ゴルフ動画
こせきよういち
来年からは無罰!~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#97
来年1月1日、ゴルフルールが大きく変わることは、ゴルファーの皆さんならご存じでしょう。
変更の主な狙いは「分かりやすさ」と「プレー時間の短縮」。その結果、プレーヤーには“ありがたい”新ルールがいくつもできました。
例えば「バンカー内のルースインペディメントは取り除ける」。これを知ると知らないとでは、スコアに違いが生まれるかも知れません。
「ルールは身を助く」です。早めに熟知したいですね。
そこで今回は「来年だったら無罰なのに」というケースを動画で紹介しましょう。
自打球に当たっても無罰
このインスタ動画のような、ティーショットでのケースはほとんどないでしょうが、例えばアゴの高いバンカーで、林の中からのリカバリーショットで、「自打球が当たる」リスクを感じたことはありませんか?
その場合、現行のルールでは1打罰(ボールはあるがまま)ですが、来年からは無罰(ボールはあるがまま)となります。
体だけでなく、クラブに当たっても同様に無罰です。
だからといって、林の中からリスク覚悟でグリーン方向を狙う、なんて無謀は控えてください。
2度打ちも無罰
ラフから柔らかなタッチのアプローチを試みたときに起きがちな「2度打ち」。
古くからのファンなら、真っ先に思い出すのがこのエピソードかも知れません。
日米両ツアーで活躍した台湾の陳志忠(T・C・チェン。日本ツアー6勝、米ツアー1勝)は、1985年の全米オープンで最終日を首位で迎えました。
ところが、5番パー4でこの「2度打ち」。結果、このホールで8を叩き、優勝したアンディ・ノースと1打差の2位に惜敗したのです。
現行のルールで「2度打ち」は1打罰。
しかし、来年からはこれも無罰。ボールはあるがままで、次のストロークを行うことになります。
グリーン上、他の球が当たりそうな球を拾い上げても無罰
このインスタ動画は今季欧州ツアーのプロアマ競技「アルフレッド・ダンヒル・リンクス選手権」で撮られた、ルイ・ウーストハイゼンのスーパー・アプローチですが、問題は先にグリーンオンしていたアマチュアの行動。
このケースは、現行では「グリーン上では、他の球が動いているときは、その動いている球の動きに影響を及ぼすかもしれない球を拾い上げてはならない」(規則16-1b)という規則があり、それに違反する可能性があります。
そして、違反となった場合は、2罰打の付加になります。
でも、これも来年からは無罰。
規則11.3「動いている球に影響を及ぼすために故意に物を動かす、または状態を変える」の例外に「グリーン上に止まっている球」という規定ができるからです。
グリーン上、カップに立ったままの旗竿に当てても無罰
このルールは何かと話題ですから、多くの方がご存じでしょう。
現行では、グリーン上でストロークされたボールが「ホールの中に立っていて、人に付き添われていなかった旗竿」に当たった場合は2打罰になります。
これも来年からは無罰です。
このルール変更ですが、旗竿は立てられたままのほうがカップインしやすいという実験結果があり、来年のツアートーナメントでは、意図的に旗竿を立てたままパッティングする選手の姿が頻繁に見られるかも知れません。
念のため、このインスタ動画は欧州ツアーの競技シーンなので、ボールはグリーン上になく、外からのアプローチパットなんだと思います。
旗竿に寄りかかって止まってもカップイン
最後は、ボールが「ホールに入る」の定義について。
「ホールに入った」状態とは、新ルールでも現行通りで「球がストローク後にホールの中に止まり、球全体がパッティンググリーン面より下にあるとき」となっています。
ただ、ひとつ例外ができました。
それが、(ちょっと微妙ですが)このインスタ動画のシーンです。
現行、このような場合は旗竿を揺するなどしてボールをカップの底に沈めた(正確にはボール全体がグリーン面より下になった)ところで、ホールインが認められました。
しかし、来年からは「プレーヤーの球がホールに立てられたままの旗竿に寄りかかって止まっている場合、球の一部がホールの中でパッティンググリーン面より下にある場合、球全体がその面より下になかったとしても、その球はホールに入ったものとして扱われる」という規定が加えられ、動画のケースも、この時点でホールインが成立。
プレーヤーはこのままボールを拾い上げることができます。
今回はネットで拾った動画を素材に新ルールを紹介しましたが、他にも覚えておきたい新ルールが多々あると思います。
それは、ぜひご自身で。