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10年以上のブランクを経て、ゴルフに再チャレンジするということ(34)
土砂降りの中迎えた、苦手な西コース4番ホール。
ひどい当たりのティーショットがOBになり、前進4打の特設ティからプレイ再開。
ここからの景色は昔と変わっていない。
距離は100ヤード程だが、強烈に打ち下ろしていて、グリーンの奥のカラーから3メートルほどで斜面となり、膝上くらいからはOB。
さてしかし……どれ位打てば届くのか?
昔もこのホールは良く左にOBして、この前進ティーから打ったけど、何番でどのくらい打っていたのかまったく思い出せない。
サンドウェッジなら大きくはないでしょ!
サンドウェッジ(SW)を抜いて、特設ティーに低めにティーアップ。
土砂降りの雨に霞むグリーンを見下ろす。
メガネレンズの水滴がうっとおしい。しかも内側は身体からの熱気で曇る。
昔はコンタクトだったから気にならなかったが、今やコンタクトでは手元がまったく見えずメガネでのプレイ。
SWなら、手前のバンカーはあっても奥まで飛ばすことはないはず。
“左のOBも避けて、右サイドを狙って”
せーの! カチン!
!!
うわ! よりによってハーフトップ!!
こら! やめろ!!
ボールはピンの右に元気よく飛んで行く。
グリーンに向かって落ちてきた。
でも、落ち際で消えた。
グリーンに落ちた感じはない。
“グリーン奥のセミラフか? まさか奥のOBまで届いた?”
でも、同伴競技者はもちろん、キャディさんも何の反応もない。
“そっか! グリーン奥にこぼれてるんだな、きっと”
SWを持ったままでカートに乗り込む。
カートを降り、皆自分のボールへ歩み寄る。
自分もSWを持ったまま、グリーン奥のセミラフへ。
ボールが飛んだラインは明確だった。
でも、そのラインにボールは見当たらない。
このモジャモジャのラフの中か~^^;
足とクラブで、斜面にかかる深いラフの中を探す。
「あら? ないの!?」
キャディさんが、のんきなことを言っている。
“OBまで届く感じじゃなかった。この中にあるはずだ”
“あ、あった!”
かろうじて見えるくらいにラフの中にもぐっているが、ちょうど飛んだラインにボールを発見!
ありました〜!!
そう叫んでアドレスに入ろうとすると、キャディさんが良いライにプレースを勧めてくる。
「あったの!? よかったぁ! さ、プリファード・ライ♪ プリファード・ライ♪」
良いんですか? こんなところでピックアップして?
「大丈夫よ! 今日はフェアウェイだけじゃなくスルーザグリーンだから、ラフでもなんでも拾い上げてプレースできるのよ!」
すっかりアプローチを終えた同伴競技者が、そのやり取りを見守っている。
“それじゃあ、そうさせてもらうか!”
そしてラフに埋もれたボールを拾い上げ、ラフの上にそっと置こうとしたその瞬間……。
大きな「ゼクシオ」のロゴが目に飛び込んできた!
“あ! これは俺のボールじゃない!!”
パニック!
すぐそばでキャディさんが見ている。
同伴競技者も数メートル内に3人。グリーンに乗ってないのは自分のみ。
後ろの組もセカンド地点で待っている。
正しい処理を考える心の余裕はなく、完全にパニック状態。
今日で復帰後4ラウンド目。競技は2ラウンド目。
ロクにゴルフ感も戻っていないのに、無茶だった。いや、元々の気弱な性格が災いしたか……。
“このまま、このボールでホールアウトしてしまうしかない!”
正直、それ以外の考えは浮かばなかった。
ボールを置くや否や、すぐにクラブを振った。
ラフを出て、セミラフへ。
自分のそばから、ボールが離れて行くのが怖い。
“グリーンを転がるボールを見られたら……誤球がばれてしまう”
直ぐにまた打つ。チャックり。
そしてまた直ぐに打つ。チャックり。
でも端っこに乗った。
一番遠い。直ぐにパット。
全然近くない。でもお先に打つ。
入った。
このホール9打で先へ進んだ(本当は、次のホールのティーショットを打ったところで失格。下記参照)。
ルールを確認
これを懺悔するにあたり、JGAのサイトでルールを確認しました。
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自分のインプレーの球以外の球をストロークした場合、誤球のプレーをしたことになりマッチプレーではそのホールの負け、ストロークプレーでは2打の罰を受けます(規則15-3)。
コース上でよくあるのは、同伴競技者の球をストロークしてしまった、あるいは遺棄されている球をストロークしてしまったケースでしょう。
また、アウトオブバウンズにある球をストロークしてしまったり、初めの球が5分以内に見つかったのにすでプレーした暫定球の方を続けてストロークプレーしてしまった場合も誤球のプレーをしたことになります。
ストロークプレーで誤球のプレーをした場合は2打の罰を加え、自分の正しい球でプレーをし直さなければなりません。なお、その場合、誤球をストロークした打数はカウントしません。例えば、第2打目を誤球のプレーをしてしまった場合、プレーヤーはあらためて自分の球を第4打目としてプレーなしければなりません。
また、自分の正しい球を探さなければならない場合、誤球をプレーした時間は球を捜索するための5分間にはカウントしません。
自分の球が同伴競技者に打たれてしまった場合、つまり誤球のプレーをされてしまったほうの競技者は罰なしに、球を元の位置にリプレースしなければなりません。リプレースする球は別の球に取り替えることもできます。
ストロークプレーで誤球のプレーをしたのに、訂正のプレーを行なわずに次のホールのティーショットをプレーした場合(最終ホールではパッティンググリーンを離れる前に訂正の意思を示さなかった場合)、競技者は競技失格となります。
www.jga.or.jp/jga/jsp/column/news_detail_4002.html
ゴルファー失格!
お恥ずかしい話ですが……。
誤球は2打罰。それしか知りませんでした。
“後で2打足しておけばいいだろう”と、そのままプレイを続けました。
“いや、2打足したらマーカーに訳を話さないと……。でもどうせ入賞はないんだし、慌てたチャックリ2回で2打罰みたいなもんか!”と、身勝手な理屈で自分だけの胸に納めました。
ひどい話、です。
Q1.さて、今回私が取るべきだった正しい行動は?
A1.「これは私のボールではありませんでした」と告げて再度ボールを探し、見つからなければロストボールとして前進ティーに戻り、6打目でプレイ再開する。
Q2.そもそもどうすべきだった?
A2.前進ティーからの4打目の落ち際が良く見えなかった時点で、暫定球を打っておく。
A3.競技に出る段階で、ルールを確認して手順をシミュレーションしておく。
もう一度あの場面に戻ったら……強い雨に打たれ、冷たい視線を一身に浴びつつ長い急坂を上りきって、前打球位置から息を整える暇もなく打ち直す……正直、できる自信がありません。
なのでこれからは、たとえどんなに怪訝(けげん)な顔をされても、球の在り処に自信がなければ暫定球を打つ! と決めました。
以上、ゴルファー失格の、お恥ずかしい実話でした。
もう2度といたしません。
同伴競技者の皆さま、申し訳ありませんでした。
これを読んでくださっているゴルフ愛好家の皆さま、ゴルフを汚してすみませんでした。
ゴルフの神様、すみませんでした。
どうか……お許しください。