってしまうと左腰の位置が下がるため、横回転になってしまうのです。
ベタ脚で地面を踏みしめる力をスイングに活かしたほうが、フォロースルーがスムーズになり より遠くに正確に飛ばせるようになるということです。
私見ですが、スイングの支点が高い位置でしっかりするということなのではないかと思っています。
昔の理論と現代スイング理論 理想と例外
上の写真は 現代スイングの完成形(と私が勝手に思ってます)とも言うべきロリー・マキロイのインパクト直前の形です。
左腰の位置が高く、右脚を蹴らないで地面を踏みしめている状態がよくわかりますね!
このようなスイングが、一般的なアマチュアにできるかどうかは別にして、理想形と言えるのではないでしょうか。
ただ、昔の理論がすべて悪いとも言えない部分もあります。
例えば、シャットフェース。
非力な女性やジュニアにはクラブを振り切るために必要な脚力や腕力がありません。
自然に振り遅れが生じてしまうため、シャットフェースを上手く利用して飛ばす技術が必要になってくるという訳です。
また、ボールの先の芝生を削る、打ち込むスイングもライ(ディボット跡等)によっては必要なシチュエーションがあるのも事実です。
例外としての代表選手が、ダスティン・ジョンソンです。
彼のスイングはシャットフェースにした状態で、左腰を早めにターンさせて振り遅れによりクラブを真っすぐにするという方法です。
クラブの慣性モーメントが高くなり、ボールが進化したからこその“シャット使い”とも言えます!
ベテランゴルファーの理論にも、それなりの利点があり、現代に応用できる点も多い と理解した上で、現代スイングを身に付けていきましょう!
ここで書いた現代スイングの解釈は、私の私見が多く含まれます! すべてを記することもできませんし、多くの例外もあります。
しっかりとした、自分に合ったティーチングプロに習うことも、スイング造りには必要だと思います。
この楽しいゴルフをより楽しむためにも、頑張って練習しましょうね!
元クラブフィッターのzoroでした!