ライフスタイル
SEペロしゅんすけ
競技ゴルフのススメ 第7話 窮鼠の一撃
今回も第6話までの続きです。
前回に続いて、筆者がインターネットゴルフメディアサイトが主催するアマチュア競技会の個人戦に参加した時の「自分自身のプレー」に関する思い出を書きます。
今回は思い出のショットの中でも、「窮鼠(きゅうそ)の一撃」と言えるような「絶体絶命の大ピンチの場面で、流れを一気に変えたグッドショット」をいくつか書かせてもらいます。
最終ホール・最終パットを「壁ドン」で滑り込みセーフ
参加3年目の若葉の季節、地区予選のラウンドでした。朝から快晴で初夏のような暑さで、夕立の予報も出ていました。
スタート前には、一緒に参加した仲間と「今日は雷が鳴って後半ハーフは中止となり、前半ハーフ決着の可能性もあるね」という話をしていました。
「前半ハーフからの猛チャージ」を誓ったにも関わらず、スタートホールからダボを打ち、パーで取り返しても、またすぐにダボを打つという冴えないゴルフをしていました。
前半ハーフ決着となったら、このスコアでは予選敗退だろう・・・。そんな気持ちの中で迎えた9ホール目のパーパットでした。
ラインは下りのほぼ真っ直ぐで、距離は5メートルでした。
距離と方向を丁寧にあわせて、丁寧にパット、それでも「マズイ! 強すぎる!」と思えるスピードでボールは転がりました。
結果はカップの向こう側に当たって入る「壁ドン・カップイン」でした。
結局、この日は、予想通りに午後から雷が鳴って競技は打ち切りとなり、前半ハーフで決着となりました。
成績は、カットラインより2打良いスコアでの通過でした。
スタートホールでのアプローチのミスを倍返し
参加3年目の梅雨末期、地区二次予選ラウンドでした。
連日の雨でコースの状態はかなりウェットでした。
パー4のスタートホールの残り40ヤード地点でした。
一度ダフってしまい、ほぼ同じ場所からもう1回アプローチが4打目となりました。
「スタートからダボだと痛いな」と気持ちも沈みかけていた中でのアプローチショットでした。
が、結果は、きれいな弧を描いてベタピン!
不思議ですが、その瞬間に「今日の自分、大丈夫、行ける!」と気持ちのスイッチが一気に切り替わりました。
スタートホールをボギーで終えた後は、快調なプレーで進んでいき、9番ホールでは10メートルのパットを沈めるバーディ!
前半を好スコアで締めました。
そして、午後からは霧が濃くなって、この日も前半ハーフ決着となり、上位で地区決勝ラウンドへ進出することができました。
制御不能状態から「教本通りの曲芸ショット」で生還
参加4年目の梅雨末期、地区二次予選ラウンドでした。
天気もコース状態も自分の体調も上々で、前半を39で終える、快調なプレーを続けていました。
ところが、「今日は余裕で予選通過だろう」と思い始めた矢先の14ホール目から急転直下でした。
ドライバーのティーショットは曲がり、ユーティリティはダフり、アイアンは引っかけ、それしか出ない、という状態が続きました。
14ホール目からのスコアは、トリ、ダボ、トリ、とみるみる失点を積み重ねました。
競技のラウンド中に、すべてのクラブのショットがまともに打てない状態が3ホールも続くというのは、初めての経験でした。
17ホール目のパー3では、9番アイアンでのティーショットも引っかけてバンカーへ打ち込み、バンカー内で「目玉」の状態となりました。
まさかの予選敗退もチラついたこの時、なぜか
「目玉ならむしろラッキー! こないだテレビのレッスンで見て、自分でもバンカー練習場で試したあの打ち方で打てば、とりあえず脱出はできる! 2パットでボギーでホールアウトできる!」と思えました。
結果はその通りのナイスアウトからの2パットでボギー、最終の18ホール目にはショットもそこそこ戻って、連続ボギーで終えられました。
結局、この日の成績は、カットラインギリギリのスコアにて、地区決勝ラウンドへ進出できました。
おわりに
前回と同じです。
やはり、腕前の下手なアマチュアゴルファーでも、競技に参加すれば「リズム・流れ・メンタルというゴルフの醍醐味を味わえる」のだと思います。
今回も「ハッピーエンドの良い話」しか書いていません。
実際には、最終まで反転攻勢できず、結果も敗退で、「ただただ残念で話のネタにもならないラウンド」の方がはるかに多いです。
今回書いたようなグッドショットが打てたのは「練習量(努力の積み重ね)とガッツ(根性)」を持っていたからだと思います。
当時は、生活の中での自由時間も多かったし、相当熱心にゴルフの練習をしていました。
青木功プロなどの多くのトップアスリートが「“心技体”は、“体・技・心”の順番なんだ」と言っています。
そして、「アマチュアの腕前でメンタル(心)などと口にするべきではない」と続きます。
この考え方が世間の定説であることは、私も知っています。
しかし、アマチュア競技ゴルフに数年間参加した1人のゴルファーの実感としては、
「アマチュアだからこそ、むしろ、競技ともなれば、リズム・流れ・メンタル次第でスコアが大きく変わってくる」のではないでしょうか?
そして、アマチュアゴルファーだって、自分の腕前相応の範囲で、充実した質と量の練習を積めば、心(メンタル)も充実してきて、競技会の苦しい場面で「腕前相応の奇跡も起こせる!」のだと思います。
「良くも悪くも努力は嘘をつかない!」はプロもアマチュアも一緒だと思います。
今年は、シーズン中の競技ゴルフに「充実した気持ち」で臨めるように、この冬場の期間にしっかりと基礎的な練習を積みたい、と思っています。