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10年以上のブランクを経て、ゴルフに再チャレンジするということ(58)
596日で途絶えた、自宅練習の連続記録。
翌日そのことに気づく。
後悔…しかし、なぜか安堵も。
“できてない。ちゃんとできてないんだ”
そう思って練習をしてきたけど、できるようになるまでやろうと続けてきたけど、きっと何かが違うんだ。何か勘違いしているんだ。
“これは、今までの習慣から離れるチャンス…か? よし、何かを変えてみよう!”
気分転換でL字パター!
練習を再開した596日前、納戸から引っ張り出してきたクラブ達。
パターはずい分とあったがすべて出して試し、中から練習する1本を決めた。
かつてはショットもさることながらショートパットに悩み、いろんなパターを買い、また改造もしてきた。
長いパットやアプローチをそこそこに寄せた後の、締めのパッティングを確実に決めたいと、打ち方もいろいろ工夫してきた。
結果がよかったのは、当時出始めのフェースバランスパター。
でも構えにくい。
構えて気持ちいいのは、クラシックなL字。
ふらっと入った中古ショップで、一山いくら的コーナーにあった無名のお品。
グリップをタイトリストに替えて、「うそッティキャメロン!(笑)」にして愛用していた。
だがいかんせん敏感で、距離も方向も安定感がなく実戦向きではない。
“もっと優しいL字パターはないものか?”
そして辿り着いたのは、当時アマチュアでツアー優勝を遂げたハニカミ王子(石川遼選手)が使っていたL字マレット。
復帰後も不動のエースだった。
でも、あえてここから変えてみよう!
まずは転がしてみる。
いつもと同じ距離同じ目標を、L字で狙ってみる。
おぉ!
全然狙ったところに行かない!笑
ヘッドが敏感に動く。
球に当たった瞬間、クッ!と閉じて球は左へ。
そうかと思うと、今度は開いて右へ。
なかなか真っすぐに行かない。どこに芯があるんだろう?
パターを左手で吊して、芯と思われる当たりを人差し指の爪でコツコツと叩いてみる。
少しヒール側からトウ側へ、少しづつ移動させながら。
ヒール側を叩くと、クッ! とヘッドが閉じるように揺れる。
トウ側を叩くと、今度は開くように揺れる。
その中間の、ヘッドが真っすぐのまま動く所を探す。
“この辺りか?”
でも少しズレると、途端にヘッドが左右に揺れ出す。
さらに上下方向も探り、ヘッドが開閉せず、かつ吊した左手に一番振動が伝わらない所を探す。
ややヒール寄り、フェイス面の一番上の端にそれはあった。
手にした球をそこに当てがってみる。
ややハンドファーストでダウンブロー気味に入らないと、ここには当たらなそうだ。
少しハンドファーストに構え、カップ替わりのコースターを狙う。
でも、まるで狙った所に行かない。
左に出ることが多いが、芯に当てようとすると今度は右に出る。
1メートル少しの距離でボール1個分簡単にずれる。
ややもするとカップに触らないほど、だ。
“ん~。昔はこれでラウンドしていたよな? 難しいからマレットに替えた訳だけど…でもここまで難しかったか?”
打ち方が悪い?
“おかしい…。これほどブレるのは変だ。打ち方がいけないのか?”
ずっと練習してきたL字マレットに持ち替えてみる。
“ん? ちゃんと真っすぐ行くじゃん!!”
打ち方じゃない。
“L字パターが難しいんだ! 難しすぎるんだ!!”
でも昔のプロ達はこれでゴルフをやっていた。
昔の自分も、ハンディ14位まではこれでやっていたよな?
てことは?
このL字パターで、またやってみるか!
きっと、ここに何かある。
きっと、今の欠点、問題点がある。
よし、練習再開だ。
そして、今までに得た点在するヒントを、意味のある一本の線につなげて行くんだ。
ここから、また、ゴルフの謎解きを楽しませてもらおう。
年相応に片意地張らず、頑張らず。
1メートルさえ真っすぐに転がせないほどの難しさに、何が間違っているのかを教えてもらおう。
よくも悪くもいかようにも構えられいかようにも振れる、敏感で、自由度満点のL字に…今の自分を存分に映し出してもらおう。
(決して力強いとは言えない再出発ですが…ゆるゆると続く…予定笑)