ゴルフスイング
レッスンプロ・クラフトマン 河野
1ホールで2回林に入れるスイングを克服した、記憶に残る生徒様の話(その1)
私が見て来たスイングの中でも3本指に入る個性的スイングをしていた方のお話です。
小さな明かり。
その方(仮にm様としましょう)が初めて来店したのは夜7時頃でした。
会社帰りに少し遠回りをして3回ほど当店を見に来たそうですが、見つからなかったそうです。
今日見つからなかったら「やはりゴルフに縁がなかったと思いゴルフを辞めようと思っていた」のだそうです。
それが、今夜4回目にして小さな店の明かりが見えたので来店しました、とおっしゃいました。
私は、その経緯を聞き、申し訳ありませんと謝りました。そこで、早速どんなご用件ですかとお聞きしたところ……。
m様「ボールが左に引っ掛かります」
私「7番アイアンをお見せください。ボールマークがフェースの先の方にありますね」
m様「そうなんです、それでライ角をもう少しアップライトにしてほしいのです」
私、この時点で原因が2つ見当が付いています。
私「試打室で打ってみていただけますか?」
m様「はい」
ひとホールで2回林に入れてしまう。
3発ほど打ってもらいビデオに撮り、原因の説明をしました(スイングを見た時点で診断できています)。
私「原因はクラブではありませんね。極端なアウトサイドインでフェースがシャットになって降りて来ています。これでは左にしか行きませんよ」
(驚く程のループスイングで、私が見た中でも一番激しいループでした)
m様「そうなんです、ティーショットを打つと必ず左の林で、そこから出すだけになります。そこからまたミドルアイアンで打つと、また左の林に入れてしまいますのでダボ以上になってしまいます」
私「1ホールで2回林に入れたらスコアにはなりませんね。原因はクラブのライ角ではありません。スイングを治した方が良いですよ」
m様「治りますか?」
私「週1回のレッスンで2か月通っていただければ治りますよ」
m様「そんなに早く治りますか」
私「大丈夫です」
m様はいわゆるスイングオタクで、本を良く読んでいて、私がスイング説明をすると……。
m様「それは、誰それが言っていますね」
と即答してくるのです。
しかし、知ってはいても正しく理解している訳ではないので、上手く運用する事ができないのです。
そのようなお客様は大勢います。あちらの良いところ、こちらの良いところの寄せ集めをしても決して良いスイングにはなりません。
左への引っ掛けがなくなりました。
レッスン内容は、左への引っ掛けがなぜ起こるのかの理論説明と、治し方のドリルを行います。
そして、良いスイング(コンパクトでリピータブルなスイング)を作るための方法や、ゴルフクラブをどの様に使えば有効に使う事ができるのか等をレクチャーしながら、m様のスイングをビデオに撮り、ご自分の思っている形との調整をしながら改善していきました。
最初のお約束通り2か月で左への引っ掛けがなくなりました(許容範囲のループに改善しました)。
その後もレッスンを続け、3年ほど見させていただき、一般ゴルファーとしては上級者に近いところまでスイング理論の理解が進み、コンパクトでリピータブルなスイングになりました。
(次回に続く)
レッスンプロ・クラフトマンの河野でした。