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ゴルフスイング

Yanagi@TPIトレーナー&ドラコンプロ

ゴルフの「常識」にだまされるな!!~自分の特徴に合わせたスイングを習得しよう!

ゴルフが徐々に上手くなっていくと、ただクラブを振り回すだけのスイングだけでなく、より美しく力強いスイングを目指し、様々なスイング理論を勉強し始めると思います。

今ではYouTubeを始め無料動画レッスンが多数あり、お手軽にいつでもスイング理論を学ぶことができます。

しかし独学で勉強していると、必ず一度はハマる落とし穴があります……。

それは、様々な理論のいいとこどりをしようとして、つぎはぎだらけのスイングを目指してしまうという点です。

スイングの一部だけを切り取るのは非常に危険で、つぎはぎだらけのスイングでは無駄な力みやエネルギーロスが多発してしまいます。

今回の記事をきっかけに、自分の特徴を活かすスイングを目指してもらいたいと思います!

自分の体の特徴を理解しているか?

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スイング理論を勉強する際やレッスン動画をチェックする時に最も注意してほしい点は、

・この動きは「NG」です!
・このように動かしましょう!

と、白黒をつけるような表現です。

その大前提として、「●●な筋力を持ち、△△な関節の動きの特徴がある場合」というただし書きがあります。そしてその前提が、自分の体の特徴にマッチしているかは、本人にしかわかりません。

動画や書籍でのレッスンは、大衆向けであるため、自分自身に合うかどうかは、自らが確認しなければならないのです。

PGAのトップ選手を見ればわかるように、誰一人として同じ動きをしていません。スイングの「正解」は、ゴルファーの人数分だけ存在するのです。

例えば、ダスティン・ジョンソンのトップを真似しようとしても、たいていの人は方向性も飛距離も安定しません。

腕の長さ、関節の柔軟性、筋力、すべてが違い過ぎるのです。

スイングの改善を始める上で、まず行わなければならないのは、自分の体の特徴を理解することです。

プレーヤーにとっての「最適解」を見つけなければならないのです。

バイオスイング・ダイナミクスではスイングを何百通りにも分類している!

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日本でゴルフスイングを分類すると聞くと、横田真一プロが提唱している「4スタンス理論」をイメージする人が多いと思います。

そして、それ以上にスイングの特徴を細分化している理論が「バイオスイング・ダイナミクス」です。

このティーチングメソッドを提唱しているのは、マイク・ダムスとE・A・ティシュラーというアメリカを代表するコーチです。

マイク・ダムスは2015年にティーチング殿堂入り、2016年にティーチャー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。

E・A・ティシュラーは、米ゴルフマガジン誌が選出するトップ100ティーチャーに選出されています。

2人とも超スイングマニアとして有名で、共同したティーチング活動によって「バイオスイング・ダイナミクス」を作り上げました。

「バイオスイング・ダイナミクス」では、何百通りものスイングパターンを設定しています。

これは、世界的なティーチングコーチが、「スイングを型にハメる必要はないよ」というメッセージを送っているのと同意でしょう。

体格や筋力だけでなく、体のクセや歪みなど、日々の生活環境からも影響を受けて、それぞれの特徴が生まれてきます。

例えば、仕事で車の運転(オートマ車)を多くする人は、右足が長くなります。

これは実際に右足だけ骨が成長するのでなく、骨盤が歪むことで左足より長くなっている状態です。

また、アクセルを真っすぐ踏んでいるか、つま先を外に向けて踏んでいるか、それとも内向きかによっても骨盤の歪み方は変わってきます。

つま先を外に向けるながら長時間アクセルを踏んでいると骨盤が受け腰になり、その逆は反り腰になります。

ゴルフスイングにおいて骨盤の動きは非常に重要ですので、歪み方が違うタイプの人が同じスイングをしようとしても無理があるのです。

「GEARS」で自分の体の「クセ」を知る

仕事の事前準備の大切さを表す格言として、「段取り8分、仕事2分」がありますが、これはゴルフスイングをブラッシュアップする上でも非常に大切な考えです。

憧れの選手にスイングを近づけたいという気持ちは十二分に理解できますが、ゴルフスイングを改善するのであれば、自分の特徴と似たトップ選手のスイングを考察するべきです。

例えば私の場合、身長に対してウイングスパン(両腕を肩の高さで広げた長さ)が短く、上腕に対して前腕が短いため、スイング軌道はフラットになります。

そのため、シングルゴルファーからは「フラットに振り過ぎ」と指摘されることもありますが、これは私の特徴に合わせたスイング軌道であり、無理にアップライトに振る必要はないのです。

このように、様々な身体的な特徴を許容し、それにフィットするスイングを磨いていく必要があります。

そして、身体的特徴、スイングの特徴を分析する上で非常に役立つのが「GEARS(ギアーズ)」です。

「GEARS」はゴルフのMRIと呼ばれ、バイオメカニクス研究者や映像制作者によく使われる技術を用い、スイング解析を行います。

PGAやクラブ製造メーカー等にて使われています。

「GEARS」は、モーションキャプチャースーツを着て、体の主要な26ヶ所、クラブの6ヶ所に反射マーカーを付けて得られるあらゆるデータから、スイングの特徴を洗い出すことが可能です。

非常に高価な計測機であるため、全国でも導入されているお店は限られていますが、機会があればぜひ「GEARS」でスイング解析してみてください。

きっとスイング上達を早めてくれるはずですよ!