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ゴルフスイング

Nick Jagger

あきらめないで!ディボット跡とベアグラウンドからの打ち方

ゴルフコースでは普通、芝の上から打ちますよね。

ところが、滅多に出ないナイスショットがフェアウェイのど真ん中をとらえたのに、不運にもボールはディボット跡に……なんてことは、ゴルファーなら誰でも経験がありますよね。

あるいは、林の中に打ち込んでしまい、芝の生えていないベアグラウンド(裸地)からのショットを余儀なく打たなくてはならないこともあります。

こんな芝のないライからは、いったいどう打てばいいのでしょう?

他のプレーヤーのためにも、まず自分が目砂(目土)をする習慣を

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よく「あちゃー、ディボットに入っちゃたよ!」なんて言う人がいますが、正確には「ディボット跡」と言います。

ディボットとは削り取られた芝のことなのです。

ディボット跡にボールが止まってしまうのは確かにアンラッキーですが、これは先に回っているプレーヤーが目砂(目土)を怠ったことによって起こります。

つまり、人為的不運でもあります。

最近はセルフプレーが主流になりつつあるので、ディボット跡の目砂がおろそかになっているケースが多いようです。

昔は、キャディーさんが目砂をしてくれましたが、セルフプレーの場合、後続のプレーヤーのためにも、自分の取ったディボットの跡は目砂をする習慣を付けたいものです。

ところで、なんのために目砂をするかといいますと、コースのプレイヤビリティ(プレーのしやすさ)の保持はもちろんのこと、削り取られた芝の再生を促すというのが一番の目的です。

日本国内の大部分のコースで使われているコーライ芝の場合、まず地面の下に横に伸びる地下茎が再生し、そこから新たな芝の茎が縦に伸びていきます。

この時、削り取られた地面がむき出しになっていると、地下茎が乾燥して再生力が弱まるのです。

したがって、乾燥を防ぐという意味で、目砂はこんもりと少し山盛りになるほど入れるのが正しいのです。

また、そうすることで、ボールが転がってきても、砂の上には止まらないという効果もあるということを覚えておきましょう。

ハーフトップ気味にボールだけを打つ

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それでも、目砂をしたディボット跡の上にボールが止まってしまうことはあるでしょう。

この場合はフェアウェイバンカーから打つショットと同じ要領で、ハーフトップ気味にボールだけをクリーンに打っていくのがベストな策になります。

具体的な打ち方は、まずグリップを短く握ります。

少しフラットにバックスイングを上げていくイメージを持ちますと、クラブヘッドの軌道が緩やかになってダフりにくくなります。

ウェッジなどを使うことに自信が持てないケースでは、ユーティリティーやフェアウェイウッドなどを使って転がしていくという手もあります。

もちろん、グリーンまでの間にバンカーや池、クリーク、あるいは深いラフなどがないということが条件ですが、ユーティリティーやフェアウェイウッドのようなソールの厚いクラブヘッドならば、多少ダフっても問題なくソールが滑ってくれるので、びっくりするほど簡単にショットができるはずです。

ベアグラウンドからはロフトの少ないクラブを使う

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グリーンの近くまで林が迫っているという状況では、林の中の地面には芝は生えていません。

いわゆるベアグラウンドであることがほとんどと言っていいでしょう。

また、夏場で芝の生育状態があまりよくない場合は、グリーンの周囲のラフが枯れたようになってしまい、ベアグラウンドと同様のライになることも多いです。

ベアグラウンドからのショットの難しさというのは、ボールが直接地面に触れているため、ボールの下にクラブヘッドの入る隙間がないというところにあります。

そのため、少しでもクラブヘッドが手前に入ってしまうとダフったり、クラブヘッドが地面に跳ねてしまい、逆にトップになったりしやすいのです。

ボールがベアグラウンドに止まっていて、もしグリーンまでの間になにも障害物がなく転がせる状況であれば、ウェッジを使わず、7番アイアン以上のミドルアイアンやユーティリティーを使ったほうが圧倒的にやさしく打てます。

ウェッジというクラブはロフトが大きいため、インパクトの時に実際にボールが当たる(可能性のある)部分の面積が極端に小さいのです。

それならば、ロフトの立っているクラブのほうが、ボールを真横からヒットできるので、簡単にクラブフェースにボールが当たりやすいのです。

パターやドライバーのようなロフトの立ったクラブを想像すれば、この原理が理解できるでしょう。

ハンドファーストのまま、パッティングの要領で打つ

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ベアグラウンドからの打ち方は、パッティングストロークと同じようなイメージで打つといいでしょう。

グリップを短く持って、ボールを少し右足寄りにセットしておいて、ややハンドファーストの構えでアドレスします。

手首は使わずに、腕と肩、身体の回転を一体にしてスイングします。

グリーンまでの間になんらかの障害物があって、ボールを上げなくてはいけない状況では、止むを得ずウェッジを使う場合でも、打ち方のイメージは同じです。

リーディングエッジをボールと地面の隙間にきっちり入れようとすることはミスの元になります。

ハンドファーストの度合いを強くして、クラブフェースを開かずに構えて、パッティングの要領と同じように、やはり真横からクラブヘッドをぶつけるようなイメージで打ちます。

無理にボールを上げようとしなくても、ボールはクラブのロフトが上げてくれるのです。