ゴルフスイング
飛太郎
ゴルフスイングの微妙なロジックたち【クラブの落下を待つ】編
こんにちは! 飛太郎です。
今回は「クラブの落下を待つ」編です。
以前記載させていただいた「右サイドに落とせ」というロジックと関連して、よく耳にする言葉です。
基本的にこのシリーズでは、よく聞くレッスン用語を題材に挙げさせていただいていますが、その中でもこの「落下を待つ」という言葉は特に難しいと感じています。
スイング中に「待つ」……動きの中で「待つ」?
この言葉、解釈が難しいからこそ、体感できた暁(あかつき)にはそれまでのご自身のスイングが、サナギから蝶へ一気に羽化する感触を得られると思っています!
それではその言葉の意味と、体得するために僕が実践したコツなどをお話ししていきます♪
待てど暮らせど……
「クラブの落下を待て」と言われても、ホントに待ってちゃいけません(笑)。
何度もお話しさせていただいてる通り、ゴルフスイングは一瞬の動き。
その動きの中で、「私、待つわ♪」とばかりに待機していると、さながら写真のように、スイングという列車に置いけぼりを食っちゃいます。
言葉って難しいですよねぇ……。
誰かに、何かを伝えるのって、本当に難しいと思いませんか。
こうして文章を掲載させていただいていると、それは毎日肌で感じるワケですが……。
おっと横道に逸れてしまったので話を戻しますが、「クラブの落下を待つ」というのはあくまでもイメージ。
そういうイメージを持つことで、身体が切り返しから左サイドへ突っ込み、引っ張り打つ動きを抑える「間」を体感できるのだと僕は解釈しています。
ではでは、その「間」が体感できたら万事OKか? と言えばそうではないですよね。
次の瞬間、右サイドに挙上した腕やクラブを、「落下に導いてあげる」必要があります。
落下に導くために必要な動きとは?
挙上した腕やクラブを、右サイドに落下させるように誘導する動き。
それこそが、皆さんご存知の通り「腰を切る」と呼ばれる腰や股関節の動きです。
重力をアテにして、クラブの落下を待つのでもない。
だからといって、腕の力で無理に垂直落下させるのでもない。
あなたが右サイドに振り上げたのは、何もクラブだけではありません。
あなたの「力」そのものです。
その右サイドに溜まった力を、今度は左の力を借りて解放してあげるんです。
左足の踏み込みによって、左股関節の外旋が始まり、連動して左腰部が回転し始めます。
この時にこそ、先の段落でお話しした「間」が、止まった時間を動かし始めるようにその隙間を埋めていきます。
それが身体で感じられたなら、腕とクラブの落下誘導、成功の印です!
どうしてもわかりにくい方へ、ご参考までに……
松山英樹選手。
これまでお話しした「右サイドへの落下」の一部始終が、感じにくい、わかりにくいという方は、ぜひ一度彼のスイングをご覧になってみることをオススメします。
これは僕自身、今も昔も不調が起きた時には必ず実践するようにしており、そして必ずリカバリーできています。
彼がトップ・オブ・スイングの瞬間、何をしているか。
スイングを一瞬、止めますね。
実は人間の身体というものは、骨や筋肉を一連の動作に任せて動かしてしまうほうが楽なんです。
彼のように、動きの中に「ストップ&ゴー」を組み込むことのほうがあらゆる意味でキツいんです。
それでも彼はそのキツい「ストップ&ゴー」を徹底します。
すべては、精度と飛距離とを高い次元で両立させるために。
彼の強さの一端が、そこにこそあると僕は考えています。
これは何も、彼だけの専売特許ではありません。
一般のゴルファーであっても、「右サイドへの落下」を始めとするスイングの物理の力、いわば「理力」を体得するためには、非常に有効な手法だと僕は思います。
ぜひ、身体に無理のない程度で実践してみてはいかがでしょうか?
それではまた、飛太郎でした。