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ゴルフスイング

おっ3

メリットがいっぱい!遠心力を活かしてもっと飛ばしましょう!

84メートル86センチという世界歴代4位の記録を持つ、ハンマー投げの室伏広治さん(2022年6月現在)。

男子の場合は、ハンマー全体の重さが7.260キロ(16ポンド)。

こんな重いものを、室伏さんは4回転で遠心力を最大化して、わずか角度34.92度のラインの内側に正確に投げていました。

この遠心力を、ゴルフの飛ばしに活かすための方法を探ります。

遠心力って何?

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weblio辞書で『遠心力』を検索すると、以下のように解説されています。

“円運動をしている物体が受ける慣性力の一。円の中心から遠ざかる向きに働く力をいう。⇔向心力。”
https://www.weblio.jp/content/%E9%81%A0%E5%BF%83%E5%8A%9B

何のことなのか、わかりますか?

少し禅問答のように見えてしまうのは『おっ3』だけでしょうか?

気を取り直して。

遠心力を調べたら、慣性力を知る必要があることがわかりましたね。

では『慣性力』とは、何のことでしょうか?

同じくweblio辞書を検索すると、

“慣性系に対して加速度運動をしている座標系の中で、物体の運動に現れる見かけ上の力。例えば、カーブを曲がる車の中にいる人を外側に傾けさせる力など。慣性抵抗。”
https://www.weblio.jp/content/%E6%85%A3%E6%80%A7%E5%8A%9B

前半はさっぱりですが、後半の事例がわかりやすいですね。

車を走らせている時、右に曲がろうととすると身体は反対に左に持っていかれます。あれが遠心力です。

スイングをコマに置き換えてみましょう!

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軸を保ち、きれいに回転するコマ。まさに遠心力と向心力が拮抗した状態です。

ゴルフのスイングもこのように回転すれば、飛んで曲がらないと思います。

では、このコマの状態を身体に置き換えて考えてみましょう。

理論によっては『一軸』だけではなく、『二軸』を唱えるものもあります。

今回は、シンプルに『一軸』で考えます。軸は背骨ですね!

では、コマの軸が曲がっていたり歪んでいたらコマは高速回転できるでしょうか?

答えは、「No!」です。

もう一つ想像してほしいのは、コマの回転スピードが遅い時は軸は安定しているかどうか?

これも「No!」です。

コマの軸にあたる背骨は曲げた状態では高速回転できないということになります。また、自然な回転スピードは軸の安定につながります。

肩は、回転軸である背骨に対して90度の角度で、力まずに速く回ることで軸(背骨)は安定することになります。

回転スピードと軸の安定!

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言わずと知れた洗濯機! これも『遠心力』を活用した生活用家電です。

機械なので、当然軸はブレない設計で取り付けられています(笑)。

写真のドラム式よりも、洗濯槽が縦型のほうがより想像しやすいと思います。

脱水槽の中に濡れた洗濯物を入れて、脱水を始める状況を想像してみてください。

回転し始めた時は、スピードがないため、洗濯物が偏って入っているとバランスが取れずにガタガタ言いますよね。

では、脱水槽が傾いた状態で早く回転できるでしょうか? これも難しいですよね。

軸の安定と回転速度は、どちらが欠けても『遠心力』を活用できないということになります。

遠心力は安定した飛距離を生む

軸をぶらさないと、効率よく回転スピードを上げられます。回転スピードが上がると、遠心力が最大化します。

この遠心力は、身体の大きさや筋力に寄らず、すべてのゴルファーが平等に活用できる力です。

回転すると軸の外に向かう力が生まれ、その力を活用すると、力みとは縁遠くなり、スイングテンポも安定します。

遠心力をスイングに活かすと、ミート率も上がり、安定して飛距離を生むことができます。

では、どんな考えと練習が遠心力を活かしたスイング習得につながるのでしょうか?

リラックスと踏ん張り!

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遠心力と友達になるために最も有効な手段は、リラックスと足の踏ん張りです。

リラックスできないと、スイングに遠心力を活用することができません。

外に向かおうとする力を活かすためには、足で踏ん張り外に向かう力に抗う必要があります。

外に向かおうとする力に腕や肩は引っ張られるままに!

足は、動き出しのきっかけと遠心力に抵抗するために踏ん張ります。

こんな意識を持つことから、遠心力と友達になることはスタートできると思います。

動きを覚える!

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自分の身体を竹とんぼに見立ててみましょう。羽根の部分が両腕です。

羽根は軸を中心にして振られるだけですね。

腕も同じように使うことで、遠心力を活かせるようになります。決して自分の筋力で振りにいってはいけません。

脱力して、振られるようにすることが遠心力を使うための条件です。

動きを覚えるエクササイズは簡単です。

足を肩幅程度に広げて立ちましょう。背筋は力まずに伸ばしてください。そして両腕を伸ばして肩の高さまで上げてください。

顔を正面に向けたまま、背骨を軸にするイメージで肩を回します。肩の回転につられるように腕は『振られる感覚』です。

この動作がきちんとできると、手先に血液が集まるような感覚も出てくると思います。

副産物もあります

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メトロノームはご存知ですよね。正確にテンポを刻む、楽器演奏の練習に使用するものです。

タイミングを刻む芯棒を動かしているのは、軸になる部分です。芯棒には動力源はありません。

何を言いたいかおわかりですよね?

芯棒は腕と思えば、そこに動力は不要! ということです。

軸を中心にして遠心力を使うと、テンポが一定になり、芯棒の先の部分の動きが正確になります。

そうです、クラブヘッドの動きも正確になるのです。

飛ばしを求めて遠心力を活かす動きを身に付けると、副産物として正確性も手に入れられると思います。

良いこといっぱいの遠心力活用のスイング! ちょっと試してみませんか?