プロゴルファー
こせきよういち
ガルシアが「重大な非行」で競技失格~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#109
先週も欧米のツアーではいろいろと気になる出来事がありました。
そのなかで最も気になっているのが、ラウンド中に癇癪(かんしゃく)を起こし、競技失格になったセルヒオ・ガルシアです。
ご存じのように、ガルシアはもともと短気なプレーヤーですが、先週の欧州ツアー競技「サウジ・インターナショナル」では、3日目に腹立ちまぎれに複数のグリーンの芝を傷つけてしまいました。
そのことが、新ルールに設けられた規則1.2a「すべてのプレーヤーに期待される行動」の“重大な非行”に当たると裁定されての処分です。
同規則では、「すべてのプレーヤーは次の行動をとることによってゲームの精神の下でプレーすることが期待される」として、ゴルファーの基本的な行動指針が示され、プレーヤーがそれに著しく反した場合は、「委員会はゲームの精神に反する行動をしたことに対してそのプレーヤーを失格とすることができる」と規定されています。
フラストレーションが溜まって大爆発
では、実際にどのような「非行」があったのでしょう?
ところが、ツアーを代表する人気・注目選手にもかかわらず、そのときの映像はアップされていません。
また、その様子を知るはずの選手たちの証言も聞こえていません。
報道によれば、グリーン上の5ヶ所にシューズを引きずった深い傷跡が残っていたということです。
しかし、下掲の画像はそのひとつとのことですが、この傷跡からすると、シューズを引きずったというよりも、蹴り込んだのかも。
これでは「競技失格」も当然でしょう。
本人はフラストレーションが溜まったためと語り、謝罪していますが、詳しい状況は明かされていません。
ただ、その前日にはバンカー内で思いっきり怒りを爆発させるシーンが撮られていました(上掲の動画)。
バンカーの砂がきれいに整地されておらず、それが原因でショットをミスしたことに怒り心頭だったようです。
そうした不満がいくつも溜まったのでしょうか。
Just been out to sixth green @RoyalGreens_KSA and this was the only sign of damage on an otherwise pristine green. This probably did look quite nasty immediately after Sergio Garcia apparently left this divot mark yesterday @ScotsmanSport @edinburghsport pic.twitter.com/1aYFHCwIWx
— Martin Dempster (@DempsterMartin) 2019年2月3日
過去にもバンカーで大暴れ
ガルシアはもともとショートゲームの上手なプレーヤーで、バンカーショットも苦手ではないはずですが、実は過去にもバンカーショットの失敗に大暴れするシーンが見られました。
ひとつは、2013年の同じく欧州ツアー競技「オメガ・ドバイ・デザートクラシック」3日目のこと。
2日目を終えてトップと3打差の8位タイ。優勝争いに加わっていたのですが、この日はスコアメイクに苦しみ、トップとの差は11打にまで開く展開に。
そのイライラがこうして爆発してしまいました(動画クリップ集の冒頭)。
長期休養の可能性も
もうひとつは、2010年のメジャー競技「全米プロ選手権」の初日です。
この年のガルシアはスランプに苦しんでいました。
この大会もいきなり78打の大たたき。まったく精彩を欠いて、予選落ちとなりました。
その中で見せた、バンカー相手の大暴れがこのシーンです。
結局、ガルシアはこの試合後、10週間もの長期休養を取ることに。
そして、いつもプレーすることを楽しみにしていたライダーカップも欠場。
実は、今回の騒ぎ後にも「長期休養を取るのでは?」。いや、「取るべきだ」との声が聞こえているのです。
さて、ガルシアの次のトーナメントは?
そして、そこでどんな発言をするのでしょう。ちょっと気になるところです。