プロゴルファー
こせきよういち
ルールだから、あるがままにエイッ!~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#50
先週の米ツアー競技「ヒーロー・ワールドチャレンジ」(非フェデックスカップ・ポイント競技)。
久しぶりの競技復帰に世界中が注目したタイガー・ウッズは予想を上回る復活ぶりで、多くのファンがひと安心。
来年はメジャーを中心に、タイガーのパワフルなプレーがたくさん見られそうです。
ところで、今大会は日本でも4日間テレビで生中継されましたが、そのなかでちょっと面白いシーンがありました。
ジャスティン・トーマスがこぶし大の石に寄り添うようにして止まったボールを、左打ちでショットしたシーンです。
なんであんな打ち方をすることになったのか。振り返ってみましょう。
ジャスティン・トーマスのボールは石に寄り添って
問題のシーンは大会2日目の15番ホール、フェアウェイ右サイドのウェイスト・エリア(荒地)で起きました。
ウェイスト・エリアはハザードではなく、スルーザグリーンなので、ルースインペディメントである石は、ルール上は取り除くことができます。
ただし、取り除いたことでボールが動いた場合は1打のペナルティで、ボールはリプレースしなければなりません。
ジャスティン・トーマスのボールは、まさにその状態だったのです。
さらに悪いことに、右打ちでは石が邪魔で、ボールを上手く打てそうにありません。
トーマスはどうしようか迷いに迷ったようですが、最後は仕方なく左打ちでショット。
しかし、結果は……。
上記の動画をご覧ください。
ビル・ハースのボールは低木に挟まる
2年前のこの大会では、ビル・ハースが同じくウェイスト・エリアで、厄介なところにボールが挟まるシーンがありました。
ハースのボールは小さな低木の幹の間にすっぽりと挟まっていたのです。
この場合相手は自然物ですから、プレーヤーは1罰打の付加でアンプレヤブルとするほかに、救済の措置はありません。
そこで、ハースが選んだプレーは……。
上記、動画をご覧ください。
大きなバンカー内にポツンとひとつ落ちてた松ぼっくりに
最後は、トーマスと同じく、ルースインペディメントに寄り添うようにして止まったボールのプレーです。
このトラブルは昨年11月のエミレーツ・オーストラリアン・オープンで起きました。
残念なことに、こちらのボールはバンカー内。つまりハザード内なので、ルースインペディメントの松ぼっくり(それにしても、でかい!)は、動かすことも、触ることもできません(違反したときは2打罰)。
で、プレーヤーのジェイク・マクロードは仕方なく、ドカンと一発!
ゴルフは自然が相手、自然物に対してはあるがままでプレーするのが基本。
とはいっても、選りによってこんな、救済のないところに止まらなくても……。
プレーヤーの胸の内がよく伝わる動画でした。