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プロゴルファー

こせきよういち

ノーカウントで打ち直しの "怪"~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#147

今年からの新ルールで「おかしな規則」と言われているのが、規則11.1b「球はあるがままにプレーしなければならない」の例外2です。

その規則文は、

「パッティンググリーンからプレーされた球が偶然にパッティンググリーン上の人、動物、動かせる障害物(動いている別の球を含む)に当たった場合:そのストロークはカウントせず、元の箇所に元の球か別の球をリプレースしなければならない」というもの。

つまり、そのストロークは無罰・ノーカウントで、もとの箇所にリプレースして、パッティングをやり直さなければならないというルールです。

もし、パッティングをやり直さなかった場合は、「一般の罰」で2ペナが課せられます。

この規則が今季のツアーでさっそく物議をかもしたのです。

ケイシーのボールが虫にヒット

規則11.1bの例外2が最初に大きな話題になったのは、今年9月の欧州ツアー競技「ポルシェ・ヨーロピアンオープン」の第2ラウンドでした。

このトーナメントを制したポール・ケイシーがグリーン上でパッティングしたボールが、途中で小さな虫に当たってからカップインしたのです。

この場合、上記規則に従えば、ケイシーはそのストロークを取り消し、パッティングし直さなければなりません。

でも、彼は虫に当たったことに気付かず、そのままホールアウトしてしまいました。だったら、ケイシーは2ペナ?

しかし、ゴルフ規則には「ビデオに映る事実が肉眼で合理的に見ることができない場合、そのビデオの証拠が規則違反を示していたとしても採用しない」という規定があります。

たとえテレビ中継の映像で確認できたことでも、プレーヤー本人が認識できないような事象は、規則上は不問とされるため、ケイシーも無罰となりました(下掲の動画は、オフィシャルがそのことを本人に伝えたところ)。

でも、もしその虫がプレーヤーが確実に気付く大きさだったら? あなたは正しく処置できますか?

パーネビックは自分の足にヒット

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この規則の犠牲になったのが――といってもルールを正しく理解していなかった本人が悪いのですが――シニアプレーヤーのジェスパー・パーネビクでした。

彼は米シニアツアー競技の「SAS選手権」(10月)で、ショートパットのボールがカップの縁をクルリ、360度回ってカップから飛び出し、自分の足に当たってしまったのです。

新ルールではストロークしたボールがプレーヤー自身に当たっても、無罰でボールはあるがままとなりました。

そのため、彼はそのままカップインし、ホールアウトしたのですが、このケースが規則11.1b例外2の「パッティンググリーンからプレーされた球が偶然にパッティンググリーン上の人に当たった」ケースに該当。

正しくは、ノーカウントで打ち直さなければならなかったのです。

結果、パーネビクは2ペナとなりました。でも、パッティングしたボールが偶然自分に当たっても、無罰・ノーカウントで打ち直しというのは……。

難しい処置ですね。

参考:キャディが付き添っていたピンにヒット

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最後に、上記と同様に、そのストロークはノーカウントで、パッティングをやり直さなければならないケースを紹介しましょう。

その一つの例が、日本ゴルフ協会のオフィシャルサイトに紹介されています。

「ゴルフ規則」のページの「2019ゴルフ規則よくある質問」(下記リンク先)に、

「Q:プレーヤーは自分のキャディーに旗竿に付き添ってもらってからパットしたところ、そのキャディーが故意に旗竿を抜かず、動いている球がその旗竿に当たりました。この場合の裁定は?
A:キャディーは故意に球の方向を変えた、または止めたので規則 13.2b(2)に基づきプレーヤーは一般の罰を受けます。プレーヤーは規則 11.2c(2)に基づいてそのストロークを取り消して再プレーをしなければなりません」

とあります。

例えば、パットのボールの勢いがあり過ぎたので、それを止めるために、ピンに付き添っていたキャディが故意にピンを抜かなかったときは、まずは2ペナ。

そのうえで、そのストロークは取り消しで、パットの打ち直しとなります。

それを怠り、ボールをあるがままプレーすると、いわゆる「誤所からのプレー」でさらに2ペナ=合計4ペナが課せられます。

ということなので、パットしたボールが途中で何かに当たった場合は「無罰で、パットのし直し」と覚えていたほうが良いかも。