プロゴルファー
こせきよういち
選手自らマイクで違反を説明~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#170
シーズンが再開された米ツアートーナメントでは、中継のテレビ局がこれまで以上に演出を工夫しています。
そのひとつが、ラウンド中の選手にマイクを装着してもらうこと。
先々週の「チャールズ・シュワブチャレンジ」ではリッキー・ファウラー、先週の「RBCヘリテージ」ではアダム・ハドウィン(写真下)がマイクを着け、それぞれラウンド中にキャディなどと交わす会話を視聴者に届けていました。
ところが、ハドウィンはその中で、期せずして一般ゴルファーにも役立つルール問題を提供してくれたのでした。
バンカー内の砂に触れる違反
第1ラウンドの13番パー4、ハドウィンのティーショットはフェアウェイバンカーに。ボールのすぐ後ろには小石が落ちていました。
ご存じのように、バンカー内の石=ルースインペディメントは、現在のルールでは(旧ルールとは違い)、手で触れて、取り除くことができます。
そこで、ハドウィンは邪魔になりそうな小石を摘み上げたところ、1個目は石だったのですが、2個目は石ではなく砂の塊で、指先でバラバラに砕けてしまいました。
「オー、ノー! これはペナルティだ。やらかしてしまった。石だと思ったんだ。それで指で摘まんだら、崩れてしまったよ。これは間違いなくペナルティだ」とハドウィン。
キャディに語った説明がマイクを通して、そのままお茶の間へ(下記のリンク先にそのときの動画が添付されています)。
その後、ハドウィンはオフィシャルを呼び、事情を説明。
結果は、彼の説明どおりバンカー内でボールの直後の砂に触れた違反(規則12.2b)で、2打罰になりました。
風に押されたボールがホールイン
次も、旧ルールとは処置が変わった事例です。
動画は2015年のワンアジア/豪州ツアー競技「フィジー・インターナショナル」で撮られたマット・クーチャーのグリーン上です。
この日は大変な強風に見舞われ、クーチャーの一度拾い上げてからリプレースされたボールが風に押されてホールイン!
旧ルールでは、プレーヤーがボールを動かす原因をしていなければ、動いたボールはあるがままでした。
そのため、このケースは直前の1打でホールアウトしたことになります。
しかし、現在のルールでは、グリーン上では、「すでに拾い上げてからリプレースしていた球:自然の力が球を動かしたとしても、その球は元の箇所にリプレースしなければならない」(13.1d)となっています。
ノーカウントで再プレー
もうひとつ、グリーン上のルール問題です。
このケースは、(旧ルールと同じく)このストロークはノーカウントで元の場所から再プレーとなります。
現行ルールでは規則11.1bの例外2で、その規則文は、「パッティンググリーンからプレーされた球が偶然にパッティンググリーン上の人、動物、動かせる障害物に当たった場合:そのストロークはカウントせず、元の箇所に元の球か別の球をリプレースしなければならない」となっています。
一方、下掲のツイッター動画のように、そのボールがグリーン外からプレーされた場合は、規則11,1b にある「動いているプレーヤーの球が人や外的影響に偶然に当たった場合、球はあるがままにプレーしなければならない」という規定であるがまま。
「アンラッキー!」と諦めてください。
Unluckiest golf shot of the year?
— Staysure Tour (@StaysureTour) July 26, 2018
Mark James' tee shot on the famous 17th hole on the Old Course, St Andrews hits a bird before going out of bounds. #SeniorOpen pic.twitter.com/jow7G0YbqN