Gride

gettyimages/1187946465
getty

ゴルフスイング

Nick Jagger

ビギナークラスによく見かけるスライスのパターン4例

いつまで経っても治らないスライス病。

スライスの根本的な原因を突き詰めれば、アウトサイドインのスイング軌道になっているか、クラブフェースが開いた状態でボールをヒットしているか、あるいはフェースのヒール側で打っているかの3つに絞られます。

クラブフェースが開いてヒットしているのにスイング軌道をインサイドアウトに修正して、プッシュアウトなんていうゴルファーも多いのではないでしょうか?

一口にスライスといっても、その原因そのものは十人十色です。

今回は、よく見かけるビギナークラスのゴルファーのスライスの原因と対策について解説します。

入れ込み過ぎて、右肩が前に出る

getty

朝一番のスタートホールやドラコンホールなどでよく見かけるスライスのパターンです。

このようなホールでのティーショットというのは、つい力が入ってしまい、そのためにアドレスした時にどうしても右肩が前に出た構えになりやすいのです。

気負い、そんな心理状況にあると、人間の体はなんとなく胸が目標に向きやすくなるのか、気合の入り過ぎた人の構えは、ほとんど右肩が前に出ています。

右肩が前に出て、上体が開いた形になっていますと、どうしてもバックスイングで肩の入り方が浅くなってしまいます。

本来であれば、トップオブスイングで両肩は90度、あるいはそれ以上回り、それにともなって両手のグリップは飛球線のかなり内側に入ったところに収まっているはずですが、肩の回転が浅いと飛球線のすぐ内側に上がってしまいます。

そこから振り下ろしてくれば、当然アウトサイドインのスイング軌道になります。

このように右肩が前に出た構え方になっていると、頭が少し左足のほうに寄って、視線がボールの真上に向けられるようになります。

こんな時は、どこに気を付ければいいのでしょうか?

まず、頭の位置をスタンスのセンターに置くことに注意することですが、それと同時に両目のラインと飛球線が平行になるようにチェックすることも忘れないことです。

両目のラインが平行になっている状態であれば、右肩が前に出ることは、絶対になくなるからです。

打ち急いだスイングになっている

getty

打ち急ぎのショットというのは、肩や両手が正しいトップオブスイングの位置に行く前にクラブを振り下ろしてしまったり、あるいはトップオブスイング周辺の動きが異常に早く、すぐにダウンスイングに向かってしまうようなスイングのことをいいます。

たいていの場合は、緊張した場面やドラコンホール、あるいは不安をかき立てる難しいホールロケーションのティーイングエリアなどで起こりやすいものです。

どうして打ち急いだスイングから生まれるショットがスライスになるかというと、肩が十分に回らなかったり、ダウンスイングのスタートで早く上体が開いてしまうからです。

つまり、そうしたことがダウンスイングの軌道をアウトサイドインにさせて、インパクトで打球をこすってしまうようになるからです。

肩を回そうとすると逆に回りにくいと思いますので、「右向け、右」の号令を自分にかけてください。

すると、不思議なくらいに上体が回るはずです。

ダウンスイングで肩を開かないようにするためには腰をアドレスの向きに戻したところで、一瞬右ひざを内側に入れるのを遅らせるようにするといいでしょう。

この右ひざの遅れによって、肩の開きも完全に防止することができることでしょう。

ギッタンバッコンのダウンスイングになっている

getty

バックスイングで体重が左足に移り、ダウンスイングでは右足に移ってしまい、そのまま「明治の大砲」のようにボールを打ってしまう人も多いように思えます。

このような打ち方を「ギッタンバッコンスイング」といいますが、そんなスイングをするゴルファーの大半はひどいスライスに悩まされているはずです。

ダウンスイングで体重が右足にかかり、右肩が下がってしまうために、クラブヘッドが極端にインサイドから下りてきて、インパクトでも右に向いたクラブフェースにヒットしてしまいます。

このため打球は右に飛び出してから、さらにそこからスライスしてしまうという救いがたきスライスボールになってしまうのです。

まずこのひどいスライスを治療するには、ギッタンバッコンスイングを治さなければいけません。

そのためには右足の前に1本の杭をイメージして、持っているクラブをハンマーだと思って、その杭に打ち下ろすように振っていきます。

このように「杭打ちスイング」を繰り返すことで、ダウンスイングでのすくい打ちのような動きが消え、ダウンブロー気味に打てるようになります。

もちろん、体重もスムーズに左足に乗って、ヘンテコリンなギッタンバッコンのスイングも消えてなくなります。

体を使わず、手だけでクラブを振り上げてしまう

getty

いくら技術的なポイントに注意を払っていても、ゴルフスイングでついうっかり忘れてしまうことが多くあります。

「バックスイングは絶対に手だけで上げてはいけない」という超基本的なアドバイスも、忘れやすいという点では代表的なものといっていいでしょう。

テークバックのスタートから手だけで振り上げていくと、バックスイングの途中で左手の甲が上に向いてしまいます。

すると、手首が右へ回ってこねた格好になってしまいます。

そのようにバックスイングの途中で、左手甲が上を向くということは、その瞬間クラブフェースも開くということであり、もちろんそのまま振り下ろせば、開いたクラブフェースのまま当たり、ボールをこすって打ってしまうようになります。

このような時は両脇を締めたまま、おへそを真後ろに向けるようにテークバックを上げていきます。

そうすれば左手甲が上へ向くことはありません。

体の回転と両腕を一致させれば、手首が右へ回ることもなくなり、いわゆる「三角形キープ」の正しいバックスイングができ上がります。

ここに挙げた4例、心当たりはありましたでしょうか? スライスを克服して初心者からの卒業を目指しましょう。