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飛太郎
あなたの人生を変えるかも知れない「ゴルファーの名言」たち
こんにちは、飛太郎です。
伝説とまで称される歴代の偉大なゴルファーたちが残してきたのは、輝かしい記録や奇跡のようなスーパーショットだけではありません。
数々の戦いを駆け抜ける中で、彼らが「一人の人間として」それぞれに学び、心に刻み付け、魂に焼き付けた哲学。
その哲学を彩る「名言」もまた、彼らが残してくれた至宝だと言えるでしょう。
プロ・アマを問わず、たくさんのゴルファーにはそれぞれの哲学がおありだと思います。
皆さんのゴルフライフ、あるいは人生に大きな気付きを与えてくれた「名言」、どのようなものがありますか?
飛太郎オススメの、偉大なゴルファーが残した名言を少しご紹介します。
目次
今なお“史上最高”と呼ばれる、ベン・ホーガン、その神髄
「The Hawk」「Ice man」「Big Ben」など数々の異名で呼ばれ、そのあまりに強靭な精神力に多くの選手が畏敬の念を抱いた選手。
今もなお史上最高のゴルファーとして語り継がれる、ゴルファーなら知らぬ者なし、ベン・ホーガン氏。
僕がこの世で最も尊敬し、影響を受け、勇気をいただいたゴルファーでもあります。
彼が残した言葉の中で、僕が個人的に胸を貫かれたのはこの言葉です。
“練習以外、ゴルフに上達の道はない。”
1949年、交通事故によって骨盤の複雑骨折、肋骨・鎖骨・踝(くるぶし)の骨折という致命的な重傷を、彼は負いました。
全身に発生した血栓により、絶望的とも言えるダメージも残しています。
誰が見ても致命傷と呼ぶであろう瀕死の状態であり、医師からは「歩くことすらできないだろう」と診断されたにも関わらず、彼はその事故からたった11ヶ月の後、1950年のロサンゼルス・オープンに復帰。
もちろん医師の見立ては誤診ではなく、彼は身体に重大なダメージを持ち続けている状態でしたが、恐るべきことに第2位の戦績を残しています。
それだけでも尋常ならざる偉業ですが、彼はそこから5ヶ月後に全米オープンで優勝を果たし、さらにその後も片足を引きずりながら、6つのメジャー大会を制しています。
強靭・強固と呼ぶだけでは、もはや言葉が足りません。
その彼が、「ゴルフ上達の道は、練習以外ない」と言っています。
当たり前のことなのかも知れません。
しかしその当たり前のことを、彼は生涯貫いたのでしょう。
常人ならば当たり前のことすらもうできない重傷だと診断されてもなお、誰よりも強く熱く揺るぎない、まるで鋼鉄のようなその意思で貫き通したのでしょう。
涙が出ます。
ちなみに、彼と同時代を戦った偉大なる“スラマー”、サム・スニード氏はこんな言葉を残しています。
「私がゴルフで恐ろしいものは3つ。雷、ベン・ホーガン、そして下りのスライスラインのパットだ」
ベン・ホーガン氏の圧倒的な威圧感が、その言葉からもひしひしと感じられます。
願望実現のための至言! アーノルド・パーマー
“絶対勝つと思ったら、勝つ。高く昇ろうと思ったら、高いところを思え。勝つのはたいがい、勝てると思っている人間だ。”
2016年に惜しまれながらもこの世を去った、アーノルド・パーマー氏。
これだけ「勝利」にこだわった言葉を残しながらも、彼はゴルフに対して誠意を欠くことはありませんでした。
それを示す有名な逸話は、全英オープン初優勝時のものでしょう。
嵐の中、彼は優勝に目をくらますことなく、誰も確認していないにも関わらず自身の1打罰を申告します。
「バンカー内の自分のボールが、動いた」と。
心あるゴルファーなら当然のふるまいではありますが、果たして、誰もが憧れる大舞台で、しかも優勝が目前に差し掛かった瞬間に、同じことができると誰が断言できるでしょうか?
プロ通算勝利数:95
賞金ランク1位を4度経験しながら、彼は「勝つこと」に目を奪われることなく、ゴルフに誠実の限りを尽くしたのではないでしょうか。
その上で、僕はこう受け止めています。
「勝つことの本当の意味、そして価値を見失わないこと」、それを彼は心得ていたのではないか、と。
もしも彼が勝利に目を奪われる程度の選手ならば、最初にご紹介した言葉は残せなかったのではないでしょうか。
ルールも、モラルも、マナーも遵守する。
アクシデントも、悪天候も、ヒューマンエラーでさえも受け入れる。
「それでも絶対勝つと思えば、勝つ」
高い所へ昇ろうと思ったら、高い所を思うかのように。
願望実現とは、そういうものなのではないでしょうか。
彼は、それを誰よりも良く知っていたのだと思えてなりません。
“球聖”ボビー・ジョーンズが残した、ゴルファーの「バトン」
その自制心に富むプレイスタイルから「球聖」と称された、ボビー・ジョーンズ(本名:ロバート・タイアー・ジョーンズ・ジュニア)氏。
球聖の名を冠するに相応しい彼の精神性は、彼が残したこの言葉にも表れています。
“卑しきシングルより、正直なるダッファーたれ。”
不正やごまかしなどでゴルファーの資質を損なうシングル・プレイヤーに価値はなく、ゴルファーシップを重んじることができる紳士なダッファー(ダフりを連発する人、広義で下手な人の意)のほうが素晴らしい。
そう断言する彼にもまた、アーノルド・パーマー氏と同じエピソードがありました。
1925年の第29回全米オープン、ラフにおいて自身がアドレスに入った際にボールが動いたという理由から、自ら1打罰を申告しています。
「誰も見ていないからペナルティは必要ない」と言われても、彼はこう返しています。
“銀行で金を盗まなかったからといって誰も褒めない。ゴルファーとして当然の行為である。”
その結果、彼はプレーオフを戦い抜く奮戦を見せながら惜しくも優勝を逃していますが、同じ時代に生き、その場面を見知っているすべての人を、僕は羨ましいと感じます。
素晴らしい記録や結果を見て、感動することは確かにあるでしょう。
しかし、人間が人間として、かくも正しく美しくあろうとする姿にこそ、真の価値や真の感動があると思えてならないのです。
なぜならそれは、「その時に・その人だけが素晴らしかった」という美談で終わるただの結果ではなく、後世に手渡していける「バトン」であると思うからです。
次の時代を生きる人への道標という、本当の意味でのギフトになると思うからです。
その何物にも代えがたいバトンをつないだボビー・ジョーンズ氏は、終生アマチュアを貫きました。
「正直なる球聖」、お見事としか言えません。
どんな言葉でも、あなたの心に残ればそれが名言
いかがでしたでしょうか。
ご紹介した名言たちは、とても有名なものばかり。
しかし、飛太郎は思うのです。
彼ら「偉人」と呼ばれる人物が残した言葉だけでなく、日常のどんな些細な会話であっても、あなたの心に残るもの、それがすなわち「名言」なんじゃないのかなぁ……と。
僕は、言葉をとても大切なものだと思っています。
なぜならそれは、誰かの「思い」そのものだからです。
ですから、それが実の伴わないただの「記号」として、右から左へと飛び交って終わってしまうのは、とても悲しいことだと思うんです。
僕らの前を歩んだ人たちが、僕らの時代にも、その先の未来にも息づいていくであろう言葉を残してくれた。
その意味を、その思いを受け取ると、どうしても言葉を軽んじる気持ちにはなれません。
生意気を言って申し訳ありませんが、少しでもこの小さな文章が、お一人でも多くの方に届けば良いな、と願うばかりです。
それこそ、僕ごときの言葉は「名言」になんてならなくて良いですから。
皆さんの中にある「名言」、増やしていってください
誰にだって、心に残る言葉はあると思います。
愛するご家族からの言葉、大切なご友人からの言葉、恋人や先生や師匠からの言葉……。
人は人の言葉によって、支えられたり勇気付けられて生きています。
そう考えるとこの世は、それぞれの人にとっての「名言」に溢れている訳です。
素晴らしいですよね。
最後に私事で恐縮ですが、僕の中に生きている、かけがえのない名言をチョコっとご紹介させてください。
どうでもいいことかも知れませんが、3年前に僕は背骨に厄介な難病を発症していると診断されました。
絶望の中、最後のつもりで出場した試合で、ともに決勝戦を戦ったある一人の選手から話し掛けられました。
皮肉なことに、その最後と決めた試合で優勝してしまった僕に、彼はこう言いました。
「やれる時はやる、休まなきゃならんときは休むんだ。君とはこれからも戦うんだから」と。
「やらなきゃならん時にやらないのはダメだが、それと同じで、休まなきゃならん時に休まないのもダメだ。サボっちゃダメなんだ」と。
彼は頸椎にヘルニアを抱えており、状態によっては身動き一つ取ることができなくなる時もしばしばある、と僕に打ち明けてくれました。
それを抱えながらも戦い続け、こうして僕に笑って話せる彼の姿を見て、なんて素晴らしい選手だろうと思わず涙が出ました。
彼がどんな思いでその言葉をくれたのか、その真意はわかりません。
文字にすると、特に名言めいたものではないように皆さんには映るかと思います。
しかし、その時の彼の表情や言葉の抑揚、話し口調の温かさが、いつまで経っても心に残るのです。
どうしようもない痛みに苛まれる度に、彼の言葉に支えられるのです。
いつの日からか、僕にとっての名言となっていたのでしょう。
史上最高のゴルファーと呼ばれるベン・ホーガン氏は、再起不能と診断されてからまさに神懸かり的な偉業を成し遂げました。
数々の偉人が、さまざまなアクシデントや病を押し退けて戦い続けてきました。
そんなすごい先人たちが命を懸けて道を切り開いてきたのに、僕のような名もなき飛ばし屋が、人知れず落ち込んでいる場合じゃないですよ。
皆さんも、どうぞいっぱい「名言」を集めてみてください。
もしも今どんな苦境に立っていても、あるいはこれからどんな壁にぶつかったとしても、皆さんの中の「名言」は、必ず奮い立たせてくれるに違いありません。
それではまた!
「ドライバーを見ると吐き気がするくらいになるまで、絶対に辞めるな」と嫁さんに言われた、飛太郎でした。
思えばこれも名言ですね(笑)。