Gride

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プロゴルファー

こせきよういち

今年の全米オープンの主役はグリーン?~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#183

今年の全米オープンはいかがだったでしょう?

私の感慨は、日ごろ私たちがプレーするゴルフとはまったく別のスポーツのよう、ということ。何もかもがあまりに違い過ぎて、現場の難しさを想像するのも困難なレベルでした。

でも、そこで展開されたスーパープレーの数々。

なかでも舌を巻いたのがグリーン上、ピンに寄せるアプローチやパッティングの「妙」です。

大きく波打つ、あのグリーンを相手に我々には想像もできない「妙技」。でもそれは痛い「失敗」と隣り合わせでした。

それを象徴するシーンを集めてみました。

一番の圧巻は松山英樹のチップインバーディ

「ポテトチップス」のように大きく波打つグリーンを相手に、今年の全米オープンで一番の見せ場を作ったのは大会2日目の松山英樹でした。

このシーンは一般ニュースでも紹介されるほど話題を集めたので、今さら説明するまでもないでしょう。

自身10ホール目に当たる1番パー4。カラーから第3打のアプローチでした。

今大会では、このシーンのようにピン奥の傾斜を使ってカップに寄せるアプローチがいくつも見られました。

でも、その作戦が痛過ぎる失敗となり、世界中でバズったのが大会初日のマット・ウォレス。12番パー5でのプレーです(下掲のツイッター動画)。

ウォレスはグリーン手前、ピンまで50~60ヤードのアプローチで、キャディをピンに付き添わせます。

この場面には、テレビの解説席も、もちろん私も怪訝(けげん)。彼の意図がわかりませんでした。

しかも、そのアプローチをダフって、大きくショートするという失態。

世界中が「彼はいったい何をやろうとしたんだ!?」状態で、ネット上は大騒ぎになりました。

あとで判明したのは、彼の狙いもやはりピン真後ろの傾斜を使って寄せること。そして、そのアプローチがピンやフラッグを直撃するリスクを考え、キャディに付き添わせたとのことです。

納得! 

でも、ちょっとカッコ悪いミスでした。

「いったいどこを狙って!?」がスーパーナイスパット

大会初日、注目を集めたプレーのひとつがこれ。

ザック・ジョンソンの1番パー4(自身の10ホール目)のバーディパットです。

最初見たときは、「いったいどこを狙ってるんだ!?」と驚きました。

このようなパッティングは決まればスーパープレーですが、ちょっとした加減のミスがカッコ悪い結果につながります。

それがロリー・サバティーニの下掲のツイッター動画。

そして、今回のグリーンの一番の犠牲者が

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でも、今回のウィングドフットGCのタフなグリーンの一番の犠牲者は、大会3日目のダニー・リーかも知れません。

このシーン(下記リンク先の動画を見てください)も、あちこちで取り上げられたので、今さらかも知れませんが、リーは最終18番パー4で約1.2メートルのパーパットを惜しくも外してしまいます。

彼はそこで集中力を失ったようです。そこからは明らかに投げやりになり、さらに5パットの計6パット。

そして、スコアを提出後、手首のケガを理由に最終日の競技を棄権したのです。

後日、彼は自分の行為を「プロとしてとても愚かでした」と謝罪することになりました。

全米オープンのタフなコース設定は、プレーヤーのスキルだけでなくメンタルも試したようです。