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ゴルフスイング

ミスター33

ランニングアプローチで寄せワン!番手選択や打ち方、構え方は?

ゴルフをしていて、いいスコアで上がるためには、ドライバーやフェアウェイウッド、アイアンなどのフルショットだけではなく、短い距離をピタッと寄せる、アプローチも重要です。

プロゴルファーのようにふわっと寄せてピンそばに乗せるアプローチも魅力的ですが、グリーン周りの花道や、ピンが奥にある場合には、「ランニングアプローチ」を積極的に使っていきましょう。

ボールを転がして攻めるランニングアプローチは、上手くいけばそのままカップにボールが入るチップインの可能性も高くなります!

ここではランニングアプローチについて、クラブの番手選択や打ち方や構え方、練習方法などをお伝えします。

ランニングアプローチとは?

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ランニングアプローチとは、ウェッジでふわっと上げてボールをグリーンに乗せるアプローチとは異なり、ボールを転がして、グリーンに乗せピンに寄せるアプローチのことです。

アプローチショットはウェッジで上げて打つもの、という考え方を持つアマチュアゴルファーは多いです。

テレビの中継などでプロゴルファーの試合を観ていると、そのように攻めているプロが多いです。

それは間違いではないのですが、ピンまでの距離をボールを高く上げて寄せるのは、アマチュアゴルファーにとってとても難易度が高いと言わざるを得ないのです。

失敗すると、トップしてグリーンの奥にボールが行ってしまうことや、ボールの手前をダフって1ヤードも進まないことも。

ランニングアプローチを使えば、初心者でも安心してアプローチを打てるようになります。

ランニングアプローチはいつ使う?

ランニングアプローチは、ボールを転がしてグリーンに乗せていくショットですので、ボールがある位置とグリーンの間に、バンカーや池などの障害物がある場合は使えません。

ランニングアプローチを使うべき状況とは、それらの障害物がなく、大きく転がしてグリーンに乗せていきたい時、と言えます。

グリーンに続く芝が短く刈ってある花道はもちろん、深さにもよりますが、ラフからでも使っていくことができます。

どこから打つにしても、グリーンが砲台でランニングアプローチを打っても傾斜に負けそうな時は、注意が必要です。少し強めに打つなど、距離感、力加減は、実戦や練習していく中で覚えていくといいでしょう。

ランニングアプローチでチップインを狙いたい! 選択する番手は?

ボールを転がして、グリーン周りからピンに寄せることがランニングアプローチの目的です。

必然的に、ボールを転がすことが容易なクラブを選択することになります。

普段はサンドウェッジやアプローチウェッジを使用していても、ケースによっては7番アイアンからピッチングウェッジまでのクラブを使用することも。

ロフトが寝ているサンドウェッジやアプローチウェッジで、ロフトを立てて転がす方法もありますが、クラブの入射角度で距離が変わり、スピンもかかりやすく、コントロールが難しいので最適ではありません。

もともとロフトが立っている番手を使うことで、ランニングアプローチがしやすくなります。

番手が大きくなるにつれて、キャリーに対してランが出る距離が変わってきますので、持つ番手によって、振り幅に気を付けましょう。

ランニングアプローチの打ち方の基本は?

ランニングアプローチの打ち方は、通常のアプローチとは違うのでしょうか?

同じように両肩からグリップまでの三角形を意識して打つ、という打ち方もありますが、さらに簡単な打ち方は、「パターと同じように打つ」という打ち方です。

ただ、ランニングアプローチに関しては、打ち方は2割程度の重要さと言われています。

それよりも大事なことは、構え方と言われています。

正しい構え方ができていれば、あとはパッティングと同じイメージで打つことで、ボールはしっかりとピンに向かっていってくれるはずです。

それでは、大事な構え方のコツを以下で見ていきましょう。

1.アドレスでのボールの位置

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転がすアプローチでは、右足寄りにボールを置くことが一般的のようですが、実はそれを極端に意識することは避けるべきです。

まず、スタンスは肩幅以内に狭く保ち、ボールの位置は、足の中央くらいに置きます。

なぜ一般的に言われる右足寄りではいけないのかは、スタンス中央よりも右側にボールを置くと、クラブのロフトが立ち、狙った以上の距離が出てしまう危険性があるからです。

ランニングアプローチで選択するクラブはもともとロフトの立っているものを選びますので、わざわざ右足寄りに置く必要はありません。

さらに、クラブフェースを被せる度合いや微妙なグリーン周りのボールの位置の違いで、方向性が定まらず、不安定になる恐れもあります。

ただし、場面によって少し強いボールを打ちたい時などは、それに応じてボール1個分程度右足寄りにボールを置くことも選択肢の1つです。

2.体重をかける比率は左:右=6:4

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通常のショットでは5:5であるはずの体重をかける配分ですが、ランニングアプローチでは、左に6割〜8割ほど、重きを置きます。

通常は6割程度と覚えておき、より低くボールを打ち出したい場合など、8割に近く重心をかけると思っておくといいでしょう。

このように左に体重をかけることで、わずかに体がターゲットに向くことになります。

そうすることで、自然と、クラブヘッドが最下点に達する前にボールをインパクトする、ダウンブローのボールを打つことが可能となります。

ダウンブローは上から入りますので、ライの状態が悪い時でも、ボールをしっかりとヒットし、距離を出すことができます。

3.グリップは短く持つ

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どの番手を選択するにしても、基本的には、通常のショットでするグリップよりも、グリップは短く持ってアドレスを取りましょう。

大体、グリップの真ん中あたりを目安とすると覚えやすいです。

グリップを短く持つことで、スイングをした時のヘッドのブレが少なくなり、フェースコントロールがしやすくなります。

そうすることで、ボールがフェースに乗る感覚を得ることもでき、加えて、安定性のあるいいショットの再現率が高くなります。

ランニングアプローチに慣れてきたら、少しずつ、グリップの持つ位置を変化させるのもいいでしょう。

同じ振り幅でアプローチショットをしたとしても、その位置により、出球の距離が変わってきます。

グリップの先端部分、真ん中部分、通常のショットのあたりと、握る場所と出球の変化を見て、どのクラブを使うか研究してみましょう。

4.ハンドファーストに構える

グリップを短く持ったら、ハンドファーストにしてアドレスしましょう。

ハンドファーストとは、プレーヤーから見て、グリップした手の位置が、ボールよりも左足寄りにあることを言います。

こうすることで、ロフトが立ち、クラブがダフらずにボールにヒットできるようになります。

しかしここでも、過度なハンドファーストには注意が必要です。

そのままスイングすると、クラブのリーディングエッジが先に地面に触れるため、“ザックリ”のミスが出やすくなります。

ハンドファーストにすることは大事ですが、その度合いはどれくらいがいいのか、打つ前に素振りなどで念入りにクラブの通る位置を確認してからアドレスを取るようにしましょう。

5.テークバックでは手首の角度と重心位置を変えない

グリップを短く持つ項でもお伝えしましたが、スイングした時にブレが起こってしまうと、構えた位置にヘッドが戻ってこず、ミスショットしやすくなります。

それを防ぐためにも、通常のショットでは手首をコックし、体重移動を心掛けている人でも、ランニングアプローチに関しては、一度その意識を正す必要があります。

ランニングアプローチにおいて、アドレスを取ってからテークバックをした時に、手首の角度を変えず、さらに、左足に寄せた重心の位置もそのまま変えずにスイングしましょう。

こうすると、手打ちのイメージを抱く人もいるのですが、腕の力でクラブを上げることはせず、身体の回転で打つつもりで、ゆっくりとアプローチをしてみましょう。

距離感を出すにはキャリーとランをイメージしてから始動する

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「グリップのこの位置を握り、この振り幅でスイングすると、何ヤードキャリーが出る。そのあと、ランは何ヤード出る」

アプローチをする際に、皆さんの中に、このような基準はありますか?

通常のウェッジでアプローチを行う場合も、他の番手を使ってランニングアプローチを行う場合も、自分の中に基準を作っておくことは、とても重要です。

この基準ができたら、打つ前に、今から打つボールはどこに落ち、どれだけ転がってピンに近づいていくのか、しっかりと頭の中でイメージをします。

不思議なことに、打ちたい距離の基準となるストロークを適切に行い、イメージをしながら打つことで、身体はそのように動いてくれます。

特にボールを浮かせないランニングアプローチでは、イメージを作りやすいため、忘れずに行うようにしてみてください。

ランニングアプローチの練習方法は?

ランニングアプローチは、ピンに向かっての構えと力加減さえしっかりとできていれば、あとはパッティングをするのと同じように打つことで、スルスルと寄っていきます。

基本的には手打ちにならないように、身体で打つイメージで打っていきましょう。

そのためには、脇が開かないようにすることが大切。

どうしても脇が開いてしまう人は、クラブを一本両脇に挟み、それが落ちないようにスイングする練習をしてみてください。

身体と腕の同調が感じられ、また、腕を使ってインサイドやアウトサイドに引くことができませんので、真っすぐ引いて、真っすぐ下ろした感覚が身に付く練習方法です。

ウェッジでボールを浮かすピッチエンドランアプローチ

転がすアプローチを選べない場合や、グリーン周りからグリーンまで比較的距離がある場合には、ウェッジという選択肢が出てきます。

アプローチウェッジやサンドウェッジで出るボールの各特徴を把握し、振り幅を変えながら打って寄せるのがいいでしょう。

転がしても、高く上げても、結果が同じならチップインを狙える簡単な方法がベストです。

転がして寄せるのも重要な戦略なので、積極的に転がしをしていくことが、スコアアップには最適と言えます。

ピタっとくれば、チップインも夢ではありません。