「いいスイングはいいタイミングから生まれる」。
また、「できるだけゆっくり振れ」とも言われます。
実は、この「ゆっくり」が曲者で誤解されやすい表現なのです。
速いスイングで打ち急ぎのクセのある人に、「もっとゆっくり…」とアドバイスしても、これほどないものねだりの注文はありませんよね。
スイングの速い人がゆっくり振ろうとすると、異質の動作をすることになるので、そこに神経をとられ、雑念が入り、ボールを打って振り抜くという肝心なことを忘れてしまいます。
仮にバックスイングはゆっくり取れても、ダウンスイングから待ちきれずに急に速くなってしまいます。
しかもどの程度のゆっくりがいいのか、尺度もありません。ここがポイントです。
人それぞれに関節の硬軟、筋力の強弱があります。筋力のあるプロゴルファーは平均してスイングが速いです。
彼らのスイングはゆっくり見えても、実際はかなり速いのです。
ゆっくり振る、言葉では簡単ですが、これは結構難しいものなのです。
ですから、スイングの速い人にゆっくり振ることを勧めたり、ゆっくり振っている人に「もっと速く」と言っても無理な話です。
タイミングさえその人にピッタリならば、速い遅いは関係ないのです。
「ゆっくり」の言葉の真意は、あくまでもタイミングのための便宜上の問題に過ぎません。
むしろ「ゆったり」(弾力的で余裕のあるスイング)のほうが正解でしょう。
スイングの単純化が求められるのと同様、メンタル面も雑念(チェックポイント)を少なくするのが理想ですから、速くとかゆっくりとかにこだわるよりも、タイミング上の振れる「きっかけ」を探すほうが賢明です。
あとは思い切りよくスイングするだけです。
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「ゆっくり」スイングは難しい!?「ゆったり」スイングしてみよう!