プロゴルファー
koji
AbemaTVツアーに見た「ゴルフツアー」の可能性
今シーズンから男子の下部ツアーが「AbemaTVツアー」として衣替えしました。
すでに今シーズンは3試合が行われました。
この3試合のあり方は、今後の男子ツアー、ゴルフ界にとってさまざまな可能性を生み出すものではないかと思いました。
AbemaTVで3日間完全生中継
今シーズンからAbemaTVツアーは、全試合3日間競技になりAbemaTVで完全生中継されることになりました。
3試合ともに、パソコンやスマホで観戦しましたが、生放送であるから引き込まれますね。
つい見入ってしまい、他のことが手につかなくなります(笑)。
レギュラーツアーに比べると、名前が売れている出場選手が少ないのは事実ですが、かつてツアーで優勝した横田真一選手や、星野英正選手、塚田好宣選手等も出場しているので見ていて面白いです。
また、選手紹介のテロップがちょっと面白おかしく構成されていたり、実況や解説の人が選手のスイング解説をするのと同時におちゃらけた会話もあったりと、長時間見ていても飽きない感じがしました。
ネット中継の特徴である視聴者のコメント機能は、単に中継映像を見ているだけのものとは違い、視聴者もゴルフ中継を構成している一員となり、地上波のゴルフ中継とはまったく違ったものでした。
AbemaTVツアー チャレンジャーズ特別枠
AbemaTVツアーチャレンジャーズ特別枠として、第1戦は横峯さくらプロ、第2戦は宮里美香プロ、そして第3戦は中井学プロが参戦しました。
女子プロの2人は、結果的には予選落ち。
男子の下部ツアーとはいえ、コースセッティングが女子のトッププロでさえも攻略が困難なようで、ティーショットの飛距離差もホールによっては50ヤード程はあったのではないでしょうか。
ミドルホールでも男子プロはショートアイアンで打っているのに、横峯プロや宮里プロはユーティリティやフェアウェイウッドで打つ場面がありました。
とはいえ、ぶっちぎりでスコアを崩したわけではないところも興味深く、飛距離が出なくてもマネージメント次第ではスコアを作ることが可能ということはアマチュアは見習わなくてはならないと思いました。
中井学プロは、ピンマイクをつけてプレーをし、自分で解説をしながらラウンドするという、今までにない企画をされていました。
話しながらのプレーは、同伴選手にも迷惑にならないようにしないといけない一方で、自分のプレーを話すということにも神経を使わなくてはならず、全神経をプレーに集中させることができない状態でのラウンドになりました。
結果的には予選落ちでしたが、このプレーを見ている視聴者としてはプレー時の考え方や攻め方、守り方等がわかり、大変面白く感じました。
このような企画をツアーに織り込むことは、ツアーの本質からは少し外れているとも言えますが、こうした企画により注目度が上がるのは間違いないことでもあります。
正直言って男子ゴルフの人気が低迷しているこの時期にさまざまな取り組みをすることは、男子ゴルフ界の今後の可能性を探ることにつながり、とても大切だと思いました。
“チャレンジ”ツアー
今年からAbemaTVツアーという名称に変わりましたが、昨年まではチャレンジツアーと言っていました。
それはレギュラーツアーのシードを持たない選手が戦う場で、結果を出せばレギュラーツアーへのチャンスを獲得できるというもの。
またレギュラーツアーで長く活躍した選手がシードを失って、下部ツアーが主戦場という場合もあります。
今シーズンより「AbemaTVツアー」としてスポンサーがついたツアーとなり、全試合3日間競技として始まりました。
すでに行われた3試合は、女子プロが参戦する等、今までの下部ツアーとは一味違う姿で開催をしてきました。
完全生中継をすることで、レギュラーツアーの録画放送に比べ圧倒的に見ていて面白いです。
生放送であるが故、何が起きるかわからなく、選手がトラブルになった時の処置もずっと見ていられる等の“臨場感”は、ライブ中継でしか味わえないものだと思います。
ゴルフツアーのあり方、ゴルフ中継のあり方に“チャレンジ”しているAbemaTVツアー。
ツアーの名称は変わったものの、‟チャレンジ“しているゴルフツアーであることには間違いないでしょう。
ちなみに・・・
AbemaTVを運営する親会社サイバーエージェントは、4月27日〜29日に開催された自社が主催するサイバーエージェント レディスゴルフトーナメントでも動画生配信をしていました。
新垣比奈選手の初優勝の瞬間を生で見たファンも多かったのでは?