プロゴルファー
もーりー
前人未到の7年シードを獲得した申 ジエ選手の『飛ばさない勇気』
皆さんゴルフを楽しんでいますか?
こんにちは、ライターのもーりーです。
ファイナルQTも終了し、今年のレギュラーツアーの全日程も終了したLPGAツアー。
黄金世代の台頭など見所いっぱいで盛り上がりましたが、私が今シーズンで一番印象に残ったのは、最終戦、LPGAツアーチャンピオンシップでの申 ジエ選手です。
私は申 ジエ選手のことを『飛ばない選手』だとばかり思っていたのですが…。
飛ばないんじゃくて『飛ばしていない』だけ!
LPGAツアーチャンピオンシップの最終日。
最終組の申 ジエ選手とペ ヒギョン選手は互いに譲らず、17番ホールを終えて首位に並んでいました。
そして18番ホールのティーショット。
テレビの前では目を疑う光景が広がりました。
申 ジエ選手の放ったドライバーショットは軽々と250ヤードを超えてきたのです。
申 ジエ選手といえば、飛距離が出ないタイプのゴルファーで、それを補う精度の高いフェアウェイウッドやユーティリティーでのショットが武器だというイメージでした。
それがここ一番という勝負の場面でしっかり飛距離を出してきたのです(正しくは『“ゾーン”に入って思わず距離が出てしまった』というべきでしょうか)。
申 ジエ選手って実は飛ばないんじゃなくて、いつもはあえて『飛ばしてない』のかもしれませんね。
ただしかし、飛ばすだけでは上手くはいかないのがゴルフ。
申 ジエ選手のボールはラフまで飛んでしまいました。
申 ジエ選手のショットを見て力が入ったのか、飛ばし屋のペ ヒギョン選手もラフに打ち込んでしまい、最終ホールは両者ともパーでプレーオフとなってしまいました。
いつもの『飛ばさない』マネジメントで優勝を手繰り寄せた!
プレーオフは同じ18番ホール。
ここでも飛距離のアドバンテージを出そうとしたのか、ペ ヒギョン選手はまたしてもティーショットがラフにつかまります。
いっぽうの申 ジエ選手は違いました。
先ほどとはうって変わってティーショットの飛距離は240ヤードに届くかどうか。
しかしフェアウェイを完璧にとらえました。
このあと申 ジエ選手はセカンドショットを簡単にグリーンに乗せて、あわやバーディーのOKパー。
ぺ ヒギョン選手はセカンドショットをバンカーに入れてしまいボギー。
軍配は『飛ばさない』マネジメントに徹した申 ジエ選手に上がりました。
『飛ばさない勇気』で7年シードを獲得!
少しでも近くからグリーンを狙いたい、というのはプロアマ問わずゴルファー誰しもが思うこと。
ただ今回のプレーオフのように、一方は相手より20ヤード以上飛ばしてもラフにつかまりスコアを落としてしまったのに対して、もう一方は20ヤード後方からでもフェアウェイからしっかりグリーンに乗せてスコアメイクできたわけです。
ゴルフは飛距離ではないと、改めて思い知らされたのでした。
ちなみに見事最終戦を制した申 ジエ選手はこの優勝で今シーズンメジャー3勝。
LPGAの規定でなんと7年シードを獲得しました。
申 ジエ選手の『飛ばさない勇気』。
我々アマチュアこそ見習うべきではないでしょうか。
というわけで今回はこのへんで。
それでは、また!