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ロマン派ゴルフ作家の篠原

新・貧打爆裂レポート『テーラーメイド M6 ドライバー』

今回の貧打爆裂レポートは、2019年2月15日発売の『テーラーメイド M6』ドライバーです。

『M6』ドライバーをコースに持ち込んで打ち込んできました。

偶数の数字がついたMシリーズのドライバーは新しい提案に溢れていましたが、『M6』はどうなのか? 動画も含めてレポートします。

M6は超低重心で未来の扉を開く

『テーラーメイド M6』ドライバーの最大の注目ポイントは超低重心です。

低重心のドライバーなんて、耳にタコができた、という声も聞こえてきますが、新しい素材を使用し、構造を変更した上で余剰になった約45グラムをすべて後方下部に移動させたというのは、ヘッド重量が約200グラムであることを考えると、かなり強烈です。

また、テーラーメイドの『M』シリーズで、単純に今までと同じような低重心にこだわるはずがない、という期待もさせるのです。

『M6』は『M5』と同じように、『M3』と『M4』で採用された“ツイストフェース”をさらに進化させて、より曲がりを抑えるようにしています。

また、新機能の“スピードインジェクション”でルール違反の反発係数ヘッドをフェースの裏の二つのポートからレジン樹脂を注入することで適合にする逆転の発想で、史上最高の飛距離性能を引き出したということです。

強力な低重心化をしているのに、構えたときに見えるフォルムの良さは健在です。

まったく、低重心化したやさしいヘッドという感じがしません。これが良いのです。

フェース寄りの金属部分は少し細くなりました。『M6』はシャープで構えやすいドライバーにでき上がっています。

実際に打ってみると、最初に感じたのは強い初速感です。

そして、見たことがない弾道に目を奪われました。

やや高弾道のストレートボールは、最頂点に上がる直前にぐんぐんと前に行くような動きをしたのです。自分で打った弾道なのに、初めて見ました。

飛距離は、やや下ったフェアウェイに落ちたこともあって、トータルで245ヤードでした。

最高レベルの飛距離性能です。

結果を受け入れて一歩先に行きたいと思わせる『M6』

動画を見てください。

『M6』ドライバーは、締まった音質の打音です。ボリュームも大き過ぎず、小さ過ぎず、良い感じです。

初速感を強く感じますが、打ち出しは思いの外高めです。

ドローは打ちやすいです。

出球がイメージ通りに打ち出せるので、気持ち良く狙い通りにドローが打てます。

フェードは少しボールが弱くなる感じがしますが、打つことも可能です。

とらえる動きを少しするので、これを上手く利用すれば、安定したフェードをナチュラルに打てると予感させます。

試打したのはロフト10.5度、純正シャフトのSフレックスでしたが、弾道に関して許容範囲が広いと感じるドライバーでした。

構えた感じでいうと、小顔感がある『M5』のほうが好みなのですけど、結果だけを見ると『M6』が素晴らしかったです。

フェアウェイは一度も外しませんでした。ただし、ぶっ飛ぶ一発の飛距離性能と普通のトップレベルの飛距離性能に少し開きがありました。

これは慣れなので、飛ぶ弾道を常に再現できるようになれば良いだけのことです。悩ましいなぁ、と思いながらラウンドしました。

『M6』ドライバーは、一言でいえば、やさしく飛ばせるドライバーです。

ヘッドスピード40メートル/秒の僕でも余裕で使えますし、ヘッドスピードが速いプロにも受ける要素を感じさせるドライバーです。

低重心化と新しいフェースが生み出した、見たことがない世界をゴルファーに見せてくれるドライバーです。

個人的には、未知な部分が多くて、少し怖いと感じたドライバーでした。

受け入れて『M6』に慣れたら、結果が出る予想もできますが、それ以外のドライバーを使えなくなってしまうという怖さがあります。

過去に名器と認められたドライバーの中には、こういう微かな恐怖を感じるものがありました。

それが系譜のスタートにもなったりしたのも事実です。

まずは、体験してみることをオススメします。やさしいですが、合う合わないかはすぐにわかるドライバーです。