プロゴルファー
こせきよういち
マキロイvsケプカの舌戦~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#146
米ツアーは先週「WGC-HSBCチャンピオンズ」が終了したところで、シーズンオフの感を強めています。
その中でホットな争いが続くのが、そのHSBCを制した昨シーズンの年間王者=ロリー・マキロイと世界ランキング王者=ブルックス・ケプカの“舌戦”です。
きっかけはマキロイに渡った最優秀選手賞
ふたりの“舌戦”――というか、ふたりが互いを意識した発言をするきっかけは、9月に発表されたツアーの最優秀選手賞(プレーヤー・オブ・ザ・イヤー、上掲は授賞式での写真)でした。
ツアープレーヤーの投票によって決まるこの賞。昨季選ばれたのは、メジャー(全米プロ)を制した世界№1ランカーのケプカではなく、マキロイのほうでした。
これを受け、マキロイは「ちょっとびっくりしたけど、皆に選んでもらえたことを誇りに思う。確かにブルックスは素晴らしい成績を上げ、世界ランキングのトップに立つ。でも、皆は1年のうちの4週間(メジャーの週)だけではなく、もっと長い期間の活躍を評価してくれたのだろう」と発言。
すると、ケプカは、「僕は賞を獲るためにプレーしてるわけじゃない。勝利するためにプレーしてるんだ」と、受賞逃しを軽く受け流すような反応を示したのです。
ケプカの「ライバルはいない」発言からヒートアップ
ところが、ふたりの確執が韓国開催の米ツアー競技「ザ・CJカップ@ナインブリッジス」(10月17日~20日)でのケプカの発言からヒートアップします。
「僕がここ(米ツアー)でプレーするようになってから5年経つけど、その間、ロリーはメジャーで勝ってない。だから、ライバルとは思っていないんだ。いま僕は、世界ランキングのトップで、僕の前の道は空いている(前には誰もいない)。僕はバックミラーで後ろを振り返ることもない。だから、ライバルの姿はどこにも見えないんだ」
言ってみれば、「マキロイはライバルではない」発言。
でも、対するマキロイは翌週のZOZOチャンピオンシップの会場で、「ブルックスの言ってることは間違いではない。この2年間で4つメジャーを獲ったんだ。彼はいま、最高のプレーヤーだ。僕のことをどうこう言わせるつもりはないよ」と大人の対応。
続くHSBCでも、記者からケプカの発言について問われると、「まだそんなこと話題にしてるんだ」と笑って、「このゲームのトップでは、大勢がしのぎを削っている。それを僕たちふたりの問題にしたのでは、ジャスティン・トーマスやダスティン・ジョンソンに失礼」と、ケプカに対する直接の言及を避けました。
これで舌戦も収束? と思いきや……。
HSBC優勝後、マキロイが反撃の姿勢
そのマキロイがHSBCに勝ち、世界ランキングでもトップのケプカに迫った今週。
事態は再度熱を帯び始めたのです。
ラジオ番組に出演したマキロイは、「強いモチベーションを持たない競技者はいないでしょう。ブルックスの存在は、僕にモチベーションを与えてくれた。誰かがライバルの話をして、それに何も感じないようなら、もはや本当の競技者ではない。何を言いたいかというと、ブルックスは僕にとって大きな存在」と、ケプカへの対抗心を吐露したのです。
当然、来年はメジャー優勝。その前にケプカを抜いて世界ランキングのトップに立つことを目指すのでしょう。
彼は欧州ツアーの最終戦「DPワールド・ツアー選手権」(11月21日~24日)に出場予定です。成績次第でケプカを抜く可能性があります。
一方のケプカは膝の手術明けで、復帰戦はまだ伝えられていません。
その発言や動向が注目される中、先月末のハロウィーンの直前には、ガールフレンドのジェナ・シムズさんと仮装姿をインスタグラムにシェア(下掲)。
股間の前に箱をぶら下げ、「ステップ1:この箱に穴を開けて」なんて、相変わらずのやりたい放題。
それでも、来年のふたりの直接対戦は大いに楽しみです。