ゴルフウェア
GEW女子部
レディスシューズを売る!シューズ選びの方法を徹底検証②
レディスシューズを売る!シューズ選びの方法を徹底検証②
後編では、ゴルフシューズの具体的な選び方に迫ります!
両足で試し履きすること
シューズ選びはどのように行うべきなのか。店頭でシューズ選びをする際には、必ず“試履き”をするのが常識。この点については、ショップ側も徹底している。
「女性の場合、見た目を重視する傾向はありますが、メーカーによってラストが異なるので、必ず履いてもらうようにしています」
(有賀園ゴルフ小田急ハルク店 山崎啓介店長)
「まずは足のサイズを測定した上で、試履きしていただくようにしています」(ヴィクトリアゴルフ 五反田店 石川尚氏)
いずれのショップでも、95%以上が試履きをし、その後も高い確率で購入に至っているというから驚きだ。
一方、ヴィクトリアゴルフで実施しているサイズ計測は、左右の足のサイズが異なるため、それを知ってもらう目的もあるという。大きい足での試履きが鉄則で片足だけ履いて判断してしまうのは、危険を伴うと白木プロが指摘する。
「ゴルフの素振りでチェックしてみる、歩いてみる、しゃがむ、大股で歩いてみるなどして、足が痛くないかをチェックしてみてください。少しでも痛みを感じたら購入は控えるべきです。
合わない靴を我慢して履いていると、身体の重心や骨盤、背骨や頭の位置をずらし、正しい姿勢で歩行ができずに腰痛、膝痛、頭痛、肩こり、足底筋膜の炎症を引き起こす可能性があります」
ゴルフシューズも侮れない。
試し履きの注意点
では、試履きする際に、気をつけるポイントはどこにあるのだろうか。白木プロが注意点を挙げてくれた。
「踵のカーブが靴のカーブとマッチしているか、土踏まずラインの横幅があっているか、きつくはないか、足の甲が痛くないかなど、気をつける点はたくさんあります。
ラウンド中は歩くうちに足がむくんできますので、足の爪先が靴の先端にあたっていないかも確認したほうがいいと思います。
サイズは0・5~1㎝程度大きいものがオススメ。また、転倒防止の観点から言うと、つま先の指が自由に動くものがいいですね」
実はマラソンランナーの場合、普段履いている靴よりも2㎝ほど大きいシューズを履いてスタートする。これは時間が経つにつれ、足が膨張していくことを見越した判断だそう。
マラソンまではいかなくとも、1ラウンドで10㎞ほど歩行するゴルフでは、やや大きめのサイズ選択をすることが鍵となりそうだ。
ただし、その際にも横幅はぴったりのものがオススメとのこと。
「一番大事なのは、踵から着地して歩くことができるかという点です。
踵には踵センサーと呼ばれるものが付いていて、これは踵をつく回数で “衝撃が大きいので、もっとカルシウムを出して骨を作るように”と、脳へ司令を出しています。
これにより正しい姿勢で踵から着地した人は骨が太くしっかりした骨密度を作ります」
女性特有の悩み
ここでシューズ選びの際、女性特有の悩みについて、店頭で相談されるケースから聞いてみよう。
「男性の場合、幅広、甲高などのワードが出てきますが、女性の場合、圧倒的に多いのが外反母趾です。
なるべく横幅に併せて選んでいただきます」(有賀園ゴルフ 山崎店長)
「意外と多いのが外反母趾で、幅広や先端が平らなものを選んでいただくことが多いのですが、インソールを薦める場合もあります」(ヴィクトリアゴルフ 石川氏)
石川氏が言う通り、インソールによる調整については、白木プロも同意している。
「外反母趾で痛くて履けないからとワイドな靴を履くと、悪化させる可能性もあるので、インソールを入れることをお勧めします」
また、レディス市場においてはスパイクレス需要も高まっているようだ。
「女性の約半数がスパイクレスを選択しています。男性が3割程度なのを鑑みると、見逃せません」(有賀園ゴルフ 山崎店長)
実際に、スパイクレスを推奨するメーカーも少なくない。
「主力の『ゼロスパイクバイター』はスパイクレスでカート道やプレー以外の歩行も安心です。女子プロも履いてますし、可愛く履きこなしてもらえると思います」(ブリヂストンスポーツ 李さん)
今後は、スパイクレスシューズの需要も高まってきそうだ。
最後に
最後に、熟練スタッフに聞いた、女性に刺さる魔法の言葉を紹介しよう。
「ほかのお客様の声を伝えるのがポイントです。
〝リピーターが多い?、〝色違いで買っていく人が多い?と言うと、性能が良いことをイメージしやすいでしょうし、〝売れている?という言葉は効果的です」
(有賀園ゴルフ 山崎店長)
「まずはラウンドで疲れるイメージをしてもらいます。
ですから“10㎞歩いても、翌朝の足が違いますよ”とか、“たくさん歩いていても、疲れにくいです”など説明しています」(ヴィクトリアゴルフ 石川氏)
男性以上に足の悩みを抱えている女性には、選ぶ際にも労力を要する。
しかしそれを逆手に取り、ニーズにマッチしたセールストークを用意しておけば、まだまだ市場発展の可能性がありそうだ。