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10年以上のブランクを経て、ゴルフに再チャレンジするということ(56)
絶好調~! と自分に期待して臨んだラウンドは、なんと108回の大叩き。
アクシデントで今年最初のラウンド、8ヶ月ぶりではあったが、それにしてもがっかり。
ハンディ2のスーパーゴルファーテッちゃんに報告すると「は? 今年初で? ゴルフなめてんの!?」と、当然の結果だと言われる。
でも、毎日の自宅練習と3日連続での実打練習の結果は上々だっただけに…。
3日後、ドライバーと8番アイアン、アプローチウェッジの3本だけを持って練習場へ。
そして、いつもは決して選ばない70分打ち放題を選択。
めっちゃクチャに打ちまくって、ストレス解消&実験だ!
まずはいつも通りの振り幅から。
ストレッチをして、水を買って、いざ打ち放題スタート!
素振りはなし。
サンドウェッジで8時~4時の振り幅から打ち始め、9時~3時へ。
問題ない。
ハンドファーストを終始キープしたままで、真っすぐ、高く上がる。
ラウンドでも、アプローチはノーミスだった。
コースに出ていないが故の距離感やクラブ選択のミスはあったが、打ち損ないは1発もなかった。
“ここまではいいんだよ…やってきたことは間違ってないんだよ…”
やがてフルスイングへ。
左へ曲がり出す。
8番に持ち替えた。
左に曲がる。
今度は右手1本で9時~3時スイング。
そのままだんだんと、片手のままフルショットへ。
真っすぐ行くが、しかし飛距離が出ない。
欧米ツアーの選手がやる、インパクトの形のままのようなフィニッシュ。
出戻りのおっさんがやっても、ただ飛ばないだけ…。
バンバン打つ!
そのまま右手1本で、飛距離を出そうと強く振る。
しかし、クラブが動きたがる力を制して振るような感じで、すごく無理がある。
ヘッドに任せて脱力すると、クルリ! とヘッドがターンした。
そして自然に、クラブを下に叩きつけるような、ストレートパンチを打つような動きになった。
腕が、グリッ! と左回りに捻れる。
“丹下段平の教えを受けたジョーが、西を殴りながら言ってたなぁ…ねじり込むように、打つべし! 打つべし! 打つべし!”※
そんなシーンを思い出しながら、片手でポンポン打ち続ける。
球が低い。
スピン量が多い。
しかし…強くフェースターンしているはずなのに、なぜか左には曲がらない。
ロフトが立つような、球を包み込むような動き。
球の出ていく方向は左右にばらついているが、そのまま真っすぐという感じ。
“俺のフックの原因は、フェースターンのし過ぎじゃないのか?”
1階打席から、この片手打ちで100ヤードを楽々と超えていく。
大げさではなく、さっきまでの倍近くの飛距離が出ている。
そして、とても振りやすい。
力が込められる。
きっと人間の身体にとっての自然な動きなんだろう。
肘もまったく辛くないし、どこにもストレスがない。
“ゴルフって、片手でやったら簡単なんじゃないの~!?”
※1970年よりフジテレビ系列で放映されたテレビアニメ「あしたのジョー」の1シーン。この場面、正しくは「左ジャブ」及び「えぐり込むように」です。
何が正解!?
今度は左腕も添えて両手で打ってみる。
先ほどまでの、右手1本の動きをジャマしないように。
不思議なことに、両手で打つと左に曲がる。
右手1本と何が違うのか。
左は緩く添えるだけにして、先ほどまでと同じように右手1本の意識で振ってみる。
左がジャマしてトップが伸び伸びと大きく上げられない。
小さめのトップから下に振り落とす。
“!!”
びっくりするほど左手が返っている。
でも球は真っすぐ飛ぶ。
“腕を返したほうが曲がらない?”
これなら真っすぐ行くけど…。
今度はまた両手で、8番アイアンのまま振り幅を小さくし、ずっと練習してきたブランコ打ちをする。
大丈夫。両手でも打てる。
だんだんに振り幅を大きくする。
フェースを急激には返さず、ただ振り幅を大きく。
首を大きく右にかしげたまま、右肩が前に出て行くフィニッシュ。
球は真っすぐ、いやむしろ少し右に曲がって行く。
でも…飛ばない…。
“100ヤードを8番か9番かと思案するゴルフなんて…それが今の現実!?”
答えが出ないまま70分の打ち放題が終了。
330発。
迷いが生まれたと言うよりも…あきらめかな…心が折れた。
この日を最後に、練習場には行かなくなってしまった…。
(続く)