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いよいよマルちゃん、来年からシニア入り!米チャンピオンズツアーへの険しい道のり

2016年9月のANAオープン以来、戦線離脱中の丸山茂樹。

最近ではもっぱらテレビ解説者として活躍しているが、彼は決して引退しているわけではない。

長年のゴルフ人生で痛めた左手親指のケガによりクラブを握れず、練習もままならない状態が続いたが、ようやく昨年9月にカテーテルによる「もやもや血管治療」(※)の手術を受けて、劇的に痛みが改善。

従来のオーバーラッピングから、ベースボールグリップに変えることで再び球を打ち、ラウンドすることができるようになったそうだ。

※細くて柔らかいカテーテルを増殖してしまった異常な毛細血管の近くまで進めていき、薬を入れることで炎症を抑え、異常な神経の興奮を鎮める治療

丸山のゴルフ復活のきっかけは時松隆光のベースボールグリップ?

かれこれ2年弱もツアーから離れ、手の痛みのせいで球打ちもできないとなると、国内ツアー10勝、米ツアー3勝の実力者でもなかなかその当時の感覚や飛距離を出せるものではない。

昨年の6月にどうしても断れない知人とのラウンドが茨城GCであり、その直前に1度だけ練習に行ったそうだが、誰にもその姿を見られたくないと、夜中の11時にこっそり練習場に行ったそうだ。

実際ラウンドしてみると思いの外スコアはよく、76で回ったそうだが、その時「もしかしてまだやれるかな?」と思ったという。

それから3ヶ月後、カテーテルによる手術を受けて以来、痛みがピタッと消えたそうで、再び本格的に練習を再開。

1~3月は自宅のあるロサンゼルス近郊のコースで朝から晩まで練習に励んだが、痛みはそれでも出ないと確信。

ただ、従来のオーバーラッピンググリップでロングショットを打つと、再び痛みが出る恐れがあるので、できるだけ負担をかけないベースボールグリップでやる必要があるという(80ヤード以内は通常のグリップでOKだそうだ)。

ツアーには同じくベースボールグリップで活躍する時松隆光がいるが、「時松くんのグリップにヒントを得ようと思ったんだけど、よく見たら全然ヒントにならなかった(笑)」と丸山。

自分なりにアレンジして、左手はベースボールグリップ、右手は普通のオーソドックスな握り方をしているので、一見そばから見てもわからないが、やはり40年以上馴染んだグリップをいきなり変更せざるを得ないのだから、相当慣れるまでには時間がかかったはずだ。

米ツアー3勝の丸山。現在のゴルフの実力は「中学校3年以下」!?

先日、JGTOツアー競技外の2日間競技「ザ・レジェンド・チャリティプロアマトーナメント」が麻倉GC(千葉県)で開催され、丸山茂樹も参戦。

初日は3バーディ、2ボギー、1ダブルボギーの1オーバー「73」、2日目は5ボギーの「77」で、プロゴルファー28人参戦中、26位に終わった。

初日を終えて丸山は

「ヤバい、吐きそうだった。内容はグッタグタ! まだまだ人前でゴルフをするレベルではない。

70台で回れるようにはなってきたけど、実力的には自分の中3時代よりちょっと下手。

でも、人前でボロボロだけど頑張っている自分の姿を見てもらえたらうれしい。大勢の人の前では緊張して体は硬直するし、(ブランクがあるので)勝負モードになかなか入れない。

ティショットが150ヤードしか行かない時もあるし、ひどい球が出る時もあるけど、恥ずかしいなんて言ってられない。

とにかくそこを乗り越えて来年はシニアツアーで戦いたい。僕らは挑戦する気持ちがなくなったら終わりなんで、這いつくばってでも頑張りたい」

と力強く語っていた。

親友の深堀圭一郎いわく

「マルが再び、人前でプレーをしようという気になってきたのは大きな進歩。僕も今年シニア入りするが、また同じ舞台でマルと一緒に戦えたらいい」

と丸山復活を心から応援している。

丸山は今年のレギュラーツアー復帰は考えておらず、来年以降のシニアツアーに照準を定めている。

米ツアーでも優勝しているので、チャンピオンズツアー(米シニアツアー)に出場する資格も持っているが、彼は再び日米の先輩、同年代の選手たちと同じ舞台で戦えることを楽しみにしている。

そして私自身も、彼とは同級生であり、雑誌『ゴルフトゥデイ』在籍時代から連載担当として日米を往復し取材を続けてきたが、「丸山茂樹・ゴルフ人生第2章」を以前のように日本のゴルフファンの皆さんにお伝えできれば……と心から願っている。