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10年以上のブランクを経て、ゴルフに再チャレンジするということ(53)
“できた! 分かった! あとはこれを身体に染みこませるだけだ!”
そう思うと、ワクワクが止まらない。
帰宅後、夢中で書いた殴り書きのメモをノートに清書しながら、昼間の感覚を思い出す。
“もういつでもあの動きができる!”という確信と“またあの動きができるだろうか?”という不安。
できることなら今日から毎日、練習場で球を打ちたい!
でも……今の自分にはその経済力が……うん! でも大丈夫! 素振りで極めていこう!!
そして……コースに出よう!!
かーちゃん、今絶好調なんだよ! お願い! お小遣いなんとかして!!
今年初のラウンドだ~
勇んでみたものの、月例会はいっぱいで予約が取れない。
かと言って、一人での予約には違いがないんだけど、一般のお一人様予約は気が進まない。
競技ではどんなクラブ選択も恥ずかしくはないけど、お一人様では内心“アイアンで打ちたい”と思っても、変に気を遣ってドライバーを持ってしまいそう。
特にね、レギュラーティから右ドッグレッグのティーショット。
今や絶好調とは言え、復帰後は左曲がりが基本の自分には、一番嫌なシチュエーション。
こんな時は悩まず“サッ”とアイアンを抜いて、気楽に真っすぐ打ちたい。
競技でさえも人によってはいろいろ言われるんだから、一般の、初めましてのラウンドでは、いろいろ気を遣っちゃいますよねぇ……。
タケシさ~ん!
こんな時は、アスリートゴルフからお遊びのゴルフまで、その深い懐でいなすタケシさんしかしない!
でもタケシさんのお休みは平日~。
なので……この記録的な猛暑の中、わざわざお盆休みを利用してのラウンド同伴をお願い。
しかし「いや、さすがにこの暑さは自殺行為でしょ~」と、あれま!の撃沈^^;
でも嫌いじゃないタケシさんは、3日前に「やっぱりイクイク♡」と改心(笑)。
さすが!!
さて、そうと決まれば早速練習場へ!!
う~ん、絶好調!
強烈な開眼から約1ヶ月。
その間は相変わらずの家練と毎日100回の素振りで鍛錬。
素振りの難しさを痛感しながら、素振りならではの悪癖を週1の練習場で修正しながらこの日を迎えた。
決まったラウンドは3日後。
今日からは素振りは中止して、いつもの家練と練習場での素振り&球打ちで調整。
3日間毎日打った。
初日は少し納得のいかない左曲がりが多く、100発ほど打ち込み。
翌日は50発で納得。
さらに翌々日は30発でもう完璧。
球を上げたくない狭いホールのティーショット用に、ドライバーを短く持ってスプーン(3W)用の短いティーアップで打つ練習もした。
低く、かつ右には曲がりそうもないストレートボール。
大きなショットはあっさりと終えて、苦手な50~70ヤードを素振りと共に打って終了。
明日はすんごいスコアが出そうだぞコリャ! ウッシッシ!!
朝イチ、意外なお言葉で一気に動揺^^;
タケシさんと来たら、なんと粋な計らいで憧れのヨシ先輩をメンバーに加えてくださった!
ヨシ先輩とは、クラブ入会当時によくラウンドしていただいた。
クラブハンディは4。ハーフのベストスコアはなんと29!! 一時は「in29stroke」というイヤラシイ(笑)メールアドレスだったっけ。
あのゴルフがまた見られるんだなぁ……。感激!!
西のショートホールからのスタート。
「さて、下手くそなヤツからいくか!」の声に当然のようにティーグラウンドへ。
手には9番アイアン。
“絶好調とは言え、しかし久方ぶりのラウンドだ。今日はこの二人に勝とうなどとは思わずに、タケシさんの奥様(アスリートゴルファーです。飛ばし屋^^;)に勝てるように頑張ろう!”
そう思いながらティーアップすると、そこへ「どこにティーアップしてんの? あっちだよ!?」の声。
は?
バックティー??
今日は競技じゃないから前でしょ?
「今日は後ろからやっていいことになってるんだよ! カートに青旗付いてんだろ!? 早くしろよ~っ!!」
え~っ!! バックからやるの~?
あわててカートに戻って7番アイアンに持ち替えて、バックティーへ。
結果は!
ちーっちゃいバックティー。
140ヤードの池越えで、小さなグリーンの左はスグOB。少しアゲインスト。
スイングのイメージを出しながらゆったりと素振りをし、そっとグリーンの右エッジ辺りに運んで「入ればパー」のパットを打つプランが、この瞬間に崩壊。
スイングのイメージやリズムを素振りで表現して、その素振り通りに打つ練習場でのルーティーンはどこへやら。
グリーン右エッジに狙いを定めて、あとはひたすらダフらないように、引っかけないようにとハンドファーストを意識するので精いっぱい。
パシ~ン。
ちゃんと当たった。
いい球だ。
よし。
でも、ちょっとドローし始めた。
グリーンセンターに向かってる。
あぁ、早く落ちろ。
早く落ちてくれ!
スーっと、少し左に切れながら落ちて行く。
まだか。まだ落ちないのか。
ギリギリグリーンに落ちてくれ!
あ~っ!
左へ跳ねた~。
……。
うわ〜ん! 入ってしまった~!!
OBだ~。゚(゚´Д`゚)゚。
(続く)