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ゴルフコース・練習場

Taddy Bear

覚えておけば安心!雨の日の救済ルール〜後編〜

ゴルフは『あるがまま』が原則。

とはいえ、突然の雨や水はけの悪いコースではプレーが成立しないこともあります。

そんな時のために設けられているのが救済ルール。前回に引き続き、雨の日に覚えておきたい救済ルールの説明をしましょう。

グリーン上での救済措置

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テンポラリー・ウォーターとは一時的にできた水たまりのこと。前回はジェネラルエリアとバンカー内について説明しました。

今回はグリーン上のテンポラリー・ウォーターから。

ジェネラルエリアに比べて、一般的にグリーンは水はけが良い設計になっています。

それでも、激しい雨が突然降ってくると、グリーンの傾斜に合わせて水の流れるところ、あるいはテンポラリー・ウォーターができてしまう場合があります。

水たまりや水の流れがライン上にあると、いくらラインを読んだところで入るわけがありません。

プロのトーナメントでもローラーをかけて水を掃いていますね。もちろんローラーをかけて水を排除するのはルール適合内。

しかし一般のゴルファーがプレーしている最中、ローラーをかけることはできません。

グリーン上ではテンポラリー・ウォーターにボールが入った時の他、カップまでのラインにテンポラリー・ウォーターがある場合も救済措置を受けることができます。

カラーにボールがある時はジェネラルエリアの処置法で!

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処置方法は基本的にジェネラルエリアと同じ。

テンポラリー・ウォーターに入っていた場合はニアレストポイント、ライン上にある場合はラインにかからず、かつホールに近くならない位置まで動かすことができます。

異なる点はドロップではなくプレース、つまりグリーン上に置くこと。

どうしてもテンポラリー・ウォーターにかかる場合はグリーンの外に出すこともできます。

判断に迷うのがカラーにボールがある状況。

ボールがカラーのテンポラリー・ウォーター内であればジェネラルエリアになるのでニアレストポイントへ動かせます。

しかしボールが通常のライの時、ライン上にテンポラリー・ウォーターがあっても動かすことはできません。

したがって、そのような状況ではパターで入れる、寄せるのは無理。

ウェッジを使い、テンポラリー・ウォーターを飛び越すようなショットの選択が求められます。

なお、テンポラリー・ウォーターとはあくまで一時的な水たまりのこと。

シューズで芝を踏んだ時、ジワッと水が滲み出てくるような状況は当てはまらないことを覚えておきましょう。

ボールが泥にめり込んでいたらピックアップ!

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とはいえ、水が滲み出てくるようなフェアウェイとかラフ、ありますよね。雨の日だけでなく、雨上がりとか翌日でも。

ドライバーで打ったボールは見事にめり込むし、そのまま打てば泥まみれ必至。

こんな状況のために設けられている救済ルールがプリファード・ライです。

カンタンに言うとボールを置き直してよい、という内容。

ぬかるみの上に転がったボール、またはめり込んでしまったボールは拾い上げ、6インチまたはワンクラブレングス以内にプレース、つまり置くことができます。

手順としては元のボールの位置をマーク、それからボールをピックアップ、6インチまたはワンクラブレングス以内に置いてください。

その際、ボールは泥を落としてきれいに拭いてもかまいませんが、ボールをクラブで動かすとペナルティになります。

プリファード・ライは本来、公式競技において適用またはプレースする範囲(6インチかワンクラブレングス以内)を競技委員が決めます。

プレーに支障のないコンディション、天候であれば適用されません。

いわばローカルルールですね。

6インチプレースは本当に必要な時だけ!

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プライベートでプレーする際、もちろん競技委員なんていません。

気心の知れた仲間ならともかく会社関係や1人予約など、同伴競技者と親密な仲ではない場合、あらかじめプリファード・ライについて決めておいたほうが賢明です。

また決めた後、自分がプリファード・ライを適用する際は同伴競技者に確認を取りましょう。

同じ組全員の共通認識があれば、余計なトラブルを避け、円滑なコミュニケーションを図ることができます。

ここからは余談。

コースによっては最初から6インチプレースを認め、推奨しているところがあります。

また親睦性の高いコンペでもこの傾向が見られますね。

前者はプレーの進行を早めるため、後者は参加者が楽しいゴルフをしてもらうための忖度(そんたく)。

では、6インチプレースはプレーの進行を早めるでしょうか?

確かに、初心者はこのローカルルールを使ったほうが打数は少なくなる可能性があります。

でもこれ、逆のケースもあるのです。

時折、このローカルルールを逆手に取り、初心者でもないのに毎ショット6インチプレースしている不届き者を見かけます。

この手間がスロープレーの原因になることだってあるのです。

冒頭でも記したようにゴルフは『あるがまま』が原則。初心者でも、この原則を守ることはできます。

打数が多くなっても、ボールまでの移動前にクラブを準備しておく、ボール位置まで早足で歩く、素振りは1回、などのマナーを心がけておけばスロープレーにならず同伴競技者に迷惑をかけることもありません。

ゴルフの本質を捻じ曲げた時、それはゴルフではなくなります。

6インチプレースを使うより『あるがまま』の状態で次のショットをどのように打つか、それを考えて実践したほうが確実に上手くなりますよ。