ゴルフスイング
宮下芳雄@プロゴルファー
知っているようで知らない!?「骨盤の回転」と「腰の開き」の違いとは?
「骨盤を回転させろってYouTubeで観たけど、昔は腰を開くなって言ってなかったっけ?」「骨盤の回転と腰の開きって違うの?」
今回はそんなゴルファーのお悩みを解決します。
この記事を書いている私はゴルフ歴35年、2000年にプロテスト合格、ラウンド/コースレッスン開催数は3500回を超えています。
【本記事の目次】
・骨盤の回転と腰の開きの違い
・骨盤を回転させると何がいいのか?
・骨盤をスムーズに回転させる方法
・TPIゴルフフィットネスを参考にしよう
骨盤の回転と腰の開きの違い
骨盤の回転と腰の開きの違いは「左足に体重が乗っているか乗っていないか」の違いです。
具体的には骨盤の回転は左足に体重が乗った状態で骨盤が回転する動作のことを言います。
そして腰の開きとはダウンスイングで右足に体重が残ったままで骨盤が回転する動作のことをいいます。
一見すると同じような動作に思えますが、体重の乗せ方がまったく違ってきます。
ちなみに左足に体重が乗った状態で骨盤が回転する動作のほうが飛距離が出て、ミスショットも少なくなります。
骨盤を回転させると何がいいのか?
骨盤を回転させるとスイングがスムーズになります。
その理由は、骨盤が回転することによりインパクトからフィニッシュにかけての振り抜けが良くなるからです。
こう書くと「腰を止めて腕を振るように教わりました」「腰は開かないほうが良いってアドバイスされたことがある」と思う方もいるはずです。
それで上手くスイングができていたら大丈夫です。
そのままのスイングで問題ないと私は思います。
しかし、インパクトで詰まりや窮屈さを感じている人は、骨盤をしっかり回転させることにより悩みを解決することができるのです。
さらに骨盤を回転させることにより飛距離のパワーソースが向上します。
具体的には骨盤を速く回転させることによりヘッドスピードを高めることができます。
ハンマー投げやプロレス技のジャイアントスイングのように体を回転させることにより、クラブヘッドに強い遠心力が掛かり、それが飛距離のパワーソースになるのです。
そう言うと「慣れない動作は難しく感じて不安」「やったことあるけどボールが当たらなくなった」などと感じる人もいると思います。
動作については繰り返し行うとすぐに慣れます。
そして動作に慣れるとボールも自然と当たるようになってきます。
具体例を挙げます。
私の行っているレッスンのお客さまに直接聞いてみると、2回目のスイング改善練習くらいから、新しい動作に慣れることを体感し、5回目くらいで新しいスイング動作の安定感を体感でき始めると言っています。
そしてこれは1人や2人のお話ではなく10人中5人くらいの方が同じようなお話をしてくれます。
そんなこともあり、骨盤の回転を多くのゴルファーに身に付けてほしいのです。
ちなみに大切なポイントは、挫折せずに繰り返し練習をすることです。
骨盤をスムーズに回転させる方法
骨盤を回転させるためのコツは2つあります。
1.股関節の柔軟性を高める
これは多くの人がすぐに思いつくことだと思います。
そうすると「私はもともと体が硬いから無理」と感じる人もいると思います。
しかし、ストレッチをコツコツ行うと意外に体が柔らかくなります。
私も実は体の硬いタイプなのですが、ストレッチにより股関節の動きを良くした経験があります。
なので股関節の柔軟性を高めることに挑戦して骨盤の回転をスムーズにしてほしいのです。
2.かかと体重でスイングする
かかと体重でアドレスをしたり、かかと体重でインパクトしましょう。
こう書くと、多くの方が「母指球じゃないの?」「かかと体重でスイングしろなんて聞いたことない」と思うでしょう。
たしかに私も母指球でアドレスをして母指球に重心を乗せたままスイングをしなさいと教わりました。
しかし、実はこれに違和感を感じながらスイングをしていたのです。
そして近年こんなことが言われ出しました。
それは「PGAツアー選手の多くがかかと体重でインパクトをしている」です。
実は母指球に体重を乗せたままスイングをすると、腰回りがつま先方向(ボール方向)へズレてしまうのです。
結果としてアーリーエクステンション(伸び上がりスイング)になってしまうのです。
とうぜん骨盤も回転できません!
なのでかかと体重でスイングすることが今のトレンドなのです。
TPIゴルフフィットネスを参考にしよう
TPIについて、ご存じない方が多いと思います。
そんなこともあり、まず最初にTPIについて少しだけ紹介をさせてください。
TPIとは、アメリカのカリフォルニアにある「タイトリストパフォーマンス研究所」のことです。
ゴルフトレーニングに始まり、リハビリ、バイオメカニクス、ジュニア指導、スイング理論など、ゴルフに関連する多くの研究を総合的に行っているる機関です。
さらにPGAツアー優勝者の80%がTPIトレーニングメソッドを取り入れています。
そして今回は、そんなTPIゴルフフィットネスの様子をインスタグラムで見てほしいのです。
この動画を見るとわかるのですが、ダウンスイングでお尻の位置をかかと側へ大きくずらし、かかと体重で体を回転させています(後ろの女性のほうがわかりやすいかもです)。
具体的にはこんな感じです。
・お尻の位置をかかと側へずらす
・かかと体重になる
・骨盤を回転させる
・前傾角度が崩れない
・スイング、ショットが安定する
こんな感じになるのです!
今回は以上です。
ではまた次回Gridgeでお会いしましょう。