ゴルフスイング
Nick Jagger
林の中からのショット。覚えておきたい2つのテクニック
アベレージクラスのゴルファーが林間コースでプレーすれば、1ラウンドで1~2回は林に打ち込んでしまうこともあるでしょう。
そこでやったこともないミラクルショットでグリーンを狙って、ボールはキンコンカンとさらに林の奥へ。
そんなホールはトリプルボギー以上の大叩きですよね。
林の中から大ケガをせずに、スコアを最小限に抑えられるショットを覚えておきたいものです。
学んでおくべき2つのショット
林の中にボールを打ち込んでしまったら、なんらかの制限を受ける可能性が高くなります。
まず、普通にスイングができるのか。
スイングができたとしても、グリーンを狙うことを諦めなければならないこと、木の枝の下を通すことが要求されること、フェアウェイにボールを戻すことさえ、簡単にはいかないことだってあります。
そこで、どんなショットを打つのがベストなのかジャッジして、その判断に基づいて意図したボールを上手く打つことができるか否かが、結果を大きく左右するわけです。
そこで、林の中から上手く脱出するために必要となるショットで、特に練習して身に付けたいテクニックが2つあります。
まず1つめは、木の枝の下を抜いて、フェアウェイやグリーンを狙ってボールをコントロールして打つ低い弾道の、いわゆるノックダウンショット。
2つめはバックスイングを木が邪魔して、普通に振れないような状況で必要になる、非常に小さなバックスイングでボールを遠くまで飛ばすテクニックです。
低い弾道のボールの打ち方
低い弾道のボールを打つためのノックダウンショットは、まずグリップを短く持って、ボールを右足寄りにセットします。
クラブフェースを被せ気味にして、小さなバックスイングで軽く打ちます。
トップで腕の振り幅を小さく抑えながらも、肩は相対的にしっかり回転させます。
林の中からのショットでは、距離を極端に落としたいこともあります。例えば、7番アイアンで70ヤードのように、フルスイングをした時の、場合によっては半分以下の距離を打ちたい状況もあります。
横のフェアウェイにボールを出すだけの場合などに必要となるショットで、距離が出過ぎてしまえば、フェアウエイの先の反対側のラフまでボールが行ってしまうからです。
ただし、そうしたショットであっても、手打ちにならないようにボールを打つことがポイントです。
ハーフともスリークォーターとも言えるようなスイングですが、まずは、ミドルアイアンでフルスイングの8割くらいを飛ばすイメージでボールを打つ練習をしてみましょう。
例えば、腕の振り幅を半分くらいにして、肩の回転量を8割くらいにするとどうなるかを確認します
そんな感じで、距離をコントロールしながら、飛距離と弾道の変化も確認します。
どんな強さでボールを打つにせよ、体の回転を原動力でボールを飛ばすようにするのが、上手く打つコツです。そのコツをつかんだら、同じ要領で飛距離を5割程度にする練習もしてみましょう。
そうした練習の中で、8割とか5割のスイングは、どのくらいの高さのボールがどこまで飛んでいくのか、それをよく確認して覚えておくことが大切です。
一番ロフトが立っているのが5番アイアンだとしたら、それで打つと、その弾道と飛距離は8割とか5割のスイングでどうなるのか。
また、クラブフェースを被せると、どのくらいまで低いボールが打てるのかもチェックしておくといいでしょう。
さらに、同様のことを7番アイアンでやったらどうなるのか。低い弾道で距離を抑えながらも、ボールをターゲットに落とすにはどうしたらいいのか。
そんなことを意識して練習をするといいでしょう。
小さなバックスイングのショット
一方、小さなバックスイングで飛距離を稼げるショットの打ち方を身に付けておくと、林の中で重宝することもあるはずです。
低い弾道でボールをターゲットに落とす打ち方に似たスイングになるでしょうが、ここで大切なことは、最小限のバックスイングで最大限の飛距離を稼ぐコツを学ぶことです。
木が邪魔をして大きなバックスイングができないとき時に使うこのテクニックは、前述のノックダウンショットの練習とセットで練習したいショットです。
バックスイングをシャフトが地面と平行になるくらいのところで止め、そこから飛距離を最大にするスイングの仕方を研究してください。
腕の振りとリストコックを抑えなければなりませんが、肩は回せるわけですから、そのパワーを上手く利用して飛ばす工夫をすることです。
林の中のマネジメント
林の中ショットを打つ時に、どのくらいの高さのボールがどこまで飛んでいくのかが把握できていなければ、思ったよりもボールが上がり過ぎて、枝にボールが当たってしまったり、飛ばし過ぎて反対側のラフまでボールが行ってしまうなどの結果になりかねません。
普段からそうしたショットの練習をまったくしていなければ、そうした結果になる可能性は高いでしょう。
しかし、しっかり練習していれば、7番や5番アイアンで50ヤードと100ヤード前後を打つことに対する能力も意識も大きく変わってきます。
つまり、ある程度の確信を持ってショットに臨むことができるようになるし、意図したボールに近いショットができる確率は、格段にアップします。
こうしたトラブルショットの技術(自分のデータとイメージ)を持っていれば、林の中で湧いてくるショットのイメージと、実際に打った時に出るボールの弾道と距離の差は小さくなりますから、林の中から上手く脱出できる確率はかなり上がります。
次のショットをどこから打てるかもイメージできますから、その後の展開は大きく変わってくるでしょう。
いい加減な判断で林から出ても、次のショットが深いラフであったり、スタイミーになってしまうようでは、林に打ち込んでしまったことのペナルティーはさらに大きくなります。
ボールを打ちやすいフェアウェイから打てるか否かは、そのホールのスコアを大きく左右することをお忘れなく。