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コンペで使うダブルぺリア方式とは?コツをつかんで優勝を目指そう!

ゴルフコンペの成績表で、グロススコア、ハンディキャップ、ネットスコアなど、数字がいろいろと書いてあり、順位がつけられているものを目にしたことがある人も多いと思います。

しかしよく見てみると実際のスコアは一番少ないのに、なぜか優勝ではない人も。

これは、「ダブルペリア」と呼ばれるハンディキャップの算出方法で、各々のスコアから計算されたハンディキャップを実際のスコアから引いた数字が、そのコンペの成績として競われる数字になるからです。

このダブルペリア、一体どのように計算して算出されているのでしょう? また幹事さん必見の、簡単にダブルペリアのハンディキャップを算出する方法はあるのでしょうか?

計算方法だけでなく、コンペでのダブルペリア攻略のポイントもお話してみたいと思います。

ダブルペリアの意味は? 何に使うの?

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ゴルフというスポーツは、技量の異なるプレーヤー同士が競った場合、大きな差がついてしまう可能性のあるスポーツです。

平均80打で上がってくる人と、平均100打で上がってくる人が、そのままのスコアで競えば、よほどの何かがない限り、前者に軍配が上がるのは目に見えていますよね。

しかし、この差をなくし、参加者みんなが“勝ち負け”で戦えるように設定されたシステムが、「ハンディキャップ」です。

このシステムを用いることで、ゴルファーの年齢・性別・経験や技量の差をなくし、公平な基準でプレーを楽しむことができます。

ハンディキャップは、公式に認められた「オフィシャルハンディキャップ」と、主にプライベートなどのコンペで、その日一日だけで使用される、「略式ハンディキャップ」の2種類があります(身内の間だけで通用する“持ちハンディキャップ”を設定しているコンペもあります)。

日本のゴルファーは、公式ハンディキャップを取得していないエンジョイゴルファーも多くいます。

そのため、ゴルフコンペなどの際は、略式ハンディキャップで、その日一日のハンディキャップを算出し、それを引いたネットスコアで成績を競います。

ダブルペリアとは、略式ハンディキャップの一種で、新ペリアとも呼ばれます。

もともと略式ハンディキャップの算出には、詳細は下記に記載しますが、「ペリア式」という計算式が使われていました。

しかし、ペリア式で出されるハンディキャップは、運の要素が強いという反発が後を絶たなかったのです。実力が上位なのに、運の要素によって勝ち負けが変動しやすいというデメリットがあったんですね。

その声を受けて生まれたのが、ダブルペリア方式という計算方法です。

詳しく見てみましょう。

ダブルペリアの計算方法は?

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ダブルペリアでハンディキャップを算出するには、まず、アウトとインそれぞれから、合計パーが48になるように、6ホールずつの隠しホールを選びます。

パー3とパー5から1つずつ、パー4のホールを4つという選び方が、一般的です。

ゴルファーは、プレーが終わって成績発表まで、どこのホールが隠しホールとして設定されているのかわかりませんので、大叩きをしたホールがあれば、「ここが隠しホールなら優勝かも?」などと期待しながらラウンドをしています。

隠しホールのスコアを足したものに1.5を掛け、そこから72を引き、その数字に0.8を掛けたものが、ダブルペリア方式で算出されたハンディキャップになります。

たとえば、隠しホールの合計スコアが70とすると、

(70×1.5-72)×0.8=26.4

となり、26.4がハンディキャップとなります。

ダブルペリアと新ペリア それぞれの違いはあるの?

ダブルペリアと並びよくコンペに採用されるハンディキャップの「新ペリア」。

こちらの新ペリアというものは、ダブルペリアとどんな違いがあるのか見てみましょう。

実はダブルペリアと新ペリア、実は呼び方が違うだけでまったく同じものです。

元々はペリア方式が採用されていたところに、運の要素が強過ぎるとして新しく考案されたという背景から「新ペリア」という呼び名も一般的になったのでしょう。

ダブルペリア以外のスコア計算方法

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さてここで、ダブルペリアだけでなく他にもハンディキャップを算出する方法がありますのでご紹介してみたいと思います。

ある程度実力が反映されるダブルペリアとは、また違った方法です。

コンペで幹事を務めることになった場合には、ハンディキャップ算出方法を工夫してみるといいでしょう。

運の要素が強いペリア方式

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ダブルペリアが生まれる前に使われていた計算式であるペリア式は、アウトとイン、それぞれから3ホールずつ選択した6ホールを隠しホールに設定します。この隠しホールがペリア方式のハンディ算出のために使われるんですね。

隠しホールの合計打数に3を掛けて、コースのパー(一般的には72)を引き、出た数字に0.8をかける計算式です。

たとえば、隠しホール6ホールの合計スコアが30だったとすると、算出される数字は

(30×3-72)×0.8=14.4

となり、それがその人のハンディキャップになります。

しかし、6ホールの隠しホールでたまたま大叩きをした人だけハンディキャップが多くなってしまう特徴があります。

こうした人が好スコアになってしまい「運の要素が強過ぎる」という反発が生まれたため、ペリア式に変わりダブルペリア式が現在の主流となりました。

ちなみに隠しホールすべてがダブルパーだった場合のハンディキャップはいくつになるのか計算してみると、

(×3-72)×0.8=28.8

という非常に大きなハンディになります。

運と実力がバランス良く加味された新・新ペリア方式

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また、ペリア式は運の要素が強く、ダブルペリア式は実力通りのハンディキャップが付き過ぎるということから、その2つの中間的存在として、「新・新ペリア方式」が考案されました。

これは、合計が36になるように選択された9ホールに2を掛け、72を引いて0.8を掛けてハンディキャップを算出する計算式です。

米国での認知度は現在のところ低く、日本独自の計算式となっています。

専用の査定表を使うキャロウェイ方式

こちらのキャロウェイ方式は、ハンディキャップの算出方法として最近よく使われるようになってきたものです。

グロススコアと、最も叩いたホールのスコアに基づいて、専用の査定表からハンディキャップを算出する方法です。

キャロウェイ方式では、査定対象ホールがわかってしまうため、スコア操作が行われるおそれから、隠しホールをいくつか設定し、そのホールのスコアを査定対象とする「変則キャロウェイ方式」も誕生しました。

この方法を用いたことで、通常のキャロウェイ方式よりも、公平さが増したと言われています。

ハンディキャップに上限はある?

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いろいろなスコアのハンディキャップ計算の方式がありますが、あまりにも差が広がり過ぎてしまうようなケースでは上限を設定する場合もあります。

それはハンディキャップを算出するときに、打数に係数をかけていくもののため、打数次第では大きな数字になる可能性もあるからですね。

このハンディキャップですが、ハンデ無制限の青天井というケースもありますし、ハンデ上限を設定するケースでは「36」に設定する場合が多いようです。

もちろん事前の話し合いであらかじめ決定しておけば「上限なし」もしくは「36」にこだわる必要はありません。

この打数上限についてはいろいろなパターンが存在します。

「ダブルパーカット」であれば、パーの2倍の打数までが上限です。パー4のホールであれば、8打まで。パー5のホールであれば10打までで、それ以上の打数を叩いたとしても、計算上はハンディキャップを加算することができません。

ほかに、「トリプルパーカット」という、パーの3倍の打数までが上限となる打数制限や、「ダブルボギーカット」「トリプルボギーカット」という打数制限もあります。

パー4のホールであれば、トリプルパーカットは12打まで、ダブルボギーカットは6打まで、トリプルボギーカットは7打までとなります。

逆に、打数制限が設けられない、「打数制限なし(通称“青天井ルール”)」とするコンペもあります。

打数制限がないと、ゴルフをはじめたばかりの人でも、大きなハンディキャップがついて、上位に入賞する可能性も出てきます。

「ハンディキャップ制限」という各ホールの打数に制限を設けるものではなく、最終的に算出されたハンディキャップに上限を設けるものもあります。「ハンディキャップ上限36」とあれば、たとえ計算上40のハンディキャップがついている人でも、36として計算されます。

ハンディキャップや打数の上限については、どのルールを適用するかで成績に大きな変動が現れます。

エクセルでハンデ計算をするときの計算式

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ゴルフ場にハンデ計算をお願いするケースが多いと思いますが、スコアのシミュレーションなどをしたいゴルファーもいるかもしれませんね。

そんなゴルファーのために、ペリア、ダブルペリア(新ペリア)、新・新ペリア、それぞれの方式で、エクセルで簡単に作れる計算式を掲載しておきます。

分かりやすいようにエクセルのA1に隠しホールの合計を自分で入力。

その後近くのセルに計算式をコピペすれば、計算式を入力したセルにハンディが表示されるようにしています。

エクセル計算式 ペリア方式

※OUT、INからパー3、パー4、パー5をそれぞれ1ホールずつの合計6ホールを選択

ハンディキャップの計算式
=((A1*3)-72)*0.8

エクセル計算式 ダブルペリア(新ペリア)方式

※OUT、INからパー3、パー5をそれぞれ1ホールずつ、OUT、INからパー4をそれぞれ4ホールずつ、合計12ホールを選択

ハンディキャップの計算式
=((A1*1.5)-72)*0.8

エクセル計算式 新・新ペリア方式

※OUT、INからパー3、パー5をそれぞれ1ホールずつ、パー4を5ホール、合計9ホールを選択

ハンディキャップの計算式
=((A1*2)-72)*0.8

幹事必見! アプリを使って簡単に計算しよう!

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コンペの成績表を作るのは、主に幹事の役目です。

みんなの成績が出揃ったところで、隠しホールのスコアを拾い、決められた計算式からハンディキャップを算出し、グロススコアから引いたネットスコアを出して、優勝から最下位までの順位をつけます。

最近では、スマホのアプリで簡単にスコア集計や順位決定をしてくれるものもあります。

「GDOスコア管理アプリ」もそのひとつ。

事前にコンペ詳細を登録することが可能で、当日バタバタする必要がありません。

参加者にはリアルタイムでスコアを入力していってもらうので、最終組が上がった直後に、成績表が作成されるのです。

また、各ゴルフ場ではコンペに対するサービスとして、参加者のスコアカードを提出すると、全員分のスコアを入力し、紙に印刷して成績表を作ってくれるコースがほとんどです。

こういったアプリやサービスを上手に活用して、幹事の作業をラクにしちゃいましょう。

運の要素を強く反映させたいならペリア方式

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いざ自分が幹事になってみると、どのハンディ算出方法が一番なのか迷ってしまいますよね。

実力が低くても優勝が狙いやすい、実力差があまり反映されない方法を取るならばペリア方式の採用がいいでしょう。

ハンデ上限を撤廃すればスコアが低くても十分に優勝や上位入賞が狙える可能性があります。

実力者に有利なハンディを付けるならダブルペリア(新ペリア)方式

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ゴルフの実力差を埋めるためのスコアとは言え、やはりある程度実力による部分も反映させたい、という場合にはこちらのダブルペリア(新ペリア)方式がおすすめです。

たしかにこのダブルペリアならば実力者も納得、実力が低い人でもある程度楽しめます。

中間ならば新・新ペリア方式

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実力も反映させつつ、運の要素も取り入れたいという場合には新・新ペリア方式がおすすめです。

ダブルペリアほど実力通りに並ぶこともなく、スコアがどれだけ悪くてもハンディのおかげで上位入賞、という確率も抑えた絶妙なバランスです。

世界的には一般的なキャロウェイ方式

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キャロウェイ方式は日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、世界的には比較的一般的なハンディキャップの算出方法です。

ただ査定表をあらかじめ用意しなければいけなかったり、ある程度狙ってスコアを操作できてしまうことから、日本で行われるコンペでは採用されるケースが少ないようです。

ダブルペリアで優勝するためのコツ

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さて、多くのコンペの成績を出すために使われる、このダブルペリアですが、誰もが憧れる優勝をするためには、それ相応の実力をつけることが確実な道です。

しかし、一朝一夕に実力は身につくことはないことも、ゴルファーならわかっていることかと思います。

けれど、初心者でも、優勝したい! 入賞したい! そんな時、ダブルペリアを攻略するコツなどはないのでしょうか?

ダブルペリアの場合、通常10ホール中8ホールが隠しホールに設定されるミドルホール(パー4)は、大叩きをしてもハンディキャップの恩恵が受けられる可能性が高くなります。

そのためミドルはどんどん攻めて、リスクを取った戦略で攻めるといいでしょう。

逆にショートホール(パー3)とロングホール(パー5)は、隠しホールに当たる可能性が50%。

叩いたホールが隠しホールならばいいのですが、もし隠しホールでなかったら、スコアにダイレクトに響いてしまいます。

ショートとロングは、きっちりとスコアをまとめるように守りのゴルフで攻略するようにしたいですね。

バンカーを避ける、無理に狙わないなど、戦略を持って臨むことが大切です。

ダブルペリア攻略のポイントは

・ミドルは攻める! 大叩きしても切り替えて次!
・ショートとロングはリスクを避けて守りのゴルフを!

この2点です。

上手くなるのに越したことはありませんが、ダブルペリアの特徴を戦略的に利用する! と考えればいいでしょう。

普段から練習で技術を磨くことに加え、ダブルペリアの仕組みを理解して、スコアメイクができるようになれば、優勝も近くなるはずですよ!