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ロマン派ゴルフ作家の篠原

新・貧打爆裂レポート『TOUR B X ボール』『XS ボール』前編

今回の貧打爆裂レポートは、2020年2月21日に発売されるブリヂストンスポーツ『TOUR B X ボール』『XS ボール』前編です。

いつものようにコースに持ち込んで、ラウンドしました。究極のツアーボールはどんな進化をしているのか。秘密に迫ります! 動画も含めての試打レポートです。

究極のツアーボールという宿命を背負った新ボール!

『TOUR B X ボール』『XS ボール』は、ブリヂストンスポーツが2020年2月21日に発売するボールです。

『TOUR B XS ボール』はタイガー・ウッズの使用球として世界中で高評価を得ていますし、『TOUR B X ボール』は、多くのプロゴルファーの勝利に貢献してきました。

ツアーボールとして、他のボールの基準になる複数の要素があることでも有名です。

あらゆる意味で、『TOUR B X ボール』『XS ボール』は、究極のツアーボールといっても過言ではないボールです。

『TOUR B X ボール』『XS ボール』を使用球にしているアマチュアゴルファーもたくさんいます。

競技ゴルファーの使用率も、この2年でトップを競えるようになってきているだけではなく、一般のアマチュアが使っても、その機能を十分の堪能できるところも、究極のツアーボールと呼ぶ根拠になっています。

新しくなる『TOUR B X ボール』『XS ボール』に注目が集まるのも当然です。

【TOUR B X スペック】
構造 3ピース ウレタンカバー
コア 大径ハイドロコア
アウター リアクティブ・ウレタンカバー+スリップレスバイト・コーティング
カラー ホワイト、パールホワイト、イエロー
ディンプル シームレス330デュアルディンプル
価格 オープン

【TOUR B XS スペック】
構造 3ピース ウレタンカバー
コア 大径ハイドロコア
アウター リアクティブ・ウレタンカバー+スリップレスバイト・コーティング
カラー ホワイト、パールホワイト、イエロー
ディンプル シームレス330デュアルディンプル
価格 オープン

『TOUR B XS ボール』は、タイガーからの強い要請もあって、前のモデルチェンジで中身をほとんど変えずに表面のカバーの加工部分だけの進化に留まっていましたが、新しいボールは、中身も最新のものに進化させたそうです。

『TOUR B X ボール』は、前モデルの完成度が極限まで上がっていたために、バランスを崩さないように進化させるのが大変だったと聞きました。

ゴルフ規則で、ボールには飛び過ぎないようにいくつものの規制がかかっています。

ルール違反をせずに、より良いボールを開発するのは茨の道です。過去の歴史を振り返ると、モデルチェンジで機能を低下させてしまった例がいくつもあります。

『TOUR B X ボール』『XS ボール』は、表面的な部分で、明確にわかることが一つだけあります。

ディンプルです。

今までのボールは、二重ディンプルがハッキリと見えましたが、新しいボールは角がなめらかになって、目立たなくなりました。

ボール表面のぬめり感や、ホワイトの発色の良さなど、今までのボールの特徴は引き継いでいます。

今まで使用球にしていたゴルファーは、とりあえず、使い続けやすいことだけは間違いありません。

ボールの場合は、論より証拠です。

ラウンドしてみることにしました。

限界の先を体験できるTOUR B X & XS!

動画を見てください。

まずは『TOUR B XS ボール』を打ってみました。

『TOUR B X ボール』よりもソフトで、コントロール性能を最優先したボールが『TOUR B XS ボール』です。

『TOUR B XS ボール』は、前モデルは、飛距離性能が『TOUR B X ボール』より少し劣ることが最大のマイナスポイントだと考えて、自分の使用球候補のリストから外れました。

なので、最初に注目したのは、飛距離性能です。

ドライバーで打ったボールは、小気味良い高音の打音と芯感がある打ち応えを残して飛んでいきました。

ストレートで、すーっと伸びがあるきれいな弾道で、230ヤード飛びました。

続いて、スプーン(3W)で打ちましたが、ちょっと驚きました。ボールがフェースに乗るどころか、少しめり込んだような錯覚を感じたのです。

ボールを拾った感触は、通常は、微かな感じで、敏感なゴルファーだけが体験できるものですが、こんなにハッキリと感じたのは初めてでした。

ドライバーでは、ソフトさは感じますが、それ以上に芯感もあるのでわからないのです。

スプーンだけではなく、芝生の上から打つクラブだとアイアン、ウェッジでも、この独特な強い打ち応えは続くのです。

スプーンは215ヤード飛びました。

ドライバーも、スプーンも、冬の距離に落ちていることを考えると前モデルの『TOUR B X ボール』と同じぐらい飛びます。トップレベルの中のトップです。

アイアンも、次々に打ちました。

打音はアイアンになると、少し湿った金属音に変わります。これは、ボールがソフトである証拠でもあります。

そして、弾道がきれいです。十分な高さが出ますし、曲げようとしたショットは適度な敏感さで曲がります。

飛距離もトップレベルを維持しています。

前モデルの『TOUR B XS ボール』とは、別のボールです。

誤解を恐れずに書くと、『TOUR B X ボール』に近づいた感じがしました。欠点だと感じていた部分が、すべてなくなりました。

一番の特徴はボールが描く弾道が本当に美しいのです。打ち応えと弾道がぴったりで、惚れ惚れしました。

ショートゲームでも打音の高音は保たれますが、音量は少し控えめになります。この辺りは好みの範疇です。

ボールをコントロールすることを最優先しつつ、飛距離も出るツアーボールを使いたいゴルファーに『TOUR B XS ボール』はオススメです。

また、ショートゲームで、ソフトなのに、ちゃんと芯感がある感触のボールを使いたいゴルファーにも『TOUR B XS ボール』をオススメです。

続いて、もう一つのボールです。

『TOUR B X ボール』は、打音、打ち応え共に、前モデルを踏襲しています。打音と打ち応えだけの目隠しテストをしたら、判別はできないと思いました。

最初に進化を感じたのは、飛距離性能です。

もう限界まで伸びたと感じていた飛距離性能が、ほんの少しですが上がっています。アイアンで3から4ヤード。ウッドで6ヤードぐらいの飛距離アップがあります。

『TOUR B X ボール』でもう一つ感じたのは、ショートゲームでの特徴だった「低めの打ち出し」がなくなりました。極めて普通に飛ぶようになりました。

個人的には、前モデルの弾道が好きだったので、残念ですが、結果として、平均すればスピン性能が向上したように感じます。

飛距離性能にもこだわったツアーボールが欲しいというゴルファーには、『TOUR B X ボール』は完璧なので、オススメします。

実は、テストの序盤に『TOUR B XS ボール』を打って、弾道がきれいで、独特の打ち応えも良くて、飛距離性能もバッチリだったので、こちらを使用球にすることになるのかもしれないと考えました。

本当に好みのボールになりましたし、僕のヘッドスピードの40メートル/秒でもちゃんと機能するところも好感触でした。

しかし、後日、『TOUR B X ボール』をテストしたところ、前言を撤回しました。完成していると思っていたのに、限界の先を見せられた気がしました。

途中からラウンドテストするのが苦痛なほどだったのです。新しいボールが良いと、そのボールの発売まで、前モデルのボールがみすぼらしく感じて凹むからです。

良いものを知ることはゴルフにおいて大切なことです。

それは、自分が手にできることを前提です。ゴルフボールは、すべてのストロークで使う唯一の用具です。

『TOUR B X ボール』『XS ボール』が、2020年の2月から市場に出ることは幸せなことだと、テストをしながら思いました。