Gride

(c)GettyImages/Chris Hyde

ゴルフスイング

おっ3

フットワークについて考える~後編~

こんにちは、ライターの『おっ3』です。

『フットワーク』についての考察2回目は、『慣性モーメント』が大きくなり、数値的には振りやすくなっている現代のクラブでスイングする場合のフットワークについて深堀りします。

写真は、プロゴルファーの間からも『ベストスインガー』と評価されているアダム・スコットです。

前回の表紙のグレッグ・ノーマンと比較すると、

・左足の内側がめくれていないこと
・両膝の間隔を狭めるように使っていること
・全体のイメージが静かなこと

こんな事にお気付きになると思います。現代のクラブにベストマッチのフットワークとは?

動き出しに勢いは不要!

getty

シャフトが長尺化した影響で『慣性モーメント』が大きくなった上に総重量が軽くなったため、スイングの動き出しに勢い(力)が不要になりました。

総重量では100グラム程度ですが、割合で考えるとおよそ30%もの軽量化は、当然スイングに影響すると思います。

重くて振り難いクラブでは、『よいしょ』っと身体を揺さぶるように始動したり、スイング全体で見ても体重移動によって、重く振り難いクラブをコントロールしていました。

現在はそうした動きが不要になり、静かな始動でもクラブを動かすことが可能になりました。

そのお陰で、より正確な動きができるようになります。

これは、練習量の少ないアマチュアには恩恵が大きいと思います。

蹴りが必要な昔のクラブ!

getty

パーシモンの時代は、写真のポジションでは右足のかかとが上がって右膝も動いているケースがほとんどだと思います(写真は、“ビッグ3”の1人、ゲーリー・プレーヤーです)。

その時代のスイングは、ニーアクションを大きく使うことで、重くて振り難いクラブにスピードを与えていたと考えられるからです。

しかし、この動きは非常に複雑で難易度が高いのです。

かつてのトッププロに大柄なプレーヤーが余りいないのは、大きなニーアクションが影響しているのではないかと思います。

長身のゴルファーは膝下も長く、大きなニーアクションをする際にはブレ幅が大きくなってしまうからだと思います。

“ビッグ3”と言われた名選手の身長を見てみましょう。

〇アーノルド・パーマー 178センチ
〇ゲーリー・プレーヤー 168センチ
〇ジャック・ニクラウス 178センチ

大きなニーアクションを必要とする時代のスーパースターは、意外にも大柄ではなかったのです。

踏ん張りが効果的な現代のクラブ!

getty

角度は違いますが、インパクトの寸前と直後なので前段のゲーリー・プレーヤーとこの写真のアダム・スコットはほぼ同じ瞬間をとらえた写真です。

どちらもアイアンですが、『フットワーク』も『ニーアクション』も大きく異なることがわかります。

プレーヤーは、左膝を目標方向に向けて右足の母指球で地面を強く蹴りながら大きく体重移動することでクラブにスピードを与えています。

右かかとは上がり、右膝はやや前に向かっています。

一方スコットは、両膝の位置は、アドレスより少しだけ飛球線方向にシフトしているだけで、蹴る動きは感じられません。

左足はほぼ垂直に地面を踏みつけ、右かかとは地面を抑えつけたままで踏ん張っています。

『蹴る』動きは強い力を生みますが、同時にブレを伴います。

しかし、『踏ん張る』動きはその場で正確に回転することができます。

軽くて振りやすくなった現代のクラブによって、『フットワーク』や『ニーアクション』はとても静的なものに変化しました。

動きが少なくシンプルなため、私たちアマチュアにとって、とても恩恵が大きいと思います。

次回は、『おっ3』なりの、『フットワーク』や『ニーアクション』の練習法を披露します。