ゴルフスイング
Taddy Bear
パターはヒヨコをつかむようにグリップせよ〜スコットランドの諺から学ぶゴルフ上達法〜
スコットランドはゴルフ発祥の地。
長い歴史を持つだけに、その諺(ことわざ)には幾多の経験による重みがあります。
今回、ご紹介するのはパターのグリッププレッシャーに関する諺。意外にも、最新ギア(パターグリップ)に通ずる共通点がありました。
弱く握るための基準的表現
スコットランドには「パターはヒヨコをつかむようにグリップせよ」という諺があります。
ヒヨコなんて今やお祭りの屋台でも触ることができません(ちなみに昔、屋台で売られていたカラーヒヨコはすべてタマゴを産まないオスでした)から、なかなか感触が分かりませんね。
現代の日本に合わせれば、そのタマゴを握るくらいの感覚と解釈すればいいでしょう。
パターの打ち方は千差万別。打ち方のメソッドが数多く出回っているのはその証ですね。
それらのメソッドはけっして間違っているわけではありませんが、グリッププレッシャーの感覚までは的確に表現できていません。
端的に「弱く握る」と言っても利き腕の握力50キロの男性と25キロの女性では加減が違いますし、本人の中でも右手と左手では異なってきます。
ヒヨコ(タマゴ)をつかむように、という表現はグリッププレッシャーにおける万人向けの指標といえるでしょう。
弱く握ると感触をつかみやすい
ヒヨコ(タマゴ)をつかむ程度のグリッププレッシャーは個人差はあるものの、かなり弱めです。
自分では強く握るほうがパットしやすい、と思っている人はともかく、ショートパットになるほど緊張から強く握りがちな人は、打つ前にタマゴを潰さない力加減であることを確かめてみましょう。
意外に緊張がほぐれるものですよ。
弱いグリッププレッシャーの最大メリットは、スイング中でもヘッドの重さを感じられることと、インパクトで繊細なフィーリングが伝わってくること。
パッティングでは一定のヘッドスピードを求められますが、重さを常に感じることができればヘッドスピードを一定にしやすくなります。
またインパクト時、スイートスポットに当たった感触も分かりやすくなるのでパターの練習にも役立ちますね。
もちろん、弱く握ると方向が定まらない、強く握ったほうがロングパットを正確に打てる、という人は無理に直す必要はありません。
プロでもパットの名手との誉れ高いジャック・ニクラウスは、自ら「一概には言えないが、グリッププレッシャーはどちらかというと強く握るほうだと思う」と語っています。
肝心なのは強く握っても、ストロークが一定である、という基本的な点ですね。
手首の返りに注意!
ヒヨコ(タマゴ)をつかむ程度のグリッププレッシャー、けっしてメリットだけではありません。
弱めに握ることでいろいろと注意すべき点が出てきます。
最近のパターメソッドは手首を使わず、肩の回転でストロークすることが主流になっています。
この打ち方を実践している人が、今までのグリッププレッシャーより弱く握ると手首が返ってしまう恐れがあります。
その原因として考えられるのは、弱く握ったことで肩や脚などからも力が抜けてしまい、身体が左右にブレやすくなっていることが挙げられます。
また他の部位の力が抜けるとインパクトでもしっかりとしたヒットができず、フェースが左右に動いてしまうことがあります。
弱く握るのと力を抜くのは別。
パットは千差万別と言っても、頭を動かさないことや両足をきちんと踏み締めることは鉄則です。
今まで通りの基本を守った上で、ヒヨコ(タマゴ)をつかむ程度のグリッププレッシャーに変えてくださいね。
極太グリップに変えてみる
スコットランドの諺、「パターはヒヨコをつかむようにグリップせよ」はこれまでのグリッププレッシャーを見直し、意識して変えていかなければ習得できません。
でもこれ、最新のギアを使えば無意識に実践できるんです。その最新ギアとは極太のパターグリップ。
太いパターグリップはずいぶんと前から出回っていますが、最近はさらに太くなり、パターの一流ブランド「スコッティ・キャメロン」でさえグリップエンドの縦幅が4.1センチなんていう極太タイプを販売しています。
弱く握ることにためらいを覚える人はパターグリップを替えてみてはいかがでしょう?
極太グリップのメリットは、表面積が増えている分、握力が分散すること。
今までと同じグリッププレッシャーでも結果的に弱く握ることになります。
また太いグリップを握っている分、手首の動きも制限されるので手首が返りにくくなることもメリット。
古来の諺の正しさを最新ギアが証明した、とは言い過ぎだとしても、やはり道具の進化を積極的に取り入れることはスキルアップにつながりますね。
なお、太めや極太のパターグリップは種類が豊富です。
握りやすい形状であることはもちろんのこと、重量も必ず検討してください。
握る面積が増える極太タイプは指の長い人にとって強い味方となりますが、女性の場合、重量まで増えると微妙なヘッドフィーリングが伝わりにくくなります。
太くなっても従来と変わらない軽量タイプもあるので、自分に最適なグリップを選んでください。