ゴルフスイング
ミスター33
フライヤーとは?ゴルフでフライヤーが起きる原因と対処法は?
ラフからショットをした時に、普段は出ないような飛距離が出てしまった経験はありませんか。
想像よりも飛び過ぎてしまって、コース攻略の計算が狂ってしまった経験があるゴルファーも少なくないでしょう。これは「フライヤー」と呼ばれる現象かもしれません。
フライヤーとは一体どんな現象なのでしょうか。またフライヤーの意味と原因、対処方法などを紹介したいと思います。
目次
フライヤーとはどういう現象なのか?
ゴルフ中継やラウンド中に、フライヤーという言葉をよく耳にします。
フライヤーとは、ボールを打った時に狙った飛距離以上にボールが飛び過ぎてしまう現象を言います。
ラフなどからショットをする時のインパクトの瞬間に、フライヤーが発生する原因が隠れています。
ボールを打つ瞬間、フェースとボールの間に芝などが挟まってインパクトをしてしまいます。
するとボールに十分なバックスピンがかからず、飛距離が伸びてしまうのです。
これがフライヤーです。
フライヤーって誰にでも起こる現象なの?
フライヤーとはどういうシチュエーションでのショットで多くなるのか見てみましょう。
ラフからのアイアンショットで、しっかりと芯を食った「ナイスショット」の際よく発生します。
フライヤーはショットしたボールのバックスピンの量が少ないのが特徴で、ボールが上に上る力が弱く、前に飛んでいこうとします。さらにバックスピンが少なくなるため、ランが多く出てしまいます。
狙った飛距離よりもキャリーが飛び過ぎ、さらにボールが落ちてからも転がり過ぎてしまうのです。するとグリーンを狙ったショットが大きくオーバーしてしまう可能性もあるわけです。
アマチュアゴルファーの中には、フライヤーが起こるのはプロや上級者だけの話だと思っている人もたくさんいます。しかしフライヤーとは、アマチュアゴルファーの誰にでも起こる可能性がある現象なんです。
ただしフライヤーが発生するためには1つ条件があります。それはある程度のヘッドスピードが必要になる点です。ドライバーでヘッドスピードが30メートル/秒(m/s)程度の人ではフライヤーは起こりません。
フライヤーが起こる目安は、ドライバーのヘッドスピードが40~42m/s前後の人の場合は、ショートアイアンでフライヤーが出る可能性があります。ただし、フライヤーによる飛距離増はそれほどではありません。
ヘッドスピードが45m/s以上の速いスイングの持ち主の場合は、ミドルアイアンでもフライヤーします。またフライヤーをした時の飛距離も1番手以上伸びる可能性があります。
フライヤーのせいで大きくグリーンオーバーし、アプローチが難しいエリアにまで飛んでいって大叩きをしてしまうこともあるので注意しましょう。
フライヤーはボールに何が起きている?
フライヤーは飛距離が飛び過ぎてしまうことで起こるのですが、そのメカニズムを見てみましょう。
まず、通常ショットされたゴルフボールにはバックスピンがかかっています。バックスピンが多ければ多いほどボールが上に浮き上がろうとする「揚力」という力が働きます。
ウェッジでは上に高くボールが上がっていくのに対して、ドライバーは前に力強い打球が飛んでいくのを想像するとイメージがしやすいと思います。
仮にドライバーとウェッジで同じ角度でボールが打ち出されたとしても、ウェッジは揚力でぐんぐん上に舞い上がるのに対して、ドライバーでは前に前に進んでいきます。
フライヤーが発生する時、フェースとボールの間に芝などが入り込みます。するとフェースにあるミーリングという溝にしっかりボールが食いついてくれません。
そのためフライヤーが起きている場合と起きていない場合を比較すると、ボールが前に飛ぼうとする力は同じで、バックスピン量が少なくなります。
これがフライヤーが起きると飛距離が飛び過ぎてしまう理由なのです。
フライヤーは雨でも発生する?
フライヤーはボールのスピン量が少なくなり、飛び過ぎてしまう現象です。なので、雨などでクラブやボールが濡れている状況でも発生します。
フェースの溝に水分が入り込んだり、フェースやボールの表面に水が膜を張って、フェースとボールがしっかり食いつけない状態になってしまっているからです。
スピンが減ればそれだけボールが前に飛んでしまう、フライヤーが起こりやすくなってしまうわけです。
フライヤーが起きるとなんでスコアが崩れる?
飛距離が出てしまうことでなんとなくスコアは崩しにくいような気がしますが、実は飛び過ぎによるデメリットは意外と深刻なんです。
その影響を最も大きく受けるのが、グリーンを狙うショットです。ラフからグリーンを狙って飛び過ぎてしまった場合、グリーンの奥にボールをこぼしてしまう可能性が高くなります。
するとグリーンは下り傾斜の難しいアプローチが残り、さらにライは左足下がりの非常に難しい場所から打たなければならなくなります。
飛び過ぎてしまうことで、アプローチの難易度が大きく跳ね上がってしまうんです。
フライヤーでスコアを崩さないためには?
フライヤーでスコアが崩れるのを防ぐ対策を見てみましょう。まずラフからのショットでは、フライヤーをコントロールすることは非常に難しいことを理解しておきましょう。
そのためフライヤーをしても次の難しいショットを残さないために、ラフからのショットでは番手を1つ下げて打つことをおすすめします。手前のエッジ狙い、もしくは多少短くてもOKという気持ちでグリーンを狙っていきます。
またヘッドスピードが速ければ速いほどフライヤーが起こりやすいため、番手を大きくしてハーフショットでグリーンを狙うのも1つの方法です。
フライヤーが発生する原因がわかっていれば、フライヤーが発生しやすいラフからのショットでもいろいろなショットの選択肢が生まれます。
いくつもある選択肢の中から、いかにリスクを抑えてプレーするのかを考えられるようにすることが、ゴルフのスコアを崩さないためには大切です。
夏のゴルフではフライヤーが多くなる!
フライヤーは夏のゴルフで多く見られるようになります。理由はラフが元気になる季節だからです。
ラフが元気に伸びればそれだけフェースとボールの間に芝が入り込みやすくなります。普通に打っているつもりでも「飛び過ぎてしまった……」というシチュエーションが増えてしまうんですね。
夏に元気に伸びる芝の対策はどうしようもありません。そのためフライヤーが出やすい状況や、フライヤーが出る理由を理解しておくと、コースマネジメントもしやすくなります。
飛距離が出るフライヤーを味方につけよう!
フェースとボールの間に芝などが入り込んで、狙った飛距離よりも飛び過ぎてしまうフライヤーは、上手く使えばゴルファーの味方になってくれるケースもあります。
狙った飛距離は飛ばしにくくなってしまいますが、飛距離を稼ぎたい時には味方になってくれるかもしれません。
例えばラフが深くて本当ならばウッドやユーティリティで打ちたいところで、アイアンでしか打てない状況ならどうでしょうか。
ラフから出すためにショートアイアンやミドルアイアンを選択しても、フライヤーを上手く利用して少しでも飛距離が稼げれば次のショットが比較的楽になります。
しかしフライヤーを狙って打つためには、大前提としてフェースの芯でしっかりととらえることが必要です。
なかなか計算をすることが難しいフライヤーは、プロでもコントロールするのは難しいとされています。フライヤーをしても大丈夫なように攻略を組み立てられるようになれば、あなたも上級者の仲間入りです!