プロゴルファー
こせきよういち
タイガーのあのCMがいま現実に?~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#63
先週の米ツアー競技「バルスパー選手権」では、タイガー・ウッズが優勝したポール・ケイシーに1打及ばず、5年ぶりのツアー優勝を惜しくも逃しました。
しかし、今週はタイガーが過去8勝もしている大得意の「アーノルド・パーマー招待」です。
PGAツアーのオフィシャルサイト掲載の“パワーランキング”(優勝候補ランキング)では、タイガーはその1番手です。専門家の目からも、今週はタイガーが勝つ可能性がとても大きいのです。
その予想どおりに優勝、それがかなわずとも優勝争いの中心でプレーする展開になれば、当然、3週間後のマスターズも優勝候補の筆頭に挙げられることでしょう。
ツアーは、再びタイガーを中心に展開? そこで思い出したのが、2009年にオンエアされた下掲のナイキのCMです。
タイガー・イズ・バック! ツアーの様相が大きく変わる。
タイガーは2008年シーズン、6月の全米オープンまで計4勝をマーク。2年連続のフェデックスカップ・チャンピオンを確実にしました。
ところが、その全米オープンで左ひざを故障。手術を余儀なくされ、翌09年3月までツアーから長期離脱することになりました。
最強プレーヤーが休んでる間、他の選手に優勝のチャンスが広がります。
2009年に作られたナイキのこのCMは、タイガーが休んでいる間に活躍し、メディアに注目されたり、ファンからもてはやされる状況を楽しむ4選手のシーンから始まります。
登場順にアンソニー・キム、スチュワート・シンク、ジャスティン・レナード、トレバー・イメルマン。当然ながら、いずれも当時ナイキの契約選手です(ただし、この4選手は2008年シーズンにそれぞれツアー優勝を挙げてはいますが、タイガーのツアー離脱後に勝ったのは、キムとシンクの2人です)。
そこにタイガーが帰ってきたのです。
しゅんと静まり返るロッカールーム。
4選手の“わが世の春”はこれまでか? 実際、2009年シーズン、タイガーは6勝をマーク。フェデックスカップ・レースを独走しました。
このCMは当時のツアーの状況を反映させ、ちょっとひねって使った面白い作品です。そして、いま、同様の展開が……?
日本でも真似るゴルファーがいっぱい
続いて、個人的に印象に残っているタイガーのナイキCMを紹介しましょう。
まずは、タイガーのジャグリングです。
このCMが流れた当時、ゴルフ場の練習グリーンには、これを真似るゴルファーをたくさん見かけました。
下記の動画にはこのメイキングが収められていますが(20秒過ぎから)、これを見ると、タイガーは左右両手で同じようにジャグリングができるようです。
しかも、とても軽やかな動きで。
タイガーのトリックショット、もっといろいろと見たいですね。
最後に、“落ち”のある面白いCMです。とてもありえるストーリーなので、くすっと笑ってしまいます。
なお、YouTubeの説明文を読むと、これはテレビではオンエアされなかったCMのようです。
このように、ナイキはタイガーを使って面白いCMや印象に残るCMをたくさん作ってきました。しかし、残念なことに、タイガーの低迷とともに、それが見られなくなりました。
いままた“強いタイガー”が帰ってきたのですから、ナイキには契約するシューズやウェアのプロモーションで新作を作ってもらいたいものです。